横柄な態度をとる人の特徴4つ。その心理や対処法も解説

「横柄」とは「いばって無礼な態度を取る」という意味。では、横柄な態度の裏には、どのような心理が隠れているのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに、横柄な性格の人の特徴や心理、対処法を解説してもらいます。

あなたの周りに「横柄だな」と感じる人はいませんか?

横柄な態度の人に対応していると不快な気持ちになるかもしれませんが、横柄な人はなぜこのような言動をしてしまうのでしょうか? そして周囲はどう対応すると良いのでしょうか?

今回は「横柄な人」について、その特徴や対応方法を掘り下げていきたいと思います。

「横柄」の意味とは? 類語も紹介

まずは「横柄」の意味と類語を確認しましょう。

意味は「無遠慮なこと」

「横柄」を辞書で引くと、以下のように記載されています。

おうへい【横柄】
[名・形動]《「おしから(押柄)」の音読からか》いばって、人を無視した態度をとること。無礼、無遠慮なこと。また、そのさま。大柄(おおへい)。
(『デジタル大辞泉』小学館)

例えば、目下の人に偉そうな態度で礼儀に欠ける言動をする人を、「横柄な人」ということができます。このような態度は、往々にして相手に不快感を与えてしまいます。

参考記事はこちら▼

「横柄」の意味や類義語・対義語について、詳しくはこちらで解説しています。

類語は「尊大」「威圧的」など

「横柄」の類語としては、以下が挙げられます。

・尊大

・威圧的

・不遜

・高飛車

・驕慢(きょうまん)

横柄な態度をとる人の特徴4つ

それでは、横柄な人によく見られる特徴を紹介します。

(1)敬語を使わない

横柄な人は、敬語を使うべきところで使わないことがあります。

意図して敬語を使わない人もいれば、そもそも敬語が苦手で使わない人もいます。

たとえ敬語が苦手でうまく使えない場合でも、受け取る側はそうした事情までは分からないので、いつも大目に見てもらえるというわけでもありません。

そのため、意図的にしろ意図的ではないにしろ、受け取る側にとっては不快な感情が残ることになってしまいます。

(2)上から目線で考える

横柄な人は、対峙する物事において常に上の立場から考える傾向が強いです。

そのため、周囲からは「いつも人を見下した態度を取る人だ」と思われていることがあります。

また、言葉遣いも「○○しなさい」「○○すべきだ」など指示的になりがちです。

(3)言葉が足りない

横柄な人は、言葉を尽くすことによってコミュニケーションを円滑に進めることが苦手です。

人に自分の考え、特に相手にとってネガティブなことを伝える際は、「なぜそう思ったのか」という根拠を示して話すことで誠意が伝わります。

しかし、横柄な人は結論だけを伝えて終わりにする傾向があります。

(4)体を大きく見せる振る舞いをする

自分の体が大きく見えるよう行動する傾向があるのも、横柄な人の特徴です。

例えば顎をあげて肩をいからせるように歩いたり、足を大きく組んだり、などです。

羽を広げる・毛を逆立てるなどして相手を威嚇したり存在をアピールしたりする動物がいますが、それと同じような行動とも取れるかもしれません。

▶次のページでは、横柄な態度をとる人の心理を紹介します。

横柄な態度をとる人の心理3つ

横柄な人は、なぜそのような態度を取るのでしょうか? その心理として、以下の3つが考えられます。

(1)常に優位性を保ちたい

横柄な人の中には、「1人でも多くの人の上に立ちたい」という気持ちを持っている人も多いです。

こうした競争心自体は悪いことではありませんし、競争心が強いことが強みになる場合もあります。

ただ、競争心が強すぎて戦闘モードが常に続いていたり、態度が強くなりすぎたりすると、横柄な言動につながってしまいます。

(2)自分に自信がある

横柄な人は、「自分の考えていることはいつも正義である」という自信家であることも多いです。

この心理が強いタイプの人は、「自分の態度が横柄だったのではないか」と反省することはほぼありません。

そのため、本人も自覚なく「堂々とした言動」を通り越して「偉そうな言動」を取ってしまうことがあります。そして、その様が横柄に見られてしまうのです。

(3)劣等感が強い

先述したものと真逆の心理ですが、横柄な態度を取る人の中には、実は自分に自信がなく劣等感が強いタイプの人もいます。

このタイプの人は、自信のない内面を他人に知られたくないために頑張って虚勢を張ってしまい、それが横柄な態度につながることもあります。

▶次のページでは、横柄な態度をとる人への対処法を紹介します。

横柄な態度をとる人への対処法3つ

身近に横柄な人がいる場合、どのように接すれば良いのでしょうか?

(1)距離を置く

どうしても接しなければいけない時以外は、距離を置くことも有効です。

横柄な人は高圧的な印象を与えることも多いため、「誘われたら断われない」という認知が根づいてしまうことがあります。

しかし、それは誤った認知です。一緒にいて楽しいと思えない人とは必要以上に関わる必要はありません。

(2)丁寧に接する

横柄な態度を取られると不快な気持ちになりますが、「ならばこちらも」と横柄な態度で接すると、相手の対抗意識をさらに燃やしてしまう可能性があります。

「マウントを取りたい」という心理が見える相手には、こちらが勝負の意識を放棄することが大切です。相手を刺激しないよう、丁寧に接することを心掛けてください。

「私はあなたに対抗しようと思っていませんよ」といった気持ちが伝わると横柄な態度が和らぐ場合があります。

(3)短い言葉に動じない

横柄な人の中には、言葉が短い人がいます。例えば「それがあなたの結論ですか?」なら、「それ結論?」といった感じです。

このように短く返答されると「怒っているのかな?」と不安になり、つい言葉を重ねたくなるものです。

しかし、こちらがうろたえるさまを見ると、横柄な人は「自分が優位である」と認識するため、横柄な態度がエスカレートする可能性もあります。

したがって、短い言葉には動じないことを心掛けてください。

横柄な態度の相手を分析してみよう

横柄な人をはじめ、苦手な人を前にすると、つい「自分はこの人とどう接しようか」ということに意識が向いてしまいがちです。

そんな時は、「この人はどうしてこのような言動を取るのか」と相手を分析してしまいましょう。

実は自分に自信がないことの裏返しだったり、ただマウントを取りたい人だったり。

相手の心理が見えてくると対処法が見えてきて、少し気持ちが楽になると思います。今回の分析も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

※この記事は2021年12月02日に公開されたものです

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