嫉妬深い人の特徴とは? 嫉妬深い男女の心理や恋愛傾向も解説

「嫉妬深い」とは、好きな人が自分から離れるのを嫌悪したり他人の幸せをねたんだりしてしまう様子を意味します。今回は、嫉妬深い男性・女性に見られる性格の特徴や恋愛傾向に加え、嫉妬深い人の心理と接し方について、心理カウンセラーの服部希美さんが解説します。

あなたの周りに「嫉妬深い人」はいますか? もしかしたら、そんな人から嫉妬され、振り回されてしまった経験がある人もいるかもしれません。

あるいは、つい嫉妬深くなってしまい、「周りから人が離れていく気がする……」と悩んでいる人もいると思います。

嫉妬は誰しもしてしまうものですが、いきすぎた嫉妬は対人トラブルや別れの原因になることも。

そこでこの記事では、嫉妬深い人の特徴や心理、嫉妬深い人と上手に付き合っていく方法をお伝えします。

「嫉妬」や「嫉妬深い」の意味とは?

「嫉妬」を辞書で引くと、下記のように記載されています。

しっ‐と【嫉妬】

(1)自分よりすぐれた者をねたみそねむこと。
(2)自分の愛する者の愛情が他に向くのをうらみ憎むこと。また、その感情。りんき。やきもち。

出典:『広辞苑』(岩波書店)

例えば、会社の同期が自分より先に昇進したのを知って面白くない気持ちになったり、恋人が他の異性と話しているのを見て「心変わりしてしまうのではないか」と警戒したりするのは、嫉妬によるものが多いでしょう。

「嫉妬深い」とは、これらの感情を抱きやすく、激しく嫉妬してしまう様子を意味します。

一時的に嫉妬心を抱くだけでなく、常に嫉妬心にさいなまれているせいで相手を過度に束縛したり、つらく当たったりしてしまう人は、嫉妬深いといえるでしょう。

嫉妬深い人の特徴

嫉妬深い人の考え方や行動には下記のような特徴があります。

(1)いつも人をうらやんでしまう

嫉妬深い人は、自分が持っていないものを持っている人を見るとうらやましく思い、惨めさを感じてしまいがちです。

そのため、結婚や出産・昇進など、自分以外の人の幸せや成功にケチをつけてしまうこともあります。

もちろん、そうしたことにモヤモヤするのはある程度自然な感情です。しかし、その頻度や嫉妬のレベルが高すぎる場合は、嫉妬深いといえるでしょう。

(2)人から注目されたい気持ちが強い

嫉妬深い人は、自分より優れていると感じる人やものをなかなか認めることができず、「自分だけを特別に愛してほしい」「自分が一番すごい人だと思われたい」という気持ちが強い傾向にあります。

その結果、人から認められるため必死に「できる人アピール」をしてしまうことも。

また、全ての人に当てはまるわけではありませんが、嫉妬心を抱いている相手に意地悪をしたり、評判を下げようとしたりする人もいます。

(3)人を束縛しがち

見捨てられるのではないかという不安が強く、人を束縛しやすい傾向にあるのも嫉妬深い人の特徴です。

恋愛であれば、恋人が嫌がっているのに「いつ」「どこで」「誰といたのか」細かくチェックしたり、異性のいる飲み会に参加しないよう制限するといった行為が束縛に当てはまるでしょう。

また、極端なパターンだと相手の愛情が他に向くのを恐れるあまり、愛されている確信を得るために束縛だけでなく相手を試すような言動を繰り返し、せっかくうまくいっていた恋愛を壊してしまうこともあります。

▶次のページでは、嫉妬深い人の恋愛傾向や嫉妬深い男女の心理を紹介します。

嫉妬深い人の恋愛傾向

ここでは、嫉妬深い人の恋愛傾向を紹介します。

(1)こまめに連絡をとりたい

嫉妬深い人は、お付き合いしている状態でも「相手に見捨てられるのではないか」という不安を感じがちです。

特に、離れている時や連絡が取れない時間は不安が大きくなるので、それを紛らわせるためまめに連絡を取りたがる傾向にあります。

いつも恋人とのつながりを感じていたいので、相手から連絡が来た時の返信も早いでしょう。

(2)寂しがり屋

嫉妬深さの背景には、寂しがり屋な性格が隠れている場合も。このような人は1人で過ごすのが苦手なので、恋人がいる場合は高い頻度で会うことを望むでしょう。

また、恋人からの愛情を充分に感じられないと不安定になり、誰かと一緒にいたい気持ちから浮気に走ってしまうこともあります。

(3)自分が主導権を握りたい

嫉妬深い人は、恋人が「どこで誰と何をしているのか」を強く気にする傾向があります。

恋人に主導権を持たせると相手の動向をコントロールできなくなって不安なので、自分が主導権を握ることで安心感を得ようとする人もいるでしょう。

嫉妬深い男女の心理や嫉妬の原因

同じ状況や立場を経験しても、それほど嫉妬しない人もいれば、激しく嫉妬してしまう人もいます。この違いは一体どこから来るのでしょうか。

ここからは、嫉妬深くなってしまう原因や心理について、いくつか紹介します。

(1)自信がないから

嫉妬深い人は、自信がなく、自分には価値がないのではと感じている場合があります。

自信があれば、人と比較せずとも自分の価値を感じることができます。

しかし自信がない場合、誰かに認められないと「自分はダメなのではないか」と不安になったり焦ったりしてしまいがちです。

そのため、自分の劣等感を刺激する存在に常におびやかされている状態になり、それが嫉妬深い性格につながるケースがあります。

(2)成功体験が乏しいから

先ほど、嫉妬深い人は自信がない傾向にあると述べましたが、その自信のもとになる要素の1つに成功体験があります。

嫉妬深い人は成功体験が少なく、これまでの人生で人と比べてられて悔しい思いをしたり、我慢や失敗をたくさんしてきたりした可能性が高いです。

そのため、他人の成功や幸せを目の当たりにすると過去のつらい気持ちを思い出してつい敵対視しがちで、そのせいで嫉妬深くなってしまうのかもしれません。

(3)孤独感を抱いているから

孤独感が原因で嫉妬深くなってしまうケースもあります。

例えば、自分は職場になじめておらず孤独を感じているのに周囲の人たちは仲が良くて、日々楽しそうに談笑している……それを見て孤独感がさらに刺激され、周囲の人に嫉妬してしまう、というパターンが考えられます。

しかし、激しく嫉妬をされると、あまり良い気分にはなりませんよね。そのため、嫉妬深いと人から距離を取られてしまう場合も。

そして、距離を取られることで周りの人たちへの嫉妬がさらに深くなり、また人が離れていく……こんな負のループにはまっている人も少なくないようです。

▶次のページでは、嫉妬深い人との付き合い方について解説します。

嫉妬深い人との付き合い方

人から嫉妬されるのはしんどいですよね。相手から物理的に離れることができたら良いのですが、なかなかそうはいかない事情もあるでしょう。

また、できれば嫉妬深い人とも良い関係を築いていきたいと思っている人もいるかもしれません。

そこで、嫉妬深い人との付き合い方について、気をつけたいポイントを3つ紹介します。できそうなものから試してみてくださいね。

(1)張り合われても冷静に対応する

嫉妬の感情にさいなまれている時は、気持ちに余裕がなくなって感情的になりやすい状態にあります。

そのため、嫉妬心から張り合ってきた人にこちらも張り合おうとすると、余計に相手を刺激してしまい、ヒートアップする可能性があります。

もし嫉妬から嫌味を言われたり攻撃を受けたりした時は、できるだけ冷静になり、一歩引いて対応しましょう。

そうすれば、必要以上に相手を刺激せず済むので、嫌みや攻撃が早く収まりやすいです。

また、嫉妬された時に「相手はそれぐらいつらいのかな」と解釈し、あまり気にせず聞き流してあげるのも優しさかもしれません。

(2)相手を褒めたり感謝したりする

前述したように、嫉妬深い人は自信がなく孤独感を抱えていて、それが嫉妬につながっている傾向があります。

そこで、「あなたには良いところがちゃんとある」「仲良くしたいと思っている」という気持ちが伝わるよう、こまめに褒めたり感謝の気持ちを伝えたりしてみましょう。

これを繰り返して相手に自信がつき孤独感が和らぐと、嫉妬をぶつけられることが少なくなる場合があります。

(3)気にせず自分らしさを貫く

「嫉妬されるのは自分が目立っているからだ」と考えて、相手の顔色をうかがい、自分の力や魅力を押さえつけてしまう人もいます。しかし、それは逆効果になるパターンも。

なぜなら、「嫉妬されないように気を使われている」と察した嫉妬深い人が、余計に惨めさを感じてしまう可能性があるからです。そして、そのせいでコンプレックスを刺激されてしまい、結局さらに深い嫉妬につながる場合があります。

しかし、嫉妬は一定レベルを超えると、憧れに変わることがあります。嫉妬されてつらい時ほどあなたらしく突き抜ければ、嫉妬されるのではなく、純粋に「すごい!」と思ってもらえるようになるかもしれません。

▶次のページでは、嫉妬深い性格の克服法を紹介します。

嫉妬深い性格を直したい! 克服法3つ

この記事を読んでいる人の中には、自分自身の嫉妬深い性格に悩んでいる人も多いかもしれませんね。

心理学では、嫉妬は自然に湧き上がる感情の1つで、誰でも感じてしまうものだといわれています。そして、適度な嫉妬なら「私もあんなふうになれるよう努力しよう」という向上心につなげることも可能なのです。

ここからは、嫉妬深い性格を和らげて、自分らしく生きていくためのヒントを3つ紹介します。ぜひ、日常生活に取り入れてみてくださいね。

(1)自分の良いところを見つける

私たちはつい、自分の悪いところと人の良いところを比べて自信を無くしてしまいがちです。

しかし、嫉妬から解放されたいなら人と比較することをやめ、自分の良いところに目を向けていきましょう。

おすすめは「今日できたこと」を3つ、毎日手帳に書き込んでいくこと。そうすれば、自分には良いところがたくさんあると気づき、自信がつくでしょう。

(2)夢中になれることをする

人は何かに夢中になっている時、落ち込んだり、自分を責めたり、他の人のことを考えたりする余裕はあまりないはずです。

そのため、「嫉妬しているな」と感じた時は、好きなことを思い切りやってみてください。夢中になって何かに取り組むことで、気持ちを切り替えられるはずです。

こうして夢中になれることをして日常を充実させていけば、嫉妬する機会も減るでしょう。

(3)気持ちを紙に書き出す

嫉妬心を無理に抑え込もうとすると、余計につらくなってしまうこともあると思います。

嫉妬を感じたら、相手にぶつけるのではなく、まずはノートに自分の気持ちを書き出してみましょう。

自分の感情を整理し、今の自分を客観視することで、嫉妬心を落ち着けるのに役立ちますよ。また、自分がどんな時になぜ嫉妬してしまうか分かれば、嫉妬しないように日頃から対策ができます。

嫉妬とうまく付き合って自分らしい毎日を!

今回は、嫉妬深い人の特徴や付き合い方、嫉妬深い性格の改善方法などを紹介しました。

嫉妬という感情は、自分が感じることも、人からぶつけられることもつらいものです。

しかし、無理のない範囲で上手に付き合っていくことができると、より自分らしくのびのびと毎日を過ごせるようになりますよ。

今回の記事を参考に、嫉妬深い人との付き合い方や自分の嫉妬心への対処法を工夫してみてくださいね。応援しています!

(服部希美)

※画像はイメージです

※この記事は2022年02月08日に公開されたものです

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