「妄想する癖」がもたらすネガティブな影響4つ

日常的によく「妄想」をする、という人も少なくないのではないでしょうか? 適度な妄想はプラスに働きますが、度が過ぎると現実逃避になる可能性も……。今回は心理カウンセラーの秋カヲリさんに、妄想する人の心理やメリット・デメリット、妄想する癖との上手な付き合い方を教えてもらいました。

よく妄想する人にはどんな心理があるのでしょうか?

妄想する癖がある人は、何かしら課題を抱えていることが多く、モヤモヤを解消するために妄想に頼りがちです。

適度な妄想はプラスに働きますが、妄想のしすぎは現実逃避になるので要注意!

この記事では、妄想をする心理やメリット・デメリット、妄想癖との上手な付き合い方を解説します。

妄想する人の心理

妄想する人にはいろいろな心理があります。

妄想しがちな人の心理を知ると、妄想する癖を抱えている理由が分かり、隠れた本音を理解しやすくなりますよ。

(1)現実と向き合いたくない

妄想は現実逃避の常とう手段。

何らかのトラブルや悩みを抱えると、現実から目をそらすために妄想にふける人がいます。

そうすれば現実から目を背け、葛藤や苦しみから逃れられるので、一時的に心が楽になるんですね。

(2)刺激的なことが好き

現実に波乱万丈な出来事が起きることはあまりなく、映画のようにドキドキハラハラする刺激は少ないものです。

こうした現実に物足りなさを感じて、ドキドキするような刺激的な妄想をする人もいます。妄想することで足りない刺激を補っているのです。

(3)ロマンチックなストーリーに憧れている

ロマンチックなストーリーに憧れている人も妄想しがちです。

妄想であれば好きなだけロマンチックなストーリーを描けますし、自分の理想のドラマを心おきなく堪能できるからです。

(4)生まれ変わり・変身願望がある

今の自分に不満があり納得できていない人は、生まれ変わり願望・変身願望を持っています。

現実では簡単に自分を変えることはできなくても、妄想であれば理想の自分にすぐに変身できますから、こうした願望を満たすために妄想することがあります。

(5)コンプレックスが強い

自分に対するコンプレックスが強く劣等感を抱いている人は、それを克服するために妄想してイメージトレーニングすることもあります。

実際にコンプレックスを解消するのは難しいですが、理想の自分をイメージすることで劣等感を打ち消したいと思っているのです。

参考記事はこちら▼

あなたは普段どのくらい妄想をしていますか? 10の質問で妄想力の高さを診断します。

妄想することのメリット

適度な妄想は楽しい気分にしてくれるものです。

妄想するメリットはいくつかあるので、上手に活用して人生を明るく豊かにしましょう。

(1)嫌なことを忘れられる

嫌なことがあっても、妄想の世界に浸ることで目の前の嫌なことから一時的に意識をそらし、気分転換できます。

ずっと妄想に逃げていたら解決できませんが、いったん妄想して冷静になるのは、前を向くための第一歩になります。

(2)切り替え上手になる

一時的に妄想して気分転換することで、切り替え上手になり、あまり落ち込まないように自己コントロールできます。

感情的になりやすく自分を見失いやすい人は、いったん好きなことを妄想して気持ちを切り替えるといいでしょう。

(3)想像力が豊かでユニーク

妄想をしていると想像力が豊かになり、ユニークな発想力が育ちます。

あまりにも現実離れした妄想に溺れるのはリスキーですが、適度な妄想は自由なアイデアを生み出す原動力になるかもしれません。

妄想することのデメリット

一方で、妄想にはまりすぎるとデメリットも生まれます。

懸念される注意点を把握し、妄想によるネガティブな影響を受けないように気を付けましょう。

(1)現実逃避する癖が付いてしまう

現実逃避するために妄想していると、嫌なことがあったらすぐに妄想して逃げる癖が付いてしまいます。

やがて夢見がちで現実離れした行動をするようになり、現実での対応能力が下がってしまうでしょう。

(2)思い込みが強くなる

妄想しすぎると現実より妄想を重視するようになり、現実を正しく認識する能力が下がってしまうリスクが高まります。

思い込みが強くなり、偏った考え方をするようになる人も少なくありません。

(3)楽観視し過ぎて問題をスルーしてしまう

楽しい妄想ばかりに頼っていると、現実も妄想に引っぱられて楽観視しやすくなります。

妄想は非現実なので面倒なトラブルは発生しない都合のいい存在ですが、現実はそうではありません。

妄想に慣れてしまい、現実の問題を軽視して見逃してしまう人もいます。

(4)被害妄想しやすくなる

いろいろな出来事をつなげて考える拡大解釈をしがちな人は、妄想と現実もひも付ける傾向があります。

ネガティブな妄想をしてどんどん悪い方向に考えてしまい、被害妄想に陥ってしまうケースも珍しくありません。

「妄想する癖」との上手な付き合い方

妄想し過ぎるとたくさんのデメリットが生まれるので、妄想する癖との上手な付き合い方を知り、ポジティブに活用する3つのコツを押さえましょう。

(1)現実と妄想を切り離して考える

自分が思い描いている妄想と現実は全くの別物です。

混同してしまうと、自分にとって都合がいいように事実を曲解したり誤認したりする原因になるので、妄想する時は「現実と妄想は違う」と自分に言い聞かせるようにしましょう。

(2)妄想で現実逃避しない

気分転換するために妄想を楽しむのは問題ありませんが、現実逃避するために妄想をし続けるのは根本的な解決にならず、いつまでも悩み続ける原因になります。

気持ちに余裕ができたら現実と向き合い、妄想に依存しないようにしてください。

すぐに妄想の世界へ逃げ込まず、現実や自分をいったん受け入れるのがポイントです。

(3)ゆっくり問題と向き合う

現実や自分に不満を抱えていると妄想に逃げやすくなります。妄想であれば一気に問題を解決できるように感じるからでしょう。

こうして妄想に頼るのは「すぐに問題を解決したい」「今すぐモヤモヤを忘れたい」と解決を急ぐから。

いきなり劇的な解決をしようとせず、問題とゆっくり向き合うのが大切です。妄想はその箸休めとして活用するようにしましょう。

妄想は特効薬ではなく栄養剤として活用する

妄想は自分の問題を解決する特効薬ではなく、心に元気を与えてくれる栄養剤です。

妄想に依存して現実逃避するのではなく、問題と向き合うためのエネルギーチャージとして活用してください。

適度な妄想は前に進むための活力になります。

時々妄想して楽しい気分に浸りながら、今の自分や現実を受け止め、改善していきましょう。

(秋カヲリ)

※画像はイメージです

※この記事は2020年07月27日に公開されたものです

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