失恋した時に黄色のチューリップを買うべき理由

花に気持ちを乗せてプレゼントしたい時、参考にしたいのが「花言葉」。今回は「別れ」にまつわる花言葉を紹介します。退職や異動、引っ越しなど、さまざまな別れのシーンで花を贈りたい時には、花言葉も参考にしてみてはいかがでしょうか?

失恋や卒業、異動・退職、引っ越しなど、「別れ」にはさまざまな場面があります。

離れ離れになることは、寂しさばかりでなく、笑顔で相手を送り出したいという時もありますよね。

言葉だけで足りない時には、花に思いを込めて贈りましょう。

今回は「別れ」のシーン別に合う花について、ご紹介します。

友人や同僚との別れ

まずは友人や同僚との別れのシーンで贈りたい花を紹介します。

スイートピー「優しい思い出」

イタリア・シシリー島生まれのスイートピーは、20世紀、イギリス王妃がこの花を気に入り、式典などで用いたことで世界中に広まったとされています。

今にも飛び立ちそうな蝶々を思わせる花びらから「門出」「優しい思い出」などの花言葉が付けられました。

甘い香りも特徴で、ヨーロッパでは寝室に飾る花とされています。

「楽しい思い出をありがとう」と感謝を伝えたい時や、門出を祝いたい時に贈りたい花です。

ネリネ「また会う日を楽しみに」

ギリシャ神話に出てくる美しい水の精「ネーレーイス」から名付けられたネリネは、ヒガンバナと似た花の形をしています。

10~12月の秋に咲き、色はピンクや白など薄いものから青や紫など濃いものもあり、秋の光にキラキラと輝く姿から「ダイヤモンドリリー」という別名を持っています。

花言葉は、海底で箱入り娘のような暮らしをしていたネーレーイスの美しい姿を目にした男たちが「また会える日が楽しみだ」と思ったという伝説から生まれています。

別離を乗り越えて次の楽しみを待つ前向きな気持ちを感じさせてくれます。親しい人に向けて、「また会おうね!」という思いを届けてくれる花です。

ミヤコワスレ「しばしの別れ」

「都忘れ」とも書くこちらの花は、1221年の承久の乱で佐渡に流された順徳天皇が、庭の片隅に咲く花の姿に慰められ、つかの間でも都を忘れることができた、というエピソードからこんな花言葉が付けられました。

細い茎から真っすぐに伸びる薄い花びらは、上品さや優しさを思わせます。

「江戸紫」「桃山」「瀬戸の白雪」など情緒ある品種名が多く、古くから人々に愛されてきたミヤコワスレは、旅立つ友人に「また会おう」という気持ちを伝えたい時にぴったりな花です。

ニチニチソウ「生涯の友情」

毎日、次々と絶えずに花を咲かせ、それぞれが3~4日ほど続くことから「日々草」とも書くこちらの花は、日々たくさんの花が咲く様子から「生涯の友情」や「若い友情」という花言葉が生まれました。

夏を彩る花として、離れても変わらない友情を伝えたい相手に贈りましょう。

爽やかな香りもある反面、毒を持っているため、取り扱いには注意が必要です。

グラスペディア「永遠の幸福」

グラスペディアは、真っすぐな細い茎に、小さく鮮やかな黄色い花を咲かせる個性的な形をしていて、その姿がドラムスティックに似ていることから「Drumstick」という英名があります。

開花時期は6~10月ですが、切り花を風通しの良いところに置いておくだけでドライフラワーになり、いつまでも色あせないことから、「永遠の幸福」という花言葉を持っています。

明るい黄色は希望を思わせ、これからの幸せを願いたい相手へのプレゼントに選びたいですね。

片思いの失恋

ここでは、失恋の気持ちに寄り添ってくれるような花を紹介します。

アネモネ(青紫)「あなたを待っています」

3~5月の春に咲くアネモネ。

赤や白、青紫などはっきりした色の花びらが華やかさを演出してくれます。

ギリシャ語で「風」を示すアネモネは、春を待って咲き始めることから、希望や期待を意味する花言葉が生まれました。

また、昼に咲き夕方には花びらを閉じる姿から、ヨーロッパでは「復活」を意味する花ともいわれています。

失恋も別れの1つですが、諦められない相手に向けて、前向きに想い続ける気持ちを伝えたい時に贈りたいですね。

チューリップ(黄色)「望みのない恋」

3~5月に咲く春の花として欠かせないチューリップですが、黄色は「望みのない愛」という花言葉を持っています。

チューリップには本来「思いやり」や「愛の告白」という花言葉があり、これは3人の騎士から求愛された少女が1人を選ぶことができず、女神に頼んでチューリップの姿に変えてもらったという伝説からきています。

相手に「さようなら」を伝える時にそっと届けたい花です。

タンポポ「別離」

3~4月の短い期間、道端で一斉に花を咲かせるタンポポですが、「別離」の花言葉を持つことをご存じでしょうか。

想いを寄せる相手の気持ちを、「好き、嫌い、好き……」と花びらに託すことから「神託(神のお告げ)」という花言葉もありますが、「別離」は綿毛が風に吹き飛ばされてしまう様子から生まれました。

はかなく消えてしまった思いを失恋した相手に届けてくれます。

恋人との別れ

続いては、恋人との別れのシーンを連想させる花を紹介します。

ゼラニウム(白)「あなたの愛を信じない」

虫が嫌う特有の香りを持つゼラニウムは、ヨーロッパでは虫除けの他、魔除けや厄除けとして窓際に置く習慣があります。

そんな花の性質から、「尊敬」や「信頼」などの花言葉が付けられました。

ですが、白のゼラニウムは拒絶する気持ちをストレートに表すものとして「あなたの愛を信じない」という花言葉を持ち、自分を裏切った恋人に別れを示す時に贈れる花。

悪い縁をきっぱりと断ち切る意味でも、信頼できない人に強いメッセージを伝えられるといえます。

ストロベリーキャンドル「私を思い出して」

真っ赤な穂がイチゴやろうそくの炎のように見えることから名付けられたストロベリーキャンドル。

ろうそくを灯したような愛らしい姿に、「私を思い出して」という願いを込めた花言葉が付けられました。

小さいけれど存在感のある花なので、自分を忘れてほしくない相手に贈りましょう。

薔薇(まだら)「あなたを忘れない」

たくさんの色がある薔薇の中でも、花びらに別の色がまだらに入っているものは、「あなたを忘れない」という花言葉を持っています。

まだら模様の薔薇は珍しく、より自分の存在を印象付けるものとして、別れのシチュエーションに贈りたい花。

薔薇はほとんどが愛情や情熱、尊敬などを花言葉に持っており、「あなた(君)を忘れない」というメッセージはたくさんの気持ちが重なっていることを伝えてくれます。

マリーゴールド「悲しみ」

5~11月と花を咲かせる期間が長く、濃いオレンジや黄色が特徴で独特な香りを持つマリーゴールドは、「信頼」と共に「悲しみ」も花言葉に持ちます。

「信頼」は聖母マリアのイメージを重ねたもので、「悲しみ」は黄色の花びらがキリスト教においての裏切り者・ユダが着ていた服の色にあたることから。

別れの悲しみを相手に知ってほしい時、マリーゴールドで伝えてみましょう。

チョコレートコスモス「恋の終わり」

8~11月、秋に咲くコスモスの中でも、チョコレートのような濃茶色の花びらを持つチョコレートコスモスは、「恋の終わり」を花言葉に持っています。

淡いピンクや白など純粋さを思わせる他のコスモスと違い、こちらはシックな色合いが寂しさを誘うもの。

他に「恋の思い出」という花言葉もあり、関係が終わった恋人に対して諦めの気持ちを伝えたい時にも贈れる花ですね。

卒業や退職

続いて、卒業や退職という別れのシーンで贈れる花を紹介します。

ガーベラ「前向き」

品種改良によってさまざまな色や形があるガーベラには、陽気さを思わせることから「前向き」や「希望」という花言葉を持っています。

気取らない美しさは、希望を持って旅立とうとする相手に贈る花としてぴったりです。

オレンジは「我慢強さ」、ピンクは「思いやり」など、色によっても花言葉が変わってくるので、さまざまな色のガーベラを組み合わせて贈るのも良いかもしれません。

アヤメ「良い便り」

日本名で「菖蒲(しょうぶ)」とも呼ばれるアヤメは、濃い紫の花びらを持つものが多く5月に花を咲かせます。

ギリシャ神話では、神ゼウスの侍女であったイリスがゼウスからの求愛から逃れるため、ゼウスの妻ヘラに依頼し、神の酒を振りかけることによって虹を渡る使者に姿を変えてもらった伝説があり、その時に滴り落ちた酒がアヤメとなったといいます。

イリスの化身ともいわれるアヤメは「良い便り」という花言葉を持っています。

困難を乗り越えて再出発する人、希望を持って旅立つ人に、「良い便りを待っています」という気持ちを届けるシーンで贈りたいですね。

ノウゼンカズラ「夢ある人生」

オレンジや赤、黄色と鮮やかな色が多く、トランペットの形をした花びらが空に向かってファンファーレを吹いているように見える姿から、「夢ある人生」という花言葉が付けられました。

平安時代に中国から渡ってきたツル性の花木なので、空へとどんどんツルを伸ばす様子も、これから先の希望を感じさせます。

夢を持って旅立つ人へ、応援する気持ちを伝えてくれます。

ホトトギス「永遠」

「永遠」を花言葉に持つホトトギスは、花びらや葉に入るドットの模様が最大の特徴です。

鳥のホトトギスの胸の模様と似ていることが花名の由来ですが、花言葉の「永遠」は8~11月、晩夏から晩秋まで長く咲き続けることから生まれました。

離れ離れになっても、ずっと元気でいてほしい、幸せでいてほしい気持ちを、ホトトギスが伝えてくれます。

ユリ科で力強さを感じさせる花の姿は、大きな存在感とともに永遠の幸福を願う気持ちを表します。

ポインセチア「祝福」

真紅の花びらを持つポインセチアは、クリスマスの飾りとしてよく用いられます。

17世紀、メキシコにいた宣教師たちがこの花を見て「清純なキリストの血」を表していると思ったことから、「祝福」という花言葉が付けられました。

「幸運を願っています」という花言葉も持っており、旅立ちを祝福し、これからの幸せを応援する気持ちを届けたい時にはぴったりの花です。

ハハコグサ「忘れない」

面積のある花びらではなく、黄色いつぼみのような花頭を白い綿毛が包み込んでいるのがハハコグサです。

新芽をあたたかい綿毛で守る姿が優しさや力強さを思わせ、母が子を思うようなその様子から「忘れない」という花言葉が生まれました。

4~6月に咲くハハコグサは「ゴギョウ」とも呼ばれ、春の七草の1つ。

後輩など見守ってきた人が旅立つシーンに贈りたい花で、「友情」「協力」を花言葉に持つ真っ白なニリンソウと組み合わせるのもおすすめ。

死別

最後に、亡くなった人を思う花言葉を持つ花を紹介します。

シオン「遠くの人を思う」

白や紫の花びらを持つシオン。9~11月の秋に咲くキク科の花です。

父親の死後、悲しみを忘れたい兄と反対に、父への思いを忘れるものかとシオンを植えて毎日墓参した弟の話が『今昔物語集』にあり、「遠くの人を想う」という花言葉はここから生まれたといわれています。

離れていくことを惜しむ気持ちを、シオンが伝えてくれます。

花言葉で伝える別れの気持ち

別れにはさまざまな場面、気持ちが生まれますが、言葉だけでは全てを伝えきれない時もあるでしょう。

そんな時、花は自分の思いを雄弁に語ってくれます。

花言葉をしっかりと読み解き、自分の心に合うものを見つけたいですね。

(ひろたかおり)

※画像はイメージです

※この記事は2020年09月30日に公開されたものです

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