振り回される人の特徴。恋愛・仕事・人間関係に疲れた時の対処法
恋愛や仕事で、周りに振り回されることが多い人っていますよね。彼氏や彼女に必要以上に気を使ったり、職場での人間関係に疲れたり……。今回は、そんな振り回されやすい自分を変える方法を、心理カウンセラーの沼田みえこさんに解説してもらいます。
抱えている仕事で既に手一杯なのに、用事を頼まれるとつい引き受けてしまう。自分の考えがあるのに、相手に意見を譲ってしまう……。
こんなふうに自分のペースではなく、他人のペースで物事を進めたり、自分よりも他人の考えを優先して疲れてしまうのが「振り回される人」です。
振り回されている状態は、しんどいですよね。こんな時、どうしたらいいのでしょうか?
振り回される人の特徴【仕事編】
振り回される人にはどのような特徴があるのでしょうか。まずは仕事面から見ていきましょう。
(1)他人に認めてほしい気持ちが強い
振り回されやすい人は、自分の存在価値をなかなか感じられず、自分に自信を持てていない人がとても多いもの。
他人に認められることで、自分の存在価値を感じられ安心することができます。だからこそ、人の意見に合わせて相手から認めてもらおうとするのでしょう。
(2)嫌われることを恐れている
自分に自信が持てない分だけ、自分のことを悪い存在と捉えてしまい、「周りの人はきっと自分を嫌っているのではないか?」と考えてしまうのも、振り回される人の特徴。
常に嫌われないように相手を尊重して、自分が合わせる選択を取るので、振り回されることが多くなります。
(3)「NO」と言えない
「相手に良い人だと認められたい」、「嫌われたくない」という思いから、無理があってもなかなか「NO」と言えず、相手の言いなりになってしまう人。
こんな人も、自分よりも他人を優先するので、振り回されることが多くなります。
(4)自信がない
他人に振り回される原因の大元は自分に自信が持てないこと。自信がないと、「他人に悪く思われるのではないか?」という不安が大きくなります。
そして、この不安を払拭するために相手に合わせる行動が増えるので、結果的に振り回されることが多くなるのです。
(5)自分を良く見せたい
「自分を良く見せたい」という気持ちが強すぎると、無理して相手の要望を飲もうとしてしまいます。「頼りになる」「仕事ができる人」と思われたくて、断れないのでしょう。
その結果、不本意ながら頼まれごとを引き受ける場面が多くなり、なかなか自分のペースで仕事ができなくなりがちです。
振り回される人の特徴【恋愛編】
恋愛において振り回される人の特徴としては、以下が考えられます。
(1)控えめな性格
控えめな性格であるだけなら問題ないのですが、恋人の気が強く相手をコントロールしようとするタイプだと厄介です。
この場合、気が強い恋人から「あまり反発しないし何でも言うことを聞くだろう」と判断され、さらに多くを欲求される可能性があります。
こうなると、恋人から振り回されてしまうでしょう。
(2)振られるのが怖い
恋人に振られることへの恐怖心が強くなりすぎると、常に相手の顔色をうかがうようになります。
そして、恋人の機嫌を損ねないよう、何か決める時は恋人の意向をいつも優先します。もし機嫌を損ねようものなら、他のことはそっちのけで機嫌を取ろうとするでしょう。
そのため、相手の言動に振り回されてしまいます。
(3)押しに弱い
恋愛において押しに弱い人も、振り回されやすいといえます。
内心は嫌だと思っていても、強く断れなかったり雰囲気に流されたりして、つい不本意な言動を取ってしまいがち。そのせいで後悔することも多いでしょう。
例えば、「今日の夜って空いてる? 会いたいんだけど」など急に誘われたら、本心では「明日の朝早いんだけどな……」と思いつつ、会ってしまいます。
(4)恋愛に依存してしまう
恋をすると、恋愛が全てになってしまう人がいます。このような人は、何をするにも恋人優先。
そのため、恋人のちょっとした一言や予定の変更に影響を受け、振り回されてしまいがちです。
また、「もしかしたら今週末会えるかも」など決まってもいない恋人との予定のために、友達からの誘いを断ったり自分の予定を調整したりする人もいます。
(5)恋人に尽くしたい
恋人に尽くすタイプの人は、基本的に自分よりも相手を優先します。
どんなに疲れていても恋人のために家事をしてあげたり、急に送迎を頼まれても応じてあげたりするので、なかなか自分のペースで生活できないかもしれません。
▶次のページでは、他人に振り回されてつらい時の思考術、振り回されそうになった時の対処法を紹介します。
他人に振り回されてつらい時の思考術
他人に振り回されている時は自分のペースで事が進まず、疲れたりイライラしたりとつらい状況になりがち。
この状況をどうにかしたいと思った時、考えるべきことがあります。それは、自分を変えるか、振り回す人に変わってもらうかのどちらを選ぶか。
例えば、寒い冬の時期に私たちにできることは、防寒服を着たり、運動で体を温めたりなど、自分の思考や行動を変えること。
いくら寒いからと言っても、気温を上げることはできないのです。
お天気と同じで、他人の思考を変えるのはとても難しいこと。そのため、振り回されやすい人は、他人ではなく自分を変える必要があると理解しなければいけません。
「どう頑張ったって他人の気持ちはコントロールできないものだ」と割り切り、人の気持ちに左右される自分を変えることで、つらい状況を乗り切るしかないのです。
振り回されそうになった時の対処法【考え方編】
恋愛でも職場でも、周囲の人に振り回され続けると、心身共に疲れきってしんどくなってしまいます。
そこでここからは、「もうこれ以上振り回されたくない」と思った時におすすめする、自分の考え方と行動の変え方について解説していきます。
まずは、振り回されそうになった時どんなふうに考えるべきかを解説します。
(1)「相手の感情は相手のもの」と理解する
振り回されやすい人は、相手の機嫌が悪いと「私のせい?」と不安を感じやすいものです。
「嫌われたくない」「怒られたくない」という思いから、相手に無理をしてでも合わせようとしてしまいます。
でも、先ほど「天気はコントロールできない」という例を挙げたように、自分の言動で相手がどう感じるかは、残念ながら私達にはコントロールできません。
相手の感情は相手のもので、自分が気にすべきではないということを理解するのは、とても大切です。
(2)自分の気持ちに素直になる
振り回される人は、相手にどう思われているのか気にするあまり、「自分さえ我慢すればうまくいく」という思考になりがちです。
自分の感情を抑圧して、我慢することを続けていると、本当は自分がどうしたいのかが分かからなくなってきてしまいます。
自分は引き受けたいのか、引き受けたくないのか、受け入れたいのか、受け入れたくないのか。心の声に耳を傾けることは、振り回されないためにとても大切です。
(3)被害妄想を自覚し手放す
振り回されやすい人は、相手の気持ちにとても敏感です。
「きっと私のこと、ダメな人と思っているに違いない」という被害妄想が、心の中にあることがほとんど。
まずは、「被害妄想を抱きやすい」ことを自覚して、この思い込みはもう手放そうと決意することがとても大切です。
振り回されそうになった時の対処法【行動編】
続いて、振り回されそうになった時に取るべき行動をまとめます。
(1)勇気を持って「N0」を伝えてみる
振り回されないために、他人中心の考え方から自分中心の考え方で行動してみましょう。
他人を優先するのではなく、自分を優先するのです。
「これはできますが、それはできません」というふうに、「NO」を伝えることは、決して悪いことではありません。自分を一番大切にできるのは、自分しかいませんよ。
(2)自分を褒める
これからは、どんなささいなことでも構いません。自分を褒める習慣をつくりましょう。
例えば「今日はちゃんと遅刻しないで会社に行けた! 私って偉い!」と褒めていきましょう。振り回される人ほど、本来の自分よりも自分をちっぽけに捉えがちです。
自分を褒めることは、本来の自分を取り戻すためにとても大切なことですよ。
(3)自分の気持ちを素直に伝える
「いつもあなたの都合でデートできたりできなかったりだけど、それって私にとって本当はしんどいんだよね」「私はこの日だったら助かるんだけれどな」など、自分の気持ちを伝えることを実践してみましょう。
自分の気持ちを素直に伝えることで、相手は「本当はあなたがどう思っているのか」「どういう考えの持ち主なのか」を理解できます。
こういった積み重ねで、あなたが振り回される確率が減少することにつながっていくでしょう。
振り回される人は、心が優しい人が多い
他人に振り回される人は、実は「誰かの役に立ちたい」「困っている人を放っておけない」「自分のことよりも他の人のために」という心優しい人が多いものです。
でもその優しさを、まずは自分に向けてあげることが何よりも大切です。
なぜなら、自分を大切にできる人が、真に人に優しくできる人であり、周りからも大切にされるからです。そこに意識を向けて、毎日を過ごしてみてください。
(沼田みえこ)
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※画像はイメージです
※この記事は2021年03月18日に公開されたものです