守銭奴とは? 意味や語源、ケチな人の特徴10個

守銭奴(しゅせんど)とは、お金に強い執着を持つ人を指す言葉。実際にはどんな特徴があるのでしょう。この記事では守銭奴の意味や類語の他、特徴と心理、脱却する方法について紹介します。

守銭奴(しゅせんど)とは、お金に強い執着心を持つ人のことですが、具体的にどんな特徴を持つ人なのか気になりませんか?

今回は、守銭奴と呼ばれる人の10個の特徴と心理状態を解説します。また、どうすればお金への異常な執着心をやわらげられるのか脱却法も併せて紹介。

自分が守銭奴だと自覚がある人、他人に守銭奴だと言われてしまった人はぜひ参考にしてみてください。

「守銭奴(しゅせんど)」の意味や語源は?

日常生活において、守銭奴という言葉を頻繁に使うことはあまりないでしょう。

守銭奴がどのような意味を持つ言葉なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

まずは、守銭奴の意味を見ていきましょう。

守銭奴の意味は「お金に異常な執着を持つケチな人」

守銭奴は「しゅせんど」と読み、「お金に異常な執着を持つ人」「貪欲でケチな人」という意味があります。文字通り「銭を守る奴」という意味。

守銭奴は、決して良い意味では使われないため、他人には言わないように注意しましょう。

守銭奴の語源は戯曲のタイトル

守銭奴の語源は、フランスの喜劇作家モリエール原作の戯曲で、1668年に初演された『守銭奴』だといわれています。

『守銭奴』の主人公はお金に強い執着があり、お金を使うことを苦痛に感じる人物でした。

このことから、お金に強い執着を持つ人のことを守銭奴と呼ぶようになったと考えられています。

守銭奴の類語

守銭奴の類語には、以下のようなものがあります。

・ケチ

・金の亡者

・吝嗇家(りんしょくか)

・銭ゲバ

銭ゲバの「銭」はお金ことで、「ゲバ」はドイツ語で暴力行為を意味する「ゲバルト」の略語といわれています。

守銭奴や銭ゲバなどに良い意味はなく、他人に言うと失礼にあたります。誉め言葉として言い換えたい場合は「倹約家」を使いましょう。

より汎用性の高い言葉として「ケチ」がありますが、ケチはお金だけでなく品物を惜しむ人や心が狭い人にも使うことがあります。

ちなみに、守銭奴の対義語は「浪費家」です。お金を惜しみなく使う人のことを指します。

守銭奴と呼ばれる人の特徴10個

守銭奴と呼ばれる人にはいくつかの共通点があります。

自分に該当するものがないかチェックしてみましょう。

(1)お金を貯めることに大きな喜びを感じる

守銭奴はお金に強い執着を持つ人なので、お金を貯めることに大きな喜びを感じます。時間があれば貯金通帳を開き、残高を確認して喜びを感じる人が多いのも特徴です。

日常生活の中でなるべく節約して、貯金額を増やすことを常に考えています。

守銭奴ではなくとも貯金をしている人は多いですが、家の購入や老後のためなど何かしら目的がある場合がほとんどではないでしょうか?

一方、守銭奴の場合はお金を使う目的や予定はなく、ひたすら貯めることが目的なのです。

(2)損得勘定で動くことが多い

守銭奴の判断基準はお金なので、損か得かを判断しがちです。

支払う金額以上のメリットがあると思わなければ、行動に移さないことが多いでしょう。

例えば、デートにお金がかかるなら恋愛はしなくて良いと考えます。金銭的に損をする行動はしたくないのです。

(3)無料やお得情報にこだわる

守銭奴は無料やお得情報が大好きです。

自分のお金を使わずに何かをもらえるのなら、すぐに飛びつくでしょう。

飲食店や美容院でクーポンを駆使し、いくら得したかを計算して喜びを噛みしめるのです。

(4)底値で買い物をすることに喜びを感じる

守銭奴はできる限り安く買い物をしたいので、1円でも安いお店を探します。

商品の最安値を把握していて、底値でないと買い物をしない人もいるでしょう。

チラシで1円でも安い商品を探す、安ければ遠方のお店まで行くなど、守銭奴は得をするためなら時間や労力を惜しみません。

(5)おごることが嫌い

守銭奴は他人におごることが嫌いで、友人や恋人と食事に行った時も1円単位で割り勘をする傾向があります。

会社や学校の後輩と食事をしても、おごらずに割り勘を求めるでしょう。場合によっては、個人が飲食した量まで持ち出し、自分の出費をできるだけ抑えようとするかもしれません。

反対に、人からおごられることは大好きです。

(6)お金を増やすことに貪欲

守銭奴はお金に貪欲なので、常にアンテナを張って今よりも収入を増やすことを考えています。

株式投資や仮想通貨など、自分の財産を増やせそうな情報はすばやくキャッチします。何か目的があるわけではなくても、とにかくお金を増やしたいのです。

中にはお金が落ちていないか確認する癖がついている人も。自動販売機の下や小銭受けを探してしまう人もいるようです。

(7)家族であってもお金に対してはシビア

守銭奴は、たとえ家族や親戚であってもお金についてシビアな一面を見せます。

仮に、親族からお金を貸してほしいと言われたとしても、契約書もしくは覚書などへの署名、高い利息を求めることもあります。

(8)プレゼントやご祝儀を渋る

誕生日や結婚など、祝いごとでもお金を出したくないのが守銭奴です。

他人にお金を使いたくないので、相手の誕生日前後には会わないなどの行動をとることも。

親族や親友の結婚式に出すご祝儀も出し渋る人がいるようです。

(9)体験にお金を使いたくない

基本的にお金を使いたくない守銭奴ですが、とくに体験すること、いわゆる「コト消費」に関しては特に価値を感じません。

例えば、習い事や旅行、マッサージやエステなどが挙げられます。

物として残るもの以外は価値がない、お金が無駄だと感じるようです。

(10)お金持ちには愛嬌を振りまく

基本的に人付き合いはあまりしない守銭奴ですが、お金持ちには愛嬌を振りまきます。

「お金を持っている人=自分にとって価値のある人」と考える傾向があるのです。

お金持ちと関わっていれば、自分も得できるのではないかと考えるのが特徴です。

あなたのケチ度を診断!

ここまで守銭奴の特徴を紹介してきましたが、あなた自身や周囲の人に当てはまるものはありそうでしたか?

以下の記事では、より詳しくケチ度をチェックできます。10の質問に答えて診断してみてくださいね。

守銭奴の深層心理

守銭奴になったのには、何かしらの理由やきっかけがあったはずです。

なぜお金に貪欲な行動をとるようになったのか、気になる深層心理を解説します。

(1)お金に関するトラウマがある

過去にお金に関するトラウマがある場合、守銭奴になりやすい傾向があります。

守銭奴の中には、「幼少期に実家が貧乏で嫌な思いをした」「金銭的な事情で進学できなかったなど」など、お金に関する苦い思い出を持っている人がいます。

お金に関して劣等感を持っていると、執着心が生まれやすいのです。

(2)お金が全てという価値観

守銭奴は「お金が世の中の全て」「お金があればなんとかなる」という価値観を持っている人が多いです。

人生において何を大切にするかは人それぞれですが、家族などお金以上に大切だと思えるものがある人が多いのではないでしょうか。

しかし、守銭奴にとって信じられるものはお金だけで、お金を貯めることは何よりも大きい生きがいなのです。

(3)将来が不安

守銭奴の中には、自分の将来に対して強い不安を持っている人がいます。

「もしもの時のために」と、緊急時や老後に備えて貯蓄したいという思いが人一倍強いのです。

将来もし何かあったら、解決できるのはお金だけだと思っているので、いくら貯蓄しても満足できずお金に執着してしまいます。

(4)お金を貯めることが目的となっている

守銭奴によく見られるのが、お金を貯めること自体が目的となってしまっているパターンです。

何か目的があってそのためにお金を貯めているのではなく、通帳の貯蓄額が増えていくことに何よりも幸せを感じるのです。

守銭奴から脱却する4つの方法

もし、自分が守銭奴であることから抜け出したいと思うなら、以下の方法を試してみてください。

(1)お金を使う訓練をする

少額からでも良いので、お金を使う訓練をしていきましょう。

守銭奴の生きがいは貯金なので、自分のお金を使えなくなっている人が多いです。まずはその意識と習慣を変えるのです。

具体的にはいつもより少しだけ高めのスーパーに行く、月に1度は外食をするなど、少しずつ習慣を変えていくのがおすすめ。

高いお金を払った分だけ物や体験の価値を得るため、お金を使うことの喜びを感じられるようになるでしょう。

自分のためにお金を使えるようになったら、次は他人のためにお金を使ってみましょう。後輩にご飯をおごる、友人にプレゼント贈るなど小さなことでOKです。

(2)将来への不安をなくす

将来への不安から何となく貯蓄がやめられない人は、将来への不安をなくすことが近道です。

例えば、老後はお金だけで全てが解決できるわけではありません。

家族や友人、仕事など、年老いた時に自分を支えてくれるお金以外の存在を見つけてみてはいかがでしょうか。

支えてくれるものが見つかれば、老後への漠然とした不安も解消されていくかもしれません。

(3)お金は目的ではなく手段だと認識する

守銭奴はお金を貯めること自体が目的となっています。

お金は物を買ったり、サービスを受けたりするためにあるものです。大切なものであることに変わりありませんが、あくまで「手段」であることを認識しましょう。

貯金をする場合も、ただ貯めるのではなく具体的に何に使いたいのかを考えてみましょう。

(4)お金以外のことを考える時間を増やす

守銭奴は、四六時中お金のことを考えがちです。脱却するためには、お金以外のことを考える時間を増やしてみましょう。

お金以外に夢中になれるものや人を見つければ、自然とお金への執着心が消えていくでしょう。

難しい場合は、通帳を見る頻度を少なくするなど、少しずつお金から意識をそらしてみましょう。

守銭奴から脱却することは可能! お金以外に目を向けよう

お金に強い執着心を持つ「守銭奴」について紹介しました。

守銭奴は、お金に執着するあまりお金を貯めることだけが人生の目的になっています。

その結果、人付き合いがおろそかになったり、ケチな人だと思われて敬遠されたりしてしまうこともあるでしょう。

もし、自分が守銭奴であるという自覚があるなら、努力次第で脱却することは可能です。

できることから、少しずつ習慣を変えてみてはいかがでしょうか?

(すぎうら)

※画像はイメージです

※この記事は2021年07月30日に公開されたものです

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