気前がいい人の特徴は? 200人に調査!

「気前がいい」とは、金銭を出し惜しみしない様子を意味します。では、気前がいいとは具体的にどういうことなのでしょう。200人に聞いてみました。その結果と併せて、気前のいい人の特徴や心理などを心理カウンセラーの高見綾さんが解説します。

「気前がいいよね」と言われたら悪い気はしないですよね。

では、気前がいい人とは、具体的にはどのような人のことをいうのでしょうか。その心理や性格について紹介します。

気前がいい人は、基本的には好かれやすいですが、一部良くないイメージを持つ人も。気前のよさという長所を生かし、周囲から好印象を持たれるためのコツも解説します。

「気前がいい」の意味とは?

「気前がいい」とはどのような意味なのでしょうか。辞書で「気前」と調べると、以下のように記載されています。

き‐まえ〔‐まへ〕【気前】

1 さっぱりした気性。特に、金銭などを出し惜しみしない性質。「―よく金を出す」「―を見せる」

2 気だて。心だて。「―が悪い」

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「気前がいい」とはお金を惜しまずケチケチしていないこと、後腐れがない様子を表します。

一般的には、職場のみんなに差し入れをしたり、飲み会で多めに払ってくれたりする人などに対して「気前がいい」と使うことが多いですよね。

金銭を惜しまない様子はもちろんのこと、さっぱりとした気性やおおらかな性格など、精神的な余裕がある状態に対しても使うので、褒め言葉として用いられることが多いです。

気前がいい人の特徴

では、具体的にどんな言動や性格なら「気前がいい」のか。今回マイナビウーマンでは気前が良い人についてのアンケート調査(※)を実施。そこへ寄せられたコメントと共に紹介します。

(1)経済的に余裕がある

自分の生活がカツカツでは、気前よくいることは難しいもの。お金持ちまではいかなくとも、経済的なゆとりがあるのが特徴です。

  • 「会社の上司は気前がよかった。差し入れも多く、経済的に豊な印象を受けた」(36歳/女性/専門サービス関連)
  • 「10人くらいで回転寿司屋に行った時、その人が全員分払ってくれたことがあります」(29歳/男性/IT関連技術職)

(2)割り勘の場面は多めに払う

職場の飲み会のように割り勘の場面では、多めに払うこともあるようです。

他の人は2000円など切りのいい金額にして、残りを自分で支払うこともありますし、上司など立場が上の人であれば、気前よく1万円をパッと出して、「あとはみんなで割って」と言うようなことも。

  • 「割り勘の端数を気にしない人は、他のことに対しても気前が良い印象」(24歳/男性/学生)
  • 「割り勘の時に細かく計算せず多めに払う人を見ると、気前いいなぁと思う」(24歳/男性/事務・企画・経営関連)

(3)遊び心がある

気前のいい人は、精神的にもゆとりがあります。楽しいことが好きで、いつも心の中で「こうしたらどうなるかな?」と、実験と検証を繰り返すような遊び心があります。

楽しいことのためであれば多少の労力をかけても構わないと思っているのでしょう。大人になっても好奇心を失わず、イキイキしている人が多いです。

  • 「気前がいい人はノリがいい」(31歳/男性/その他技術職)
  • 「遊び心が少しでもある人は気前がいいと思う」(23歳/男性/販売・サービス関連)

(4)人を喜ばせたいと思っている

気前のいい人は、人間関係を良くするためのお金を惜しみません。

相手に喜んでほしいと思っているので、お店選びやお土産選びなども、自分がいいと思ったものを厳選します。また、相手の「わぁ~!」という喜ぶ顔を見るためであれば、時間や手間をかけることも苦にならない性質があるようです。

  • 「経済面だけでなく心にも余裕があって、気前がいいのはもちろん、嫌な仕事を自分からやったり、明るく話し掛けてくれたりする先輩がいました」(30歳/女性/IT関連技術職)
  • 「遊びにお邪魔するとたくさんもてなしてくれ、向こうもすごく楽しそうにいろいろとやってくれた。その方は、人から好かれ人脈も多い」(34歳/女性/クリエイティブ関連)

(5)見返りは求めていない

純粋に、相手に喜んでほしくて気前よく振る舞っています。

そのため、お土産を渡したら、相手からもお土産を返してほしいというような、見返りは特に求めていません。相手からのお返しがなくても気にしない人が多いです。

  • 「よく一緒にごはんに行く先輩がいるけど、いつもおごってくれるし見返りを求めないので、こちらがおごると言ってもおごらせてもらえない」(37歳/女性/専業主婦)

(6)お金の使い方にメリハリがある

経済的に余裕があるからといって、何に対してもお金を出すわけではないのが特徴です。

自分にとって必要なものとそうでないものを分けて考えているので、いわゆる浪費家とは異なります。

大切な人間関係など、自分にとって価値のあるものには惜しまずに支払いますが、節約するところはしっかりと節約します。

  • 「普段は質素な生活をしているけど、記念日はホテルの豪華な食事に連れて行ってくれた」(29歳/女性/クリエイティブ関連)

(7)「みんなで幸せになる」という発想

気前がいい人は、「自分のお金」という所有の概念が薄く、「今お金を使って、手持ちが減ったとしても、いずれ回りまわって自分のところに戻ってくる」と考えています。

与えれば与えるほど、自分の心が豊かになることを知っていますし、お金も同様に循環していくことでみんなを豊かにすることができると信頼しています。

自分だけ良ければいいという考えではなく、みんなで幸せになるという発想が根底にあるようです。

  • 「よく『ここは私が持つよ! 私が誘ったんだし!』と言ってくれる先輩がいた。先輩自体そのような集まりが好きでみんなが集まってくれたことに感謝してくれて、お金のことは二の次という感じだった」(23歳/女性/学生)

▶次のページでは、気前がいい人の心理、気前がいい性格のメリット・デメリットについて解説します。

気前がいい人の心理とは?

「悪い男」9

なぜ気前がいい人は、前述のような言動を取るのでしょうか。

それは、人間関係をとても大切にしているから。

どんな相手とでも、その場限りではなく、これからも良好な関係を築いていきたいと思っているからこそ、気前よく振る舞います。そういう意味では、未来への投資として捉えている人が多いかもしれません。

また、気前がいい人は、人が喜んでいる姿を見るのが大好きです。

喜びや楽しさは、みんなでシェアすればもっと大きくなると考えているので、みんなのためにお金を使うことが喜びになっています。自己犠牲をしているわけでも見返りを求めているわけでもなく、良い人だと思われたいわけでもなく、純粋に、自分の大切な人が喜んでくれることが自分の幸せと直結しているのです。

気前のいい性格のメリット・デメリット

良いことだらけに見える「気前がいい人」ですが、実はメリットとデメリットがあります。せっかくならそれを生かしたいもの。

性格のメリットとデメリットとは? また、どんなことに注意をすればいいのでしょうか。

メリット

気前がいい人は、人に喜んでもらうことが大好きです。したがって、お祝いなどの重要な場面では、お金を惜しまず使えるので印象が良くなりますし、「この人と一緒にいると楽しい」と思ってもらいやすいので、周囲には自然と人が集まってくるでしょう。

また差し入れをするなどさり気ない気配りがあるので、感謝されていることも多いです。

良好な人間関係を築けるところが、気前がいい性格の最大のメリットといえるかもしれません。自分が困っているときには、手を差し伸べてくれる人がたくさん現れるでしょう。

デメリット

ただし、喜んでほしくてやっているだけのことでも、羽振りがいいことが目立ってしまうと良く思わない人も出てきます。

良かれと思って気前よく振る舞ったことでも、「お金があることをアピールしている」と捉えてしまう人からすれば嫌味に受け取られてしまうことも。やっかみの対象になることもあるので注意が必要です。

また、いいように使われてしまうと、「払ってもらって当然」という態度を取る人が出てくる可能性もあります。

性格のメリットを生かすには?

相手に喜んでほしいと思っていても、相手が恐縮するような金額では逆効果。「お返しをしないと申し訳ない」と感じることのないようなレベルにとどめておけるといいですね。

「遠くから来てくれたからお昼は出すね」「こないだ仕事手伝ってくれて助かったから、これよかったら食べて(とお土産を渡す)」というように、相手がしてくれたことへのお礼を理由にすると、負担を感じさせることなくすんなりと受け取ってもらえますし、印象も良くなります。

一度にたくさんのお金を使うよりも、ちょこちょことしたもので気持ちを表現していくといいでしょう。

また、「この人とずっと仲良くしていたいな」と思える人に対してだけ気前よくしていくことが、トラブルを避けるポイントです。誰に対しても気前よくするのではなく、相手の人となりを知ってからの方がいいかもしれません。

▶次のページでは、気前がいい人になるためのポイントを紹介します。

気前がいい人になるためのポイント

ここまで読んで、「自分も気前がいいと思われたい」と感じた人もいるでしょう。そこでここからは、気前がいい人になるためのポイントを、アンケートへ寄せられたコメントと共に紹介します。

(1)お金に執着しすぎない

お金を使うことへの抵抗が強すぎると、必要な場面でも気持ち良くお金を払えません。

そうならないように、まずお金に執着しすぎないことが大事です。自分の中で「これにはいくらくらい使ってOK」というラインを決めておくといいでしょう。

  • 「お金の使い方が上手でお金に執着していない」(30歳/男性/販売・サービス関連)

(2)「自分が払った」アピールをしない

おごってもらったり割り勘で多めに払ってもらったりした時、その相手から「自分が払った」というアピールをされると恩着せがましく感じる人もいます。

そのような言動はお金への執着を感じさせてしまうので、気前がいいイメージとは結びつきにくいのでしょう。

  • 「お金を払っても人に恩着せがましくしないことが、気前よく思われるには大事だと感じます」(31歳/男性/営業関連)
  • 「アピールしないことが大事」(36歳/男性/メカトロ関連技術職)

(3)「みんなで楽しめればOK」と考える

単純に「○○円かかる」と考えるとお金を使うことへの抵抗感が強くなりすぎる場合、「みんなで楽しむために投資をする」と考えてみましょう。

このように人を喜ばせるためにお金を使える人は、周囲から「気遣いできて気前がいい」というイメージを持たれやすいはずです。

  • 「人との交流をメインに考えると気前がよくなるのかなぁと思う。ただ生活もあるのである程度経済力がないとできないかもしれない」(23歳/女性/学生)
  • 「『楽しい時間にお金を払っている』と考えるとストレスがなくていい」(37歳/女性/専業主婦)

(4)いざという時払えるよう普段は節約する

気前よくお金を出すには、やはり元手が必要です。

いつもたくさんお金を使うのではなく、財布のひもを締める場面と使う場面でメリハリをつけて普段は節約すると、いざという時有効にお金を使えるでしょう。

  • 「お金の使い方にメリハリがあり、みんなで楽しみたい場面ではお金を楽しく使い、普段はお弁当にするなど節約している」(34歳/女性/クリエイティブ関連)
  • 「気前よくするには、普段節制してお金を有効に使うタイミングを図る」(36歳/男性/販売・サービス関連)

気前が良い人は「人の幸せ」を自分の幸せにできる

気前がいい人は、経済的にも精神的にも余裕があり、人の幸せを自分の幸せにできる成熟した人が多いです。

「喜びはみんなでシェアしたらもっと大きくなる」と考えており、人間関係をとても大切にしています。

気前よく振る舞うときには、相手の負担にならないようなやり方に配慮していくと、さらに印象が良くなるはずです。

(高見綾)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日:2023/3/2
調査対象:20~39歳の男女
調査人数:200人

※この記事は2020年05月14日に公開されたものです

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