学歴コンプレックスが生じる原因とは? 克服方法も紹介
学歴コンプレックスとは、学歴に対する劣等感を意味します。学歴コンプレックスを抱えていると、「一生こんな気持ちなのかな」と辛いもの。解消法があるなら知りたいですよね。本記事では、学歴コンプレックスを抱く理由や克服方法を紹介します。
「学歴コンプレックス」という言葉を知っていますか?
もしかしたら自分がそうとは知らないだけで、あなたも学歴コンプレックスを抱いているかもしれません。
今回は学歴コンプレックスについて、定義や要因、克服の仕方などをご紹介します。学歴に関して強いこだわりがある人や学歴に関することで何かトラウマ的なものを持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
「学歴コンプレックス」の意味とは
学歴コンプレックスとは、その名の通り“学歴に対して抱くコンプレックス”のことを指します。
コンプレックスとは、簡単に言うと“強い感情やこだわりを持つ部分”のこと。普段は隠れているのが一般的ですが、何らかのきっかけで表に出てきます。
そして日本においては、コンプレックスを「劣等感」という意味で使うケースが多い印象です。学歴コンプレックスの場合、他の人よりも自分の方が「学歴の面で劣っている」と感じるその気持ちを「学歴コンプレックス」と呼びます。
意外なのが、学歴コンプレックスに学歴の高い・低いは関係ないこと。低学歴だから学歴コンプレックスを抱くと思いがちですが、そうとも限りません。
先ほどお伝えしたように、コンプレックスとは本人が強い感情やこだわりを持つ部分のことを指します。そのため、周りから見れば高学歴に見える人が学歴コンプレックスを抱くケースも実は少なくないのです。
なぜ? 学歴コンプレックスを抱いてしまう原因
学歴コンプレックスを抱いてしまう主な原因としては、以下が考えられます。
親など環境による刷り込み
学歴コンプレックスを抱いている人は「学歴が高い=優秀」と思っている場合が多く、そう思う原因の1つが環境による刷り込みです。
例えば、親が「やっぱり○○大学を出てる人はすごい」や「大学くらい出てないとダメ」といったセリフを頻繁に発する家庭では、子どもにも「学歴=人の価値」という価値観が刷り込まれてしまいます。
すると、親の望む大学に行けなかったり、第一志望の大学に落ちてしまったりすることで学歴コンプレックスを抱くのです。
学歴を理由に資格取得や就職を諦めた経験
そしてもう1つの原因は、学歴のせいで何かしらの劣等感を抱いたこと。よくあるのが、学歴を理由に諦めた経験です。
具体的には、学歴のせいで応募したいと思った求人に応募できなかったり取得したいと思った資格を取得できなかったりすると、劣等感(つまり学歴コンプレックス)を抱きます。
このように、思わぬシーンで学歴の壁にぶつかるケースは少なくありません。そのため、こういった壁にぶつかることで本人も自覚していなかったコンプレックスが不意に現れてしまうのです。
身近に自分より高学歴な人がいる
身近に自分より高学歴な人がいる場合も、学歴コンプレックスを抱きやすいかもしれません。
ただ高学歴な人がいるだけなら問題ないのですが、周囲から高学歴な人と自分の学歴を比較されたり、自分でも「あの人は学歴が上だから」と思ってしまったりすることで、劣等感を抱くようになるのです。
例えば、兄弟間で学歴に差がある場合などがこのパターンに当てはまります。
周囲は学歴を比較するつもりがなくても、学歴が高い方にばかり「○○大学なんてすごいね」「頭が良いんだね」といった褒め言葉をかけていれば、学歴の低い側は扱いに差を感じて比較されている感覚に陥るでしょう。
そのため、身近に自分より高学歴な人がいるのも学歴コンプレックスを抱く理由になると考えられます。
出身大学など学歴をばかにされた
自分の出身大学など学歴をばかにされた経験も学歴コンプレックスの原因となり得ます。やはり他者からネガティブな評価を受けると、劣等感を刺激されやすいものです。
ストレートに自分の学歴を悪くいわれたら「私の学歴はばかにされるようなものなんだろうか」「もっと学歴が高ければこんなことはいわれなかったのだろうか」と気にする人はいるでしょう。
このように、学歴を悪く言われた経験から学歴コンプレックスを抱いてしまう人もいます。
学歴コンプレックスを抱いている人の特徴
学歴コンプレックスを抱いている人には、こんな特徴があります。
・学歴を比較したり、人を学歴で判断したりする
・学歴の話題を避ける、または自虐ネタに使う
・劣等感を抱く相手と距離を置きたがる、または攻撃的になる
学歴コンプレックスを抱いている人は、とにかく人の学歴を気にしがち。そして自分の心を守るために、劣等感の原因となる相手を避けたり攻撃したりします。
例えば特定の大学に対する悪口を言ったり、相手の人間性をあたかも学歴と関係があるかのように言ったりするのは、自分の劣等感を隠すためです。
このように、学歴コンプレックスを抱いている人は知らず知らずのうちに日頃から自分の劣等感と闘っています。たとえ無意識とはいえ、こういった状況がいつまでも続くことは精神的に良くありません。
では、どうすれば学歴コンプレックスを克服できるのでしょうか。
▶次のページでは、辛い学歴コンプレックスを克服する方法について紹介します。
辛い学歴コンプレックスを克服・解消する方法
ここからは、学歴コンプレックスを克服・解消する方法について紹介します。
まずは自分の学歴コンプレックスにしっかり向き合い、認める
学歴コンプレックスを克服したければ、まず自分の学歴コンプレックスにしっかり向き合い、認めることを心掛ける必要があります。
先ほどもお伝えしたように、コンプレックスというものは普段から自覚しているものではありません。だからこそ、自覚した時には目をそらすのではなく認めることが大切です。
良い・悪いに関係なく、ただ認めること。学歴に対する劣等感を自覚した時は、まずこれを実践してみるのがおすすめです。
自分の気持ちを整理するには、日記を書いたり気心の知れた相手に話したりしてみると良いでしょう。思ったことを素直に書き出す他、友達や家族から言われた何気ない一言でも自分の気持ちを知れる可能性があります。
・自分がどんなことに対して学歴コンプレックスを抱いているのか
・いつからそう思っているのか
・それによってどんなに苦しんできたのか
こういったことを、ぜひ思いのままに吐き出してみてください。きっとそれだけでも心が楽になりますよ。
なくそうとするのではなく「あっていいもの」として受け入れる
自分の学歴コンプレックスを自覚できたら、次は受け入れる工程に入ります。
私たちはコンプレックスを克服しようとすると、つい「なくそう」と考えてしまいがち。ですが、実は「克服すること」と「なくすこと」は似て非なるものです。
そもそも、劣等感を抱いていない人などこの世には1人もいません。人は誰でも、何か1つくらいは劣等感を抱いているもの。つまり劣等感をなくすということは、“この世で最も優れた人に自分がなる”ということです。
現実的に考えて、そんなことは実現できそうにありませんよね。
そこでおすすめなのが、劣等感をなくそうとするのではなく「あっていい」や「あって当然」と思える状態を目指すこと。これは「自己肯定感を上げる」または「自己否定感を下げる」という言葉にも置き換えられます。
世の中には、長所しかない人間も、短所しかない人間もいません。人より劣っている部分があるということは、裏を返せば人より優れている部分があるということ。つまりあなたが劣等感を抱いている部分も、あなたの大切な一部なのです。
学歴コンプレックスを克服しようと思った時は、ぜひ自分をそのまま受け入れることを意識してみてください。何も変わる必要はありません。ただ、あなたがあなたを受け入れること。それが何よりも大切なのですよ。
学歴以外で誇れるものをつくる
学歴コンプレックスを解消するには、学歴以外で誇れるものをつくるのも良いでしょう。
学歴にばかりとらわれているうちは、学歴コンプレックスの克服は難しいもの。ですので一度そこから離れるのです。
例えば、仕事に役立つ資格を取得したり語学を追求したり。アートやスポーツなど、自分が興味を持っていたけれどやっていなかったことにチャレンジするのもおすすめです。
何かを極めてレベルアップすることは自信につながりますし、他に誇れることができれば学歴のことは気にならなくなるかもしれません。
他人を学歴で判断しない
イエス・キリストは「人を裁くな」という言葉を残したとされます。この言葉には「他人を裁こうとすると、自分を裁くことになる」との意味が込められています。
他人を学歴で判断するのも同じです。「あの人は良い大学を出ているから」「あの人の学歴は大したことないから」。こうして学歴で人を判断していると、その矛先はいつか自分にも向きます。
もし学歴コンプレックスを克服したいなら、自分だけでなく他人を学歴で判断するのもやめましょう。
カウンセリングを受けるのもあり
何をしても学歴コンプレックスを克服できない時は、カウンセリングを受けるのも効果的な方法です。
劣等感が強過ぎて苦しい場合、コンプレックスの問題だけでなく他の問題も同時に抱えている可能性があります。
例えば、学歴コンプレックスの原因をつくっている人が身近にいることを分かっていて離れられなかったり、学歴コンプレックス以外にも自分を苦しめている劣等感があったりすると、問題を1人で解決するのは難しいかもしれません。
どうしても学歴コンプレックスを受け入れられない時は、一度カウンセリングを受けることも視野に入れてみてください。適切なカウンセリングを受けることで、絡まった糸がほどけるケースは少なくないものです。
学歴コンプレックスは一生続くわけではない
今回は学歴コンプレックスについて、定義や要因、克服の仕方などをご紹介しました。
誰よりもあなたの学歴にこだわっているのは、実はあなた自身なのかもしれません。
だからこそ、あなたが自分を認めて受け入れれば、それだけできっと学歴コンプレックスは克服できるでしょう。辛い学歴コンプレックスは一生続くものではないのです。
人の価値も幸福度も、学歴や通っていた学校名では決まりません。これまで自分を変えようと頑張ってきた人は、ぜひそのままの自分を受け入れてあげてください。
幸福度の高い人生を送るには、どんな自分も「良い・悪い」で判断せず、とにかくそのまま受け入れることが大切ですよ。
(ながせ なみ)
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※画像はイメージです
※この記事は2021年04月05日に公開されたものです