ネガティブな性格をなおす方法
「こんな性格じゃなかったら……」そんなふうに、自分の性格に嫌気がさすときはありませんか? 今から性格を変えることは可能なのでしょうか。この記事では、心理カウンセラーの小日向るり子さんに、性格を変える方法について解説してもらいました。
「こんな性格じゃなかったらもっとちがう人生になっていたのに」と思うことってありますよね。
特に、仕事や恋愛などのプライベートがうまくいっていないときは、このような気分になりがちです。
カウンセリングの現場でも、多くの女性から「自分の性格が嫌いで……」という言葉が聞かれます。
果たして、今から性格を変えることは可能なのでしょうか。
今回は、心理カウンセラーとしてたくさんの方の声を聞いてきた経験もふまえて「性格を変える」ということについて書いてみたいと思います。
今からでも性格を変えることはできる?
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。
幼少期の性格は大人になっても変わらないという意味ですが、これはある意味正しく、ある意味まちがっています。
どういうことかというと「魂」をどうとらえるかが問題で、生まれ持った気質は変わりませんが、後天的に形成された性格はいくつになっても変えることは可能だからです。
性格とは、言いかえると思考の癖のこと。
人は無意識にすべての事象を自分の基準でジャッジしています。そしてそれが年齢とともに固まって、自分の中に「価値観」として根づいていきます。
たとえばあなたは「人間は生まれたときは悪人である」と考えますか?
それとも「生まれたときは善人である」と考えますか?
そして、そう考える根拠はなんですか?
このように、ひとつの事象を切り取っただけでも考えは分かれますし、その価値観に至る心理は、さらに枝分かれしていきますよね。これが思考の癖です。
性格で悩む方というのは、この自分の思考の癖が自分自身で窮屈なものになっているのです。
したがって、性格を変えたいのであれば、思考の癖を修正してあげればよいということになります。
世の中には多くの心理療法がありますが、アプローチが異なるだけで、すべて「思考の癖を修正して生き辛さから解放されましょうね」というものです。
心理療法には指導者やファシリテーターがいて、長期間かけて取り組んでいくものが多いです。しかし、そこまでしなくても、日常で気をつけることで少しずつ修正していくことができます。
そこで、日常でできる「性格を変える方法」をご案内していきたいと思います。
性格を変える方法「自分を知る」
まずは自分を知ることから。以下の5ステップをやってみてください
ステップ1.癖を把握する
起こった出来事と、それについて感じたことを書き出してみましょう。
変えるためにはまず現状を知ることが大切です。
「彼からのLINEが遅い→浮気をしていないか心配でソワソワ」
「○○神社に行ってお参りした→気持ちがスッキリした」
など、ネガティブな感情もポジティブな感情も含め、最近あったことをどんどん書いていきます。
ステップ2.自己イメージを作る
書き出したら、その中でこれは自分にとって居心地の悪いものだという感情をピックアップしてください。
そして、そこに右矢印を引いて「どう考えたら楽になれるか」ということを書きます。
例1)心配でソワソワする→相手の視点に立ってみる→彼は繁忙期で忙しい→急かさない
例2)試験に合格したか気になって仕方がない→がんばった自分を褒めてあげる
ステップ3.感情を手放す
メモなどに捨てたい感情(嫉妬深い・○○がうらやましい・待てないイライラ)など、捨てたい感情を書いてくしゃくしゃにします。
そして、それをゴミ箱にポイと捨てましょう。
そのときは、「捨てる」ではなく「手放す」という感覚で行ってください。
4.気に入っている感情はルーティン化する
たとえば、上記で挙げた「○○神社に行った→気分がスッキリした」のであれば、ときどきその神社に行く、といったように心地よい感情はルーティン化していきましょう。
5.自分の性格をプラスのイメージで考えてみる
これは、一気に落ち込んだときにやってほしいことです。
たとえば、あることをしたいのに今一歩勇気が出ないとき「どうしてこんなに臆病なのか」と自分の性格を責めたくなったら、「でも慎重になるこの性格は、暴走するよりいいことだ」と受け入れてみます。
性格を変える方法「日常生活に気をつける」
次に、日常生活に気をつけてみましょう。
1.太陽光を浴びる
太陽光を浴びることによって、脳からセロトニンが放出されます。
セロトニンは、不足すると鬱になりやすくなります。ポジティブな性格形成に太陽光は必須です。
2.睡眠をしっかりとる
睡眠不足は身体の不調だけでなく、脳の疲弊を招きます。
疲れた脳からはネガティブな思考しか出てきません。睡眠の量と質を見直してみましょう。
3.楽しく食べる
栄養学的には、栄養のバランスがとれた食事を毎日三食とることが理想です。
しかし、精神衛生上はそこに過度にとらわれずに「楽しく食べる」ということを大切にしてください。
性格を変える方法「環境に変化を起こす」
1.会う人を変える
非常に深く落ち込んでいるときは、同じような気持ちを抱えている人と感情を分かち合うことが有効です。
そして癒されたら、新しい人と会ってみましょう。
リアルで会うことにハードルが高ければ、ネットで趣味のサークルに参加してみることからでもよいです。
2.洋服を変える
ガラッと変えることができれば大きな変化が期待できますが、現実的には難しいと思います。
なので、まずは外に行くときに帽子をかぶってみる、髪型を変えてみる、といったように、少しでも鏡に映る自分を変化させて外に出てみましょう。
3.取り込む情報を広げる
最近はスマホで情報を得る人も多いと思います。
スマホはほしい情報がピンポントで入手できるという利点はありますが、興味のある情報しか取り入れないという情報狭窄になる危険性もあります。
本屋さんに行って普段読まないような本を買ってみる、雑誌を買ってひと通り読んでみるなどがおすすめです。
取り込む情報を広げると、新しい価値観が入ってきます。
性格は変えられる。まずは変わりたいと願うこと、そして行動しましょう!
カウンセリングの現場では、自分のネガティブな性格をポジティブに変えたいという声が多いので、今回は「ネガティブ→ポジティブ」に焦点を当てて、思考の癖の修正方法を書いてみました。
まずはできそうなものをひとつでもやってみてください。
変わりたいと願い、それに向けて一歩行動してみること。
それ自体が、すでに性格変化を起こしているということです。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年04月14日に公開されたものです