多くの企業が抱える人材不足問題。この問題を解決するために、今注目を集めているのがピアボーナスツールです。ピアボーナスツールとは、社員同士が良い行動に対して感謝のメッセージとポイントを送りあえるソフトウェアのことです。ピアボーナスツールを導入することで、エンゲージメント率アップや離職率の低下が期待できます。
本記事では、ピアボーナスツールのメリット・デメリット、導入ポイントやおすすめの製品を紹介します。
離職防止ツールおすすめ16選比較記事はコチラ→離職防止ツールおすすめ16選比較【2021年】 | 製品比較のポイントも解説!
ピアボーナスツールとは
ピアボーナスツールとは、社員同士がリアルタイムで成果や行動を評価し、ポイントを与えあうことを可能にしたツールです。ポイントは給与やクーポン券などに還元できます。
たとえば、仕事の相談に乗ってもらったり、プレゼン資料の作成を手伝ってもらったりしたときに、感謝のメッセージとポイントを送ります。メッセージはピアボーナスツールのタイムライン上に流れるため、全ての社員が各メンバーの貢献度を確認できます。
ピアボーナスツールは、SNSのような分かりやすいユーザーインターフェースであり、気軽にコミュニケーションがとれます。そのため、組織活性化やエンゲージメント率アップなどのさまざまな効果を得られます。
ピアボーナスツールが注目を集める理由とは

ピアボーナスツールが注目を集める大きな理由は、働き方改革にあります。
リモートワークや時短勤務などの多様な働き方が浸透した一方、働き方の異なる社員間で適切なコミュニケーションがとれなくなるリスクもあります。たとえば、正社員と業務委託のフリーランス、リモートワーク中心の社員と出社中心の社員では、十分なコミュニケーションがとりにくいといえるでしょう。
コミュニケーション不足は、離職やモチベーションの低下などにつながります。このような問題を解決するために、ピアボーナスツールが注目されました。ピアボーナスツールを活用すれば、働く場所や時間の垣根を超えたコミュニケーションが可能となり、前向きな組織構築を行えるのです。
ピアボーナスツールの5つのメリット
ピアボーナスツールを活用すれば、主に下記5つのメリットを得られます。
- 社員のエンゲージメント率アップ
- 離職率の低下
- コミュニケーションの活性化
- パフォーマンスの向上
- リモートワークにおけるコミュニケーション問題の解消
以下でピアボーナスツールを導入する5つのメリットについて紹介します。
1 社員のエンゲージメント率アップ
業務で評価されるのは、主に商談成立や目標達成などの目に見える貢献です。しかしながら、普段の業務では見えない貢献も多々あります。たとえば、社内機器の清掃や社内の問い合わせ対応などは、直接評価される機会が少ないながらも、大きな貢献です。
ピアボーナスツールを導入することで、影での貢献も評価できるようになります。見えない貢献が適切に評価されると、社員の働きがいの創出につながり、モチベーションやエンゲージメント率アップを期待できます。
2 離職率の低下
多くの企業で人材不足が深刻となっているため、企業は人材の定着率を高める必要があります。しかしながら、コミュニケーション不足や働きがいの希薄などが原因で、優秀な人材が離職するケースは多々あります。
ピアボーナスツールを利用すれば、普段の業務を適切に評価することが可能です。互いに感謝しあう環境を構築でき、従業員の承認欲求が満たされるため、離職率の低下が期待できます。
3 コミュニケーションの活性化
ピアボーナスツールでは、ネガティブなコメントの抑止をするため、全ユーザーがタイムラインを閲覧できます。オープンな場でコミュニケーションが行われることで、普段は見えづらい他部署に対しても気を配れるようになるのです。
また、気軽に他部署の社員とコミュニケーションを取れるようになり、横の連帯感が強まります。社員間のみならず、部署間のコミュニケーションが活性化すると、社内コラボの機会増加や業務効率アップなどの効果を見込めます。
4 パフォーマンスの向上
ピアボーナスツールにより、小さな仕事まで評価されるようになると、社員はいっそう積極的に仕事に取り組めるようになります。また、ピアボーナスツール導入企業の多くが、褒める文化の構築に成功しています。
褒める文化が根付くことで、社員は失敗を恐れずに新たな挑戦に取り組めるようになるでしょう。仕事に対して前向きな人材が増えることで、パフォーマンスの向上、および業績アップにもつながります。
5 リモートワークのコミュニケーション問題の解消
リモートワークの最大の課題は、コミュニケーション不足です。多くの企業が導入しているビジネスチャットアプリには、下記のデメリットがあります。
- チャット内容を見られるのはアクセス権限のある人のみ
- 業務連絡ばかりになってしまう
- 社員同士のつながりや関係性の把握ができない
このようなデメリットを解決するのが、ピアボーナスツールです。
ピアボーナスツールは、オンライン上にカジュアルなコミュニケーションの場を提供してくれます。やり取りは社内全体に公開されるため、管理職や人事はメンバー間の関係性の把握も行えます。
カジュアルなコミュニケーションが活性化することで、リモートワークの課題の解決が可能になります。
ピアボーナスツールの2つのデメリット
一方で、ピアボーナスツール2つのデメリットを紹介します。
1 効果測定が難しい
ピアボーナスツールがもたらす、社員のエンゲージメントやモチベーションのアップなどは、効果測定が難しいです。また、離職率の低下などの効果が現れるのにも、時間がかかります。そのため、経営陣などの理解を得るのが難しくなるかもしれません。
2 運用が難しい
ピアボーナスツールは、社員に積極的に活用してもらう必要があります。しかしながら、業務に不可欠なツールではないため、社員の協力を得るのに苦労するかもしれません。また、一時的な盛り上がりにならないよう、常に運用の工夫をする必要があります。
ピアボーナスツール導入を成功させる3つのポイント
ピアボーナスツールを社内に浸透させるためには、操作性のチェック・経営陣の協力・運用ルール設定が欠かせません。導入成功のためのポイント3つを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1 操作性は要チェック
ピアボーナスツールは、ITに苦手意識を持つ人を含む多くの社員に、毎日使ってもらうことで効果を発揮します。そのため、分かりやすいユーザーインターフェースで、直感的な操作ができる製品を選ぶようにしましょう。また、社内で使っているチャットツールがあれば、それと連携できるピアボーナスツールを選ぶと便利です。
2 経営陣こそ積極的に使う
ピアボーナスツールを社内に浸透させるためには、管理職や経営陣などの協力が欠かせません。管理職以上が積極的にピアボーナスツールを活用すれば、現場レベルの社員にも広まっていきます。
また、管理職は実際に使用することで、ピアボーナスツールの効果を実感できます。そのため、経営陣の理解を得られないというデメリットを解決することも可能です。
3 運用ルールを決める
ピアボーナスツールは業務に必要不可欠なものではないうえ、感謝の気持ちは直接言葉で伝えることも可能です。そのため、社員の中には積極的にツールを使ってくれない人も出てくるでしょう。しかし、それでは十分なデータや効果は得られないため、工夫して運用する必要があります。
たとえば、ポイント付与期間の設定や、ポイントを送るにはメッセージ送信の必須化などの運用ルールを決めることがおすすめです。効果の測定や必要性の実感が難しいからこそ、運用ルールを定めて社内に浸透させる工夫が必要となります。
おすすめのピアボーナスツール6選
各企業が提供するピアボーナスツールの特徴や価格を紹介していきます。気になる製品を見つけたら、ぜひ導入の検討をしてみてください。
リアルタイム評価で従業員のモチベーションアップ!「評価ポイント」
株式会社シーグリーン
- 参考価格:月額料金7,000円~(最低利用者数10名、ユーザー当たり月額700円)
- 提供形態:クラウド / ASP / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「評価ポイント」は社員のモチベーションと行動を可視化し、成果につなげるクラウド型人事評価システム です。人事評価システムではありますが、ピアボーナスツールとして活用することもできます。
ツール上で、社員にしてもらいたいタスクなどをリスト形式で作成し、社員がタスクを行うとポイント付与と共に リアルタイムでの評価が可能です。
小さなタスクでも評価されるため、従業員の承認欲求は満たされ、エンゲージメントの向上につながります。貯まったポイントは福利厚生などに還元できます。
スマホ対応、およびLINEやChatWorkなどとの連携ができる ため、SNS感覚で利用できるはずです。導入から運用まで手厚いサポートを受けられます。
社員間のやり取りを多角的に分析できる!「タレントパレット」
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:SaaS / ASP
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「タレントパレット」は人事とマーケティング思考を組み合わせたタレントマネジメントツールです。
人材データの一元管理や人事評価、人材配置の最適化などを行えます。また、社員間で感謝の気持ちとポイントを送れる「サンクスポイント」機能を使えば、社員間のエンゲージメント向上やリモートワークでも適切なコミュニケーション実施が可能です。
さまざまな分析軸で、ポイントのやり取りの分析と結果の可視化を行えます。 たとえば、コミュニケーション回数が少なくなっている部署を特定でき、適切な対策をとれるようになるのです。
ピアボーナスツールの中でも、コミュニケーションの分析機能を重視する企業におすすめです。
感謝の贈りあいで一体感ある組織作りを支援「thanks!」
株式会社アルト
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「thanks!」は「ありがとう」の贈りあいができる感謝コミュニケーションサービスです。感謝の気持ちとメッセージを送れるのは当然ながら、 情報共有や個人間のメッセージ、スタンプなどの豊富な機能がそろっています。
また、チームワークの点数化や離職可能性、人間関係の可視化 などが行えます。豊富な分析機能を活用することで、人事評価や離職防止などにつなげられるでしょう。
アプリデザインの変更やオリジナルスタンプの開発など、社内浸透を効率化させるオプションも用意されています。
7日間の無料トライアル が用意されているので、興味のある方はまずはトライアルに申し込みましょう。
感謝の文化作りと企業理念の浸透を支援!「THANKS GIFT」
株式会社Take Action
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「THANKS GIFT」は600社以上の導入実績があるピアボーナスツールです。
大きな特徴は、理念浸透を促進させる機能 があることです。たとえば、アプリで経営ビジョンやバリューをいつでも確認できれば、理念に沿った行動に対しコインとメッセージを送ることもできます。企業理念が社内に浸透することで、エンゲージメントの向上やブランドの確立へとつながるのです。
そのほかにも、社内報やエンゲージメント診断、ランキング/表彰などの機能がそろっています。
導入に際しては、課題整理から運用改善までワンストップでサポートしてくれるため、効率よく運用できるでしょう。
毎日1分の活用で組織が変わる!「Unipos」
Fringe81株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「Unipos」はわずかな時間で感謝のコミュニケーションを実現できるように設計されたピアボーナスツール です。たとえば、本製品には返信やコメント機能はありません。返信などの機能をなくすことで、業務時間を圧迫することがなくなります。
また、Slackなどのアプリと連携できるため、「Unipos」を開く必要はありません。
ポイントの配当方法は、現金やギフト券などニーズに合わせて自由にカスタマイズ できます。オプションの分析方法を付帯すれば、組織状態の可視化を行えるため、課題の早期発見を行えます。
月額料金は、オプションや利用人数によって変わる従量課金制 です。導入準備から定着までのサポートも充実しているため、中小企業でも気軽に導入できます。
Slackをピアボーナスツールにできる!「HeyTaco!」
HeyTaco, LLC
- 参考価格:月額料金3ドル/ユーザー
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「HeyTaco!」はSlackと連携することで使えるピアボーナスツール です。Slackと連携後、専用チャンネルにメンバーを招待します。メンバーは1日5個のタコス(ピアボーナス)をSlack上で送りあえるのです。
獲得したタコスは、事前に設定した報酬と交換できます。
「HeyTaco!」の魅力は、ユーモアがあるため、気軽にタコスを送りあえる ことです。多くのメンバーが楽しみながら使えるので、社内に浸透しやすいでしょう。
ダッシュボードからは、タコスの推移を確認できます。さらにデータを抽出することで、詳細な分析が可能です。
公式サイトは英語のみの対応になっています。しかし、操作方法自体は非常に簡単です。
ピアボーナスツールをうまく活用して離職率低下を実現
ピアボーナスツールは、社内に感謝や褒める文化を作る手助けをしてくれます。社員の承認欲求は日々高まり、離職率の低下やエンゲージメントの向上などに期待できるのです。ピアボーナスツールを導入する際は、各製品の操作性や機能を比較し、ルールを決めて運用しましょう。
離職防止ツールおすすめ16選比較記事はコチラ→離職防止ツールおすすめ16選比較【2021年】 | 製品比較のポイントも解説!