疲れた、楽しくない。何もやる気が起きない休日の過ごし方
仕事は毎日ちゃんと行っているけれど、いざ休みの日になると何もやる気が起きない。そんな経験はありませんか? せっかくの休みなのに疲れた状態のまま、気づけば部屋でゴロゴロしているだけ。そんな過ごし方では切ないですよね。そもそも、休日に何もやる気が起きないのは、何が原因なのでしょう。対処法とあわせて、メンタルチェンジトレーナーの平井妙子さんに聞きました。
休みの日にやる気が起きない理由
せっかくの休日、ダラダラするだけなんてもったいない。と思いつつ、体が動かない……。そこで、やる気が起きない理由を教えてもらいました。
休みの日にやる気が起きない理由とは
「休みの日になると動けない」、「ずっと寝ている」、「誰とも会いたくない」こうした問題を抱える人は、実は少なくありません。やる気が起きなくなるときは、エネルギーが枯渇状態になっていることが多いです。例えるなら、携帯電話の充電。しっかり充電できているときが100%、やる気も十分です。何もやる気が起きないときは充電が0%になっていると考えるとわかりやすいでしょう。そこで、エネルギーが枯渇してしまう原因について解説します。
身体的要因
長時間業務による過労、ハードな肉体労働、体力キャパシティを超える労働、体調不良、不眠、食欲低下などから起こる身体的エネルギーの消耗などによるものです。
精神的要因
仕事に対する不安や悩み、人間関係や環境のストレス、家族間の問題など、連続した日々の中で精神的負担によるエネルギーの消耗などによるものです。
両方の要因が重なることで、エネルギーを猛烈に消費し、休みの日の気力や体力はゼロ。やる気など起きません。特に、真面目で一生懸命がんばりすぎる人、責任感の強い人、ひとりで悩みを抱えすぎる人、誰にも相談できない人、他人に弱みを見せたくない人、プライドの高い人などはエネルギー消費が高く、枯渇しやすいと言えます。
やる気が起きない人の共通点
何もやる気が起きない、何をしていても楽しくない……。他人にはわかりにくいかもしれませんが、本人にとってはすごくツラいこと。そういった状態になる人には、何か特徴があるのでしょうか?
特徴1:過労とキャパシティを超える業務を担っている
長時間労働によって脳疲労や身体的疲労が蓄積されています。次のような状態になる人は注意が必要です。
思考停止状態
何も考えられない状態です。考えようとしても、何も頭に浮かんできません。
感情(喜怒哀楽)が得られない
楽しい、嬉しい感覚があまりありません。無感動、無関心。表情が乏しく、笑顔が少なくなります。
身体が動かない
身体的エネルギーがゼロになり、脳からの指令(思考停止)がないため、動けない状態です。また、体力を温存しようとしています。
特徴2:人間関係や環境のストレスを抱えている
体力的な負担ではなく、精神的な負担によりエネルギーを消耗しています。
誰とも会いたくない(ひとりでいたい)
口数が減り、周囲とのコミュニケーションも少なくなります。職場では多弁な人が家では無口であることも。
ネガティブモード
何をしても楽しめなく、思考も気持ちもネガティブなため、アクションに結びつきません。悶々と悩んだりすることで、時間だけが経過します。また、やる気のない自分に落ち込むことも。
無気力感
何かをやりたいと思う気持ちになれません。やりたいことも浮かんでこない状態です。
特徴3:過労とストレス、両方を抱えている
仕事が激務である上に、職場の人間関係がうまくいかない。身体的要因と精神的要因が混合している状態です。
何も手につかない、何もしたくない
片付けができず、食事も面倒になります。食欲がなく、何を食べてもおいしくないと感じます。
周囲に気づけない
まわりで起きていることに無関心で、人との会話が入ってきません。言われてもすぐに忘れてしまいます。
無表情
心から笑えない、作り笑顔もできません。心ここにあらずのような表情になります。
何もやる気が起きない休日の過ごし方
せっかくの休日は有意義に使いたいですよね。「何もやる気が起きない……」そんな休みの日におすすめの過ごし方をご紹介します。
充電できることをする
人それぞれ、効果が得られる手段は異なりますが、いくつか参考に挙げていきます。
身体的要因の場合:身体を休める、あるいは癒す
リラクゼーション効果を得られることが有効です。マッサージをしてもらう、温泉や入浴でリラックスする、自然(山・川・海)環境に身を置くなどが挙げられます。
精神的要因の場合:自分が好きなことをする。
好きなときに取り組める趣味や、ひとりでできる趣味があれば効果的。または、気をつかわず信頼できる人と会話をしましょう。
考えなくてよいことをする
やる気がでないときは、「楽しいこと」を見つけるのも困難です。無理に何かをしようとせず、考えずにできることをしましょう。TVやDVD、YouTubeを観る、音楽を聴く。自分で考える負担がなく、一方的に与えられるものであることがポイントです。
「何もしない」と決める
やる気が起きないことに罪悪感を覚える人もいますが、「何もしない」と決めるのもひとつの方法です。自分自身に「何もしない許可」を与えることで、自己慈愛や自己承認を持つことができ、ポジティブな気持ちにも繋がります。一方で、「決して何もしないでください」と言われると、何かをしたくなるという効果がある場合も。
やる気が起きないときは自分の身体を労ろう
やる気が起きない自分を否定することはありません。「どうしてやる気が起きないんだろう」と自分自身に問いかけてみましょう。疲れているのであれば、休日くらい思い切り自分にやさしくしてあげる時間を持つことは、決して無駄な時間ではないのです。罪悪感にさいなまれることなく、自分に合った休日の過ごし方を見つけてくださいね。
(監修:平井妙子、文:森嶋千春)
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※この記事は2018年06月11日に公開されたものです