「お人よし」の特徴
「人がよすぎる」性格は、周囲から嫌われにくい一方で、搾取されやすい一面もあります。もし性格を改善したい場合、どうすればいいのでしょう? この記事では、「人がよすぎる」性格の特徴とデメリット、改善方法を心理カウンセラーの萩原かおりさんに解説してもらいました。
「人がよすぎる」と言われるお人よしな人がいますが、どちらかというと損な役回りになることもあり、まわりに利用されやすいのが悩みどころ。
人間関係に疲れてしまうこともあり、困っている人もいるかもしれません。
今回は、人がよすぎる人の特徴やデメリット、お人よしな性格を改善する方法をご紹介します。
人がよすぎる人の特徴
まずは、人がよすぎる人の特徴を見ていきましょう。
1.うまくいかなくても柔軟に考える
人がよすぎる人は性善説で物事を捉える傾向があるので、基本的にポジティブであり肯定的な考え方をします。
そのため、物事が計画どおりに進まないなどうまくいかない局面にぶつかっても慌てることがなく、柔軟に考えて寛大な姿勢を保ちます。
言動も明るく、まわりの雰囲気をよくする力があるでしょう。
こうした能力を持っているので、仕事ではたくさんの人と関わり、進行管理を担当する調整役に向いています。
恋愛でも寛大な対応をするので、たとえプライドの高い男性と付き合っても揉めにくく、ケンカが少ないでしょう。
2.正直
人がよすぎる人は、他人を信じることに長けています。
相手を疑わないので、自分自身も偽ることがなく、正直なふるまいをします。率直で裏表のない行動は、まわりからも「あの人は正直な人だよね」と信頼されるでしょう。
ただ、その一方で「行動が予測しやすくおもしろみがない」と思われてしまうこともあります。
仕事で人から利用されやすくなるというリスクもありますし、恋愛でミステリアスな魅力を出すのは難しいでしょう。
3.利他的な行動をする
「お人よし」と呼ばれるだけあって、人がいい人は思いやりがあります。
自己犠牲の精神を持ち、利他的な行動をとれるのが人がよすぎる人の大きな特徴なのです。
自分のことを後回しにしてでも相手のために尽くすなど、親切な行動が多くみられるでしょう。
仕事や恋愛でも、相手のためになる情報は惜しみなく与えるので、サポーターに向いています。
まわりをグイグイ引っぱっていきたい上司や男性から好かれるでしょう。
きめ細かいサポートができる点は営業職にも向いています。
4.楽観的で心配ごとがない
人がよすぎる人は信じる力があるので、「なんとかなる」というモットーで行動しているタイプが多いです。
そのため楽観的に物事を捉え、悩みや心配ごとが少ないのが特徴。
人と仲よくやっていくために必要ではないものは潔く諦めることができ、まわりと調和しながらうまく物事を進められます。
一般的にはストレスが多く離職率が高い職場でも、楽観的な思考で乗り切り、比較的ストレスをためずに適応できるでしょう。
また、気難しい相手ともうまくコミュニケーションできるため、こじらせ男子ともうまく付き合い、恋愛を長続きさせる才能があります。
人がよすぎる人のデメリット
「人がよすぎる」人は周囲の人から信頼されるなどのメリットもありますが、一方でデメリットも。
どんなデメリットがあるのかご紹介します。
1.人の意見を鵜呑みにする
人がよすぎる人は、他人の言葉を真に受けることが多いです。
それは人がいいあまり、人は本質的に善人だと信じていて、他人を疑わないから。
言われたとおりに行動することも多く、高圧的で軍隊のような統率をする上司には好かれますが、「自分で判断して行動してほしい」と考えている上司からすると物足りなく思われてしまいます。
また、イエスマンになりやすいので、ある程度は出世できても真のリーダーシップを発揮するのが難しい場合も。
恋愛でも、亭主関白タイプの男性との相性はいいのですが、相手が無理な要望をぶつけてきても反論せず従ってしまい、支配的な関係に陥ってしまうリスクもあります。
人から利用されやすいので、ときには注意が必要です。
2.一点集中型の行動をする
お人よしな人は、過保護な家庭で育ったタイプが多く、否定的な価値観をあまり持たないまま大人になっていることがあります。
そうやって肯定的な価値観を持った結果として、自分がいいと思ったものを盲目的に信じる傾向があり、多角的な思考をするのが苦手です。
その率直な姿勢は長所なのですが、自分から質問することも少なく、与えられた情報だけで行動しがちなのが玉にキズ。
何かに熱中すると視野が狭くなり、目の前の情報だけで判断して動いてしまうので、まわりから「短絡的だ」と思われてしまうことも。
仕事ではマルチタスクが苦手で、ジェネラリストにはなりにくいかもしれません。
また、恋愛も不器用で、忙しいと恋人との記念日を忘れてしまったり、大事な用事をすっぽかしてしまったりとケンカの火種を蒔くことがあります。
3.決断力がない
人がよすぎる人は、めったに自分で意思決定することはなく、結論に飛びつくことはほとんどしません。
その分まわりと揉めることは少ないのですが、ここぞというときの判断を人に任せてしまい「人任せで決断力がない人だなあ」と頼りなく思われてしまうことも。
自分の弱さをさらけだせるのが人がよすぎる人の長所でもあるのですが、頼りなさや優柔不断さといったネガティブな印象を与えてしまうリスクもあるので、自分で責任を持って行動することも大切です。
そうしないと、まわりがうんざりしてしまうかもしれません。
人がよすぎる性格を長所にするコツ
人がよすぎる性格は基本的に周囲の人から好かれますが、その善意を利用されるリスクも。
そこで、お人よしな性格をいかしたいと考えている人のために、改善方法を解説します。
1.人がたくさん集まる場に参加する
これはいわゆるショック療法に近いのですが、人がたくさん集まる場所に行って、信頼できる人・信頼できない人の両方を見ると「こういう人には気をつけたほうがいい」といった審美眼を養うことができます。
すべての人を善人だと捉えるのが人がよすぎる人の特徴なので、こうした見極め力がつけばトラブルを減らすことができるでしょう。
2.断る勇気を持つ
人がよすぎる人は肯定的な行動をとりやすいので、断れないことが多いです。
ときには断るべきときもあり、断れないと自分の時間や金銭が搾取されてしまうこともあるでしょう。
利用されないためにも、断る勇気を持つことが大切。
誰しも断る権利を持っていますから、相手本位の行動をとりすぎないようにして、自分のことも大切にしましょう。
3.「空気が読めないタイプ」だと宣言する
人がよすぎてまわりを気にしてしまい、思っていることが言えない人は「空気が読めないタイプだから」と、宣言しておきましょう。
そうすることで周囲からのイメージが変わり、自分の考えを伝えやすくなるでしょう。
「お人よし」から「いい人」になろう
人がよすぎる人は、必要以上に「いい人」になってしまい、いわゆる「お人よし」になっています。
デメリットを知り、改善方法に取り組むことで純粋な「いい人」になり、まわりから信頼できる魅力的な人だと思われるようになるでしょう。
ぜひ実践して、人のよさを強みに変えてくださいね。
(萩原かおり)
※画像はイメージです
※この記事は2019年06月30日に公開されたものです