「温厚な人」ってどんな人? 長所や短所を解説(診断つき)

あなたの周りにも「温厚な人」はいますか? できることなら、人に好かれる温厚な性格でいたいものですよね。そこで今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに温厚な性格の特徴や、温厚な性格になる方法を解説してもらいます。

「温厚な人」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか? 多くの人が、良いイメージの人物像を思い浮かべるのではないでしょうか。

今回は「温厚な人」にはどういった特徴があるのか、そしてそうなりたいときにどのようなことを心掛けて生活するのが良いのか、など「温厚な人」について掘り下げていきます。

そもそも「温厚」ってどういうこと?

「温厚」という言葉を辞書で引くと、下記のような記載があります。

おんこう【温厚】
穏やかで、優しくまじめなさま。
(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「温厚な人」とは、「いつも穏やかで、誰に対しても優しい人」のことです。

「温厚な人」と聞いて多くの人が思い浮かべるイメージも、「優しくて穏やか、いつもにこにこしていて怒らない」といった人ではないでしょうか。

今回は「温厚な人」の性格や考え方の特徴を深く掘り下げてみたいと思います。

「温厚な人」の特徴4つ

ここでは、温厚な人に見られる特徴を3つ紹介します。

(1)勝ち負けにこだわりがない

温厚な人は、勝ち負けにこだわらない傾向があります。

したがって勝敗がつくものには興味を示さないことも多く、自分が参加して負けた時でもさほど悔しがりません。

(2)のんびり屋

人は見えないものに不安を抱きます。

「未来」はその最たるものの1つですが、温厚な人は、「その時が来たら何とかなるさ」とのんびり構えていることが多いです。

それが、穏やかさにつながります。

(3)物事を大局で見る

「大局(たいきょく)」とは、物事の全体的なありさまのこと。

つまり、「大局で見る」というのは「1つ1つの事柄をじっくり考えるのではなく、全体で考える」という考え方のことです。

温厚な人は物事を全体像で捉えて考える傾向が強いです。

(4)失敗を恐れず挑戦できる

温厚な人は、どっしりと構えて失敗を極端に恐れることがないので、余計な気負いがありません。

そのため、物事に取り組む心理的なハードルが低く、知識や経験値に結びつきやすいです。

あなたはどう? 「温厚な人」診断

以下は「温厚な人」のチェックリストです。

深く考えずに、該当すると思うものにチェックを入れてください。5個以上あてはまった場合は、かなり温厚なタイプといえるでしょう。

・物事にこだわりがない方だ

・好奇心が旺盛だと思う

・怒りが持続しないタイプだ

・勝負事が好きではない

・他人の言動にはあまり興味がない

・よく人からのんびりしていると言われる

・調整的な役割を任せられることが多い

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温厚な性格の長所と短所は?

温厚な性格には、どのような長所や短所があるのでしょうか。

温厚な性格の長所

温厚な性格には、長所となる要素がたくさんあります。ここでは、その中から3つを紹介します。

(1)ストレスを感じにくい

物事や勝負にこだわることは、モチベーションの向上につながります。

しかし一方で、それがうまくいかなかった場合には強いストレスとなってしまいます。

温厚な人はこだわりが少ないため、ストレスを感じにくいのです。

(2)多くの人から好かれる

誰でも、感情の起伏が激しかったり不機嫌そうでいることが多かったりする人より、いつも穏やかな人の方が近寄りやすいですよね。

温厚な人は不満や怒りをため込むことが少ないため穏やかで、多くの人から好かれます。

(3)物事に動じない

「木を見て森を見ず」という言葉があります。

これは、「物事の細部にとらわれると全体を見失う」という意味ですが、人は目の前のことに右往左往して不安になりがちです。

しかし、温厚な人は目先のことでなく全体を見る傾向が強いため、物事に動じることが少なく穏やかさを保つことができます。

温厚な性格の短所

温厚な性格は、時に裏目に出て短所となることもあります。

(1)頼まれ事を断ることができない

温厚な人は仕事などで調整役をしばしば任されますが、その優しい性格ゆえに断ることが苦手です。

そのため、気づくと業務過多に陥り疲弊してしまうことがあります。

(2)考えていることが周囲に分かりづらい

温厚な人は勝負事にこだわりがない人が多いため、負けても平然としています。

また先述したように、物事の全体を見ているため言動に余裕が生まれます。

しかしそれゆえに「何が起きても変わらない人=何を考えているのか分からない人」と周囲から見られてしまうこともあります。

(3)想定外のトラブルに弱い

温厚な人は、未来のことを心配しすぎずゆったり構えている人も多いです。

そのため、急に予想外のことが起こると焦ってしまうなど、想定外のトラブルに弱い面もあります。

温厚な性格になるには? すぐ実践できる方法3つ

ここでは、温厚な性格になるために心掛けたいことを解説します。取り組みやすいものからチャレンジしてみてください。

(1)自分に優しくする

余裕がなくイライラする日が続いたり、疲れていても頑張り続けたりしていると、穏やかな心を保つことが難しくなります。

温厚な性格になるために一番大切なことは、まず自分自身に優しくあることです。

疲れている自分を感じたら、意識的に自分のためだけに使う時間を取り、自分に優しくしてあげましょう。

(2)「○○すべき」の思考を手放す

「○○すべき」という思考があるとしたら、それは手放していきましょう。

もちろん、人に迷惑をかけるなど社会倫理に反する言動はするべきではありません。

しかし、それ以外の「すべき思考」は、他人を自分の思い通りにコントロールしようとすることにつながります。

「○○すべき」の思考から解放されると、他人だけでなく自分に対しても優しい気持ちでいられる時間が多くなります。

(3)目先のことにとらわれすぎない

「試験に落ちた」「勝負に負けた」「失恋した」など、負の感情が強い時は多くの人がその事実に心をとらわれてしまいます。

そうした心の状態を「近視眼的」と言いますが、そんな自分の心に気づいたら、意識を少し遠くの未来に持つようにしてみてください。

「生きていたらなんとかなる!」と考えて深呼吸してみると落ち着きますよ。

温厚な人になる一歩は自分に優しくすることから

誰でも冷酷な人よりは温厚な人になりたいですよね。

しかしストレスが強い環境にいる場合などは、温厚でいられないことも多いと思います。

ですので、焦る必要はありません。まずは日常の中に意識して自分に優しくする時間を持つことから始めてみましょう。

今回は、その考え方のポイントも紹介したので、参考にしてくださいね。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

※この記事は2021年10月18日に公開されたものです

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