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ネガティブな人の特徴とは? ネガティブ思考の原因を心理カウンセラーが解説

イライラしたり、元気がなかったり。ネガティブな性格は、周りの人にも影響を与えます。今回は心理カウンセラーの浅野寿和さんに、ネガティブな人の特徴や心理を解説してもらいます。ネガティブになる原因を知って、毎日を楽に生きるヒントを探りましょう。

イライラしたり、めんどくさいと感じたり、ついつい自分がネガティブ思考に陥ってつらい思いをすることってないでしょうか。

実は、ネガティブになりやすい人には共通点があるのです。

今回は、ネガティブな人の特徴や心理、ネガティブな人への接し方などについて解説します。

ネガティブな人の特徴

ネガティブな人は、「自分ばかりに意識が向く」「自分を責めている」ことが特徴です。

ここからは、ネガティブな人の心理と特徴を詳しく見ていきましょう。

(1)自分の考え方にこだわりを持ちやすい

ネガティブな人ほど、自分の考えを変えたがりません。今の自分を否定されることを避けたいからです。

だから、自分だけのこだわりを強める傾向があり、分かり合えない人との関わりを避けがちです。

(2)何事も考えすぎて行動への意欲が湧かない

問題を発見し、対応するにはネガティブな視点が必要です。

ですが、問題を発見しても具体的に対応できないのであれば「ただネガティブに見ただけ」となります。

自分をネガティブに見て何もしなければ気持ちはさらに滅入り、行動への意欲がわかなくなりやすいです。

(3)自己犠牲と人との比較が強くなる

ネガティブな人はすぐ自分を卑下してしまう傾向があるので、今の自分を肯定することを忘れがちなのです。

だから、いつも自分に我慢や無理ばかり強いることも多いですし、人と自分を比べてしまい、「何をやっても自分はダメじゃないか」と感じることも増えます。

(4)人を傷付けていることに意外と気付かない

ネガティブな気分になりやすい人は自分が傷付きたくないと思っている分、人に気を使っていることが多いもの。

ただ、自分が人を傷付けていても、それに気付けないことも多いです。

理由は「意識が自分に向いている」から。悪意なく相手の気持ちに気付けないことも少なくないようですよ。

(5)否定的な言葉が多い

ネガティブな人は、否定的な言葉が多いのも特徴。「でも」「だって」も口癖です。

「どうせできない」「やるだけ無駄」などマイナスな発言が多いので、周囲のモチベーションを下げてしまうことがあります。

(6)イライラしやすい

イライラしやすいのも、ネガティブな人の特徴。なんでも否定的に捉えやすいため常に敵が多い状態で、気が立っているのです。

そのため、他者の悪気ない一言で機嫌を損ねることがあります。ちょっとしたことでイライラするので、周囲の人に気を使わせることも少なくないでしょう。

(7)交友関係が狭い

ネガティブな人は交友関係が狭い傾向にあります。

人付き合いを「めんどくさい」と思っていたり、「どうせ仲良くなれない」と諦めていたりするので、積極的に人と交流できません。

人の発言を悪い方に捉えがちなので「嫌われたかも」と思ってしまい、なかなか距離を縮められないケースもあるようです。

(8)周りの目を気にしがち

前述したように、ネガティブな人は怒られることや批判されることを恐れています。そのため、周りの目を気にしがちで自分の思いのまま行動するのが苦手です。

これは「他者の気持ちに配慮できる」ということでもありますが、そのせいで息苦しい思いをすることもあるでしょう。

【ネガティブ診断】あなたはネガティブ? ポジティブ?

ここまで読んで、自分はネガティブな性格といえるのかどうか気になった人はいるでしょう。

以下の診断では、10の質問であなたのネガティブ度を診断できます。興味のある人は試してみてください。

▶次のページでは、ネガティブになる心理的な原因・理由を解説します。

ネガティブになる心理的な原因・理由とは?

人がネガティブな気持ちになる理由はさまざまですが、いわば慢性的にネガティブな気持ちになりやすい人の心は「傷付いている」ことが多いです。

(1)心が傷付いている

私たちは生まれた時からネガティブな気持ちを抱えやすくなっているわけではありません。

ただ、自分自身が成長するプロセスの中で「人に受け入れてもらえない」「自分なりに頑張ったけど相手の役に立てなかった」など経験から傷付き、その痛みや悲しみを1人で抱え込んでしまうと、物事をネガティブに見るようになるのです。

(2)自分ばかりに意識が向いている

「自分は人にどう思われているだろうか」と考えると人はネガティブな意識を持ちます。

自分を否定的に捉えすぎていると「きっと人もそう感じているのではないか」と感じて、さらにネガティブな考えが強まります。

(3)自分は役に立たないという気持ちが強い

自分自身の存在意義を感じるには「誰かの役に立てている」という感覚が必要です。

これは「自尊感情」と呼ばれるものですが、この感覚が感じられないので「自分は役に立てない、邪魔ではないか」とつい感じてしまい、ネガティブに物事を見るようになるのです。

(4)悲しみや孤独、怒りを感じている

ネガティブな人が感じやすい感情は「悲しみ(痛み)」「孤独」「怒り」です。

この感情を通じて人や物事を見ているので、物事をネガティブに感じているのです。

(5)怒られることを怖れている

ネガティブな気持ちになりやすい人は、普段から自分を肯定せずに批判している傾向があります。

そのため、「自分と同じように人も自分を批判するのではないか」という怖れを感じやすく、怒られることに敏感になっているものです。

▶次のページでは、ネガティブ思考になってしまった時の対処法、ポジティブな人になるコツを紹介します。

ネガティブ思考になってしまった時の対処法

では、ネガティブな気持ちになってしまった時はどのように対処したらいいのでしょうか?

これから、ネガティブな気持ちになった時の対処法を5つご紹介します。

(1)気分転換の時間を作る

思い切ってネガティブに考えてしまうことから離れてしまうことも有効です。

自分に安らぎや楽しさを与える時間をしっかり作って好きなことに触れてみると、また気分も変わるものですよ。

体を動かすことも有効です。できれば1人で行うことより、気の合う誰かと行うことがいいですね。

(2)自分を褒める習慣を作る

日頃から自分を褒めたり認めたりする習慣を作ると、ネガティブな考えになっても切り替えやすくなります。

小さなことでもいいので、日常の中で自分を褒める習慣を作っていきましょう。

(3)人の良いところを見て褒める

ネガティブな考えに陥った時ほど怒り、悲しみ、寂しさ、不安といった感情を感じやすくなり、つらいと感じるのです。

逆に、良い気分の時にはネガティブな考えにハマりにくくなります。

良い気分を作る最も手っ取り早い方法は、人を褒めたり喜ばせたりすること。

今の自分でも人を喜ばせられると知れば、次第にネガティブな考えから抜け出せますよ。

(4)ネガティブになっていることを嫌わない

ネガティブ思考自体、悪いものではありませんが、あまりにネガティブになると気分が悪くなるのです。

そこで自分を責めるとさらに気分が悪くなりますから「そんな気分にもなることがあるよね」と自分を嫌わないように心がけましょう。

(5)人に相談する・話を聞いてもらう

ネガティブな考えに陥ると気分が悪くなり、そこから抜け出せなくなることが多いもの。

そんな時は勇気を出して人の意見、価値観に触れることがおすすめです。

ネガティブになりすぎた時ほど「今の自分の中に良い答えはないかもしれない」と考えてみてもいいかもしれません。

ポジティブな人になるには

「できることならネガティブな性格を卒業してポジティブな人になりたい」。そう考えている人もいるでしょう。そこでここからは、ポジティブになるために意識したい言動を紹介します。

(1)成功体験を積み重ねる

前段で、ネガティブになる原因として「人の役に立てていない感覚」を挙げました。

この感覚を払拭して「自分は誰かの役に立っている」と思えるようになるには、成功体験を積み上げることが重要です。

どんなに小さなことでも良いので、誰かのために行動し、それを自分で認めて褒めてあげましょう。これを積み重ねれば、「自分は人の役に立てる人間だ」という自信がつくはずです。

(2)ポジティブな人と付き合う

人は一緒にいる人から影響を受けるもの。ポジティブになりたいなら、ポジティブな人と交流するのが近道といえます。

ポジティブな人と付き合う中で相手の考え方や発言の傾向を観察し、自分との違いを分析してみてください。そうすれば、前向きになれるヒントが見つかるでしょう。

(3)前向きな発言を心掛ける

自分が発する言葉を一番近くで聞いているのは自分です。そんな自分の言葉からは、少なからず影響を受けると考えられます。

積極的に前向きな言葉を使えば、考え方も少しずつポジティブな方向に変わっていくかもしれません。

「きっとできる」「自分は大丈夫」など、意識してポジティブな言葉を使っていきましょう。

▶次のページでは、ネガティブな人への接し方を紹介します。

ネガティブな人への接し方

ネガティブな気持ちになりやすい人は、他人のネガティブな気持ちに対しても影響を受けやすくなってしまいます。

そこでここからは、ネガティブな人との接し方について見ていきましょう。

(1)普段通りに接する

ネガティブな人と接する時にこちらが身構えてしまうと、逆にネガティブな気持ちになりやすいもの。

いつもの自分通りに、他の人と態度を変えることなく友好的に接していた方がお互いに過剰に意識を使わずに済むでしょう。

明るい話題を振るのもこのスタンスで振るといいですね。

(2)相手が凹んでも嫌わない

ネガティブな人はすぐ自分を責めるので凹みがち。

その態度を見て嫌な気分になるかもしれませんが、それは相手の問題です。

相手は相手、自分は自分と境界線を意識し、相手を嫌わないようにしていれば大丈夫です。

(3)適度にスルーする

誰もがネガティブな話をして相手が喜ぶとは思わないもの。

あまりにネガティブな話が続く場合は、適度に相槌だけ打ってスルーしましょう。

その方が話している側も楽な場合もありますよ。

ただ全てをスルーするとお互いに「相手を大切にしていない」という罪悪感を抱きますから、大事なところは聞き逃さないようにしてください。

「ネガティブさ」も才能のうちの1つ

ネガティブな考えが強くなると、どうしても孤独や不安を感じやすくなりますが、ネガティブになること自体は悪いことではないのです。

あなたのその「ネガティブさ」は、同じように孤独や不安でつらい思いをしている人を助けることにつながるかもしれないのです。

つまり、ネガティブな性格でつらいのは、そのネガティブな考えが誰のためにもなっていないと感じてしまうからではないでしょうか。

自分と上手に付き合い、今の自分が人の役に立てることを知れば、自分のネガティブさもまた才能の1つと思えるかもしれませんね。

(浅野寿和)

※画像はイメージです

※この記事は2021年02月24日に公開されたものです

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