イライラした時に。すぐできる12の解消法
生活していれば、イライラすることもありますよね。でも、できれば早く解消したいところ。そこで今回は、心理カウンセラーの大塚統子さんに「イライラした時におすすめの解消法」を教えてもらいました。効果的なツボや飲み物も紹介します!
職場でもプライベートでも、「最近イライラしやすいな」と思っていませんか? イライラすると、自分の気分が悪くなりますし、周囲の雰囲気を悪くしないかも気になるもの。なるべく短期間で解消できたらいいですよね。
そこで今回は、イライラを解消する簡単な12の方法を紹介します。あなたに合う方法を試してみてくださいね。
「イライラ」って一体何? その正体とは
そもそも「イライラ」とは何なのでしょうか?
「イライラする」「腹が立つ」「ムカつく」などは、すべて怒りです。怒りは必ずしも悪いものではありません。自分を動かす原動力にもなり得ます。
ただし、頻繁に怒りを感じる場合は、「悲しい」「寂しい」といったネガティブな気持ちを抑え込んでいる可能性があります。怒っている間はこのようなネガティブな感情に気付かなくて済むので、心を守るためにあえて怒りに変えることがあるのです。
イライラを解消しないとどうなる?
イライラを解消せずに放置することには、デメリットがあります。主な3つを紹介します。
(1)ストレスがたまり体調不良につながる
イライラするとエネルギーを使うので、心を消耗して疲れやすいです。また、イライラにとらわれている間は他のことがうまく進まず、時間が無駄になりがちです。
その結果、ストレスを抱えて心身に悪影響を与え、体調不良を引き起こすことがあります。
(2)人間関係が悪くなる可能性がある
たとえイライラを他人にぶつけないように気を付けていても、イライラは周囲の人に伝わるもの。
そうすると、扱いにくい人と思われたり、敵が多くなったり、同じようにイライラしている人が周りに増えたりする可能性があります。
(3)自分のことが嫌いになる可能性がある
イライラしている人を魅力的とは思わないでしょう。それは、対象が他人でも自分でも同じこと。イライラすることの最大のデメリットは、自分を嫌いになる可能性があることです。
そして、自分が自分を嫌っていると、「人も私を嫌うだろう」とネガティブ思考になってしまいます。
イライラする原因
では、人はどのようなことでイライラするのでしょうか? 日常的なイライラの原因でよくあるものを3つ解説します。
(1)気持ちを分かってもらえない
「上司が私に対して理不尽な要求をする」「母親が無神経なことばかり言う」「私に対する彼氏の反応に不満」など、イライラの多くは「気持ちを分かってもらえない」と感じることが原因にあります。
それによる「悲しい」「寂しい」といったネガティブな気持ちを感じなくて済むように、イライラしているのかもしれません。
(2)思い通りにいかないことがある
上司なら、彼氏なら、親なら、店員なら、後輩なら……と、役割などに応じて「~するべき」「~してはならない」という考えがあると、思い通りにいかないことでイライラしやすくなります。
特に、自分に厳しい人は、相手に求めるものも多くなってしまいがちです。
(3)女性の場合は月経前症候群(PMS)が関係していることも
生理前や生理になると、「理由は分からないけれどイライラしてしまう」という女性は少なくありません。一説には、女性ホルモンの急激な変動が影響していると考えられています。
PMSのイライラは、自分ではコントロールしにくいものといわれます。「今はイライラしやすい時期だから」と、自分自身の周期を理解して対応していきましょう。
すぐできる! イライラの解消法
イライラは、できるだけ早く解消したいもの。ポイントは「冷静さを取り戻すこと」「思考と感情を整えること」「体から働き掛けること」 の3つです。それぞれの視点から、すぐに取り組める方法を紹介します。
冷静さを取り戻す方法はイライラを感じた直後に、思考と感情を整える方法は1人になった時に、体から働き掛ける方法はイライラした気分を変えたい時に家などで取り組むのがおすすめです。
冷静さを取り戻す4つの方法
まずは冷静さを取り戻す方法を紹介します。
(1)深呼吸をする
「イライラしているな」と思ったら、大きく3回くらい深呼吸をしましょう。特に、吐く息を意識して、ゆっくりと長く息を吐くようにします。
呼吸が整うと、冷静さや客観性を取り戻しやすくなります。
(2)6秒待つ
イライラに衝動的に反応すると、人や物に当たるといったことも考えられます。このような惨事を引き起こさないためには、とりあえず6秒待つようにしましょう。
これは、怒りの発生から理性の発動までに6秒ほどの時間が必要なためです。
(3)100から3ずつ引く計算をする
100から3ずつ引く計算を適宜してみるのもおすすめです。これは、一時的に別のものに集中することで怒りをクールダウンし、冷静さを取り戻す方法です。
(4)物理的に距離を取る
イライラの元になった対象から距離を取るのも、冷静さを取り戻すためには有効です。
職場なら、席を立ってトイレに行く、外の空気を吸いに出るなど、その場から離れましょう。親しい人との会話でイライラしたら、いったんその話題は保留にするといいでしょう。
思考と感情を整える5つの方法
次に、思考と感情を整える方法です。
(1)気持ちを紙に書いて捨てる
イライラした気持ちを紙に書き出し、ビリビリと破いて捨てましょう。書くことで思考が整い、破って捨てることはストレスの発散になって感情も整います。
(2)自分の怒りと理由を認める
「私は今、怒っている」と自分に言ってみましょう。それで自分に怒りがあることが認められたら、「なぜこんなにイライラするのだろう?」と聞いてみましょう。
「私は悲しかった」「私は寂しかった」など、一層深い感情に触れられると、感情が怒りとは別のものに変わるでしょう。
(3)自分の期待と相手の状態を理解する
特定の人にイライラした場合は、自分が相手に何か期待していなかったかを考えてみましょう。次に、相手はこちらの期待に応えられる状態だったのかを考えます。
例えば、「上司が仕事をしない」とイライラしていた場合。自分は「上司に資料をちゃんと確認してほしい」と思っていたけれど、上司は「別件で締め切りに追われていて余裕がなかった」と理解できれば、「仕方がないな」と思い、イライラを収めることもできるでしょう。
(4)自分と他人の違いを受け入れる
「自分だったら○○するのに、あの人はしない」と思うと、イライラしやすいものです。
価値観は人それぞれで、自分にとっての常識が相手にとっても常識とは限りません。
「私は○○だけど、あの人は△△なのね」と違いを受けいれてみましょう。そうすればイライラの原因を減らせるはずです。
(5)自分への禁止を解く
自分に禁止していることがあると、それをしている相手にイライラしやすいです。
例えば、「自分は人に甘えてはいけない」と思っていると、何でも人に頼んで甘える人にイライラするでしょう。「困った時は人に頼んでもいい」と自分に課している禁止事項を解いていくと、イライラが減らせるはずです。
イライラした時は、自分が何を禁止しているのかに気が付くチャンスでもあります。
体から働き掛ける3つの方法
最後に、体から働き掛ける方法を紹介します。
(1)ツボを押す
鼻から頭頂部を通る線と両耳から上に向かって結んだ線が交わり、少しくぼんだところに百会(ひゃくえ)というツボがあります。イライラにつながる自律神経の乱れを整えるといわれているツボです。
その百会を息を吐きながら、指の腹で気持ちいいと感じる程度にゆっくり押すと、気持ちが落ち着いてくるでしょう。
(2)ドリンクを取り入れる
ストレスの軽減に効果的な栄養素が含まれるドリンクには、飲むヨーグルト、ミルクココア、100%オレンジジュース、炭酸水、緑茶などがあるといわれています。手軽な飲み物で気分転換しつつ、イライラの解消を期待しましょう。
(3)香りからアプローチ
PMSのイライラ解消には、アロマ(ラベンダー、イランイラン、クラリセージなど)の香りをかぐことで効果が期待できるといわれています。これらのアロマオイルを使ったマッサージや、ハンカチに香りを染み込ませて近くに置くなどといった五感に働き掛ける方法もイライラを軽くするでしょう。
イライラ解消時に注意するべき行動も
いくらイライラを解消するためでも、次の行動はおすすめできません。
(1)誰かを攻撃する
人に向けた攻撃心は、やがて自分に返ってきます。また、誰かを悪者にすると、その人が変わる以外に解決法がないと考えがちで、イライラの解消が遠のいてしまいます。
(2)暴飲暴食をする
一時的な解放感はあるかもしれませんが、後から罪悪感の元になります。イライラした時は、いつも以上に自分を大切に扱うようにしましょう。
(3)延々と愚痴を言う
誰かに愚痴を話すことは、イライラしている感情を解放する1つの手段ですが、際限なく言うことはおすすめできません。いつまでも愚痴を言っていると、周りから愚痴っぽい人に見えてしまいますし、聞いてくれている人も嫌な気分になってしまうでしょう。
イライラを解消して楽しく過ごそう
イライラの種は身近に多くあるもの。ですので、「イライラしないように」と努力するよりも、イライラしたら素早く解消する方法を身に付けるのが現実的です。
イライラの解消法はいろいろあります。自分に合うものをいくつか見つけておきましょう。
そして、イライラから自分を解放し、楽しく過ごす時間を増やしてくださいね。
(大塚統子)
※画像はイメージです
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※この記事は2020年12月26日に公開されたものです