IP電話は市外局番のまま移行できる?市外局番を使うメリットとは

IP電話

IP電話は通話料が安くできるため、固定電話から移行する企業も増えています。しかし通常は050から始まる番号なので、現在の市外局番から始まる番号のまま移行することができれば前向きに検討するのに、という企業の方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、番号を変えることなくIP電話に移行することができるのか、さらに移行のメリットについて紹介します。ぜひ移行時の参考にしてみてください。

IP電話とは?

1、IP電話とは?

IP電話は、インターネット回線を使用して通話する電話です。IPはInternet Protocol(インターネットプロトコル)の略で、インターネットの通信方式です。従来の固定電話の通信方式と異なっていることもあり、メリット・デメリットがあります。

IP電話の最大のメリットは、通話料金の安さです。専用の電話回線を使用せずにインターネット回線があれば通話できるため、通話料金がとても安くできます。

その反面、通話品質の確保が難しいというデメリットがあります。インターネット回線では、音飛びや聞き取れないといったことが起こりえます。動画視聴中に早送り状態になったり、場面が飛んだりする経験はあるかと思いますが、それと同じ様なイメージです。ただ近年は、回線スピードの高速化や技術革新によって、固定の電話回線と同等の品質を確保できるようになってきています。

IP電話には、電話番号があるタイプと無いタイプがあり、よく利用されているLINEやSkypeなどは電話番号が無いタイプのIP電話です。番号のあるIP電話は、固定電話として利用することが多いですが、携帯電話のアプリとして利用することも可能です。インターネットを使用するため、世界中どこにいてもネット環境さえあれば電話ができます。

光回線を引いている場合には、固定電話としてひかり電話を利用しているかと思われますが、このひかり電話もIP電話のひとつです。

2、電話番号の成り立ち

電話番号は通話相手を識別するための番号です。一般的な固定電話は、0から始まって「市外局番」「市内局番」「加入者番号」となっています。

最初の「0」は国内プレフィックスと呼ばれる番号で、国内の通話を示す合図になっています。国際プレフィックスは「010」で国際電話をかける時に使われます。

0に続く市外局番は1~4桁であり、この部分は地域によって総務省で決められた番号です。北が1番になっていて、南に行くほど大きな数字です。

市内局番は1~4桁で、この部分は総務省が電話会社ごとに指定した番号です。市外局番と市内局番は合わせて5桁と決められていて、加入者が多い地区ほど市外局番が短くなっています。

3、電話番号の形式の違いについて

電話番号は、いくつかの種類があります。00から始まる番号は、国際電話や中継する電話会社を選択するときに使われる番号です。登録している電話会社以外の会社を利用して通話したい場合に、00から始まる番号をつけて電話をします。

0A0(Aは0以外の数字)から始まる番号は、携帯電話やIP電話で使われています。携帯電話は、090、080、070で始まっているのはよく知られているところでしょう。

IP電話は050から始まる11桁の番号で、050の次の4桁は電話会社ごとに割り振られています。このため、固定電話ならば住所(エリアを担当する電話会社)が変わらなければ電話番号は変わらないですが、IP電話の場合は契約する会社を変えると電話番号が変わってしまい、同じ番号を使うことができません。

0AB0(A,Bは0以外の数字)から始まる番号は、電話会社が提供する高度サービスを利用する場合の番号で、代表的な番号はフリーダイヤルの0120です。0800もフリーダイヤルの番号で、0120から始まる番号が枯渇してきたため、最近増えています。その他に、ナビダイヤルの0570もこの形式の番号です。

0ABC(A,B,Cは0以外の数字)から始まる番号は、普通の固定電話で利用されている番号です。

1から始まる番号は、緊急性、公共性、安全性から重要と思われるような付加サービスに使われています。救急の119や警察を呼びたいときに回す110がもっとも多く利用されていて認知度も高いですが、その他に時報や天気予報の117・177などもあります。

2~9で始まる番号は、市外局番から電話番号を入力しない市内通話をする場合に使われています。そのため、市外局番から始まる電話番号の途中からという意味になります。

IP電話で市外局番から始まる電話番号の利用ができる?

基本的にIP電話は050から始まる電話番号なので、市外局番から始まる電話番号を利用することができません。IP電話は、一般的には通話品質が固定電話より劣るため、固定電話と違う番号で区別をしています。

一方で総務省は、一定以上の通話品質を満たした通信業者に対して市外局番から始まる番号を使用することを許可しています。そのためIP電話であっても通話品質が良いと総務省から認められている電話会社を選ぶことで、市内局番から始まる電話番号も利用可能です。

また、ひかり電話であればIP電話でありながらも、一般的な固定電話と同様の電話番号形式です。ひかり回線を使用しているため、光回線に切り替える必要がありますが、この方法でもIP電話で市外局番から始まる電話番号で利用することができます。

電話番号を変えずにIP電話への移行をしよう!

IP電話を市外局番から始まる番号のままで移行できることは、前章で紹介しました。ここでは、移行するメリットやその方法について紹介します。

1、市外局番のIP電話を利用することのメリットとは?

市外局番を使用する電話番号でもIP電話を契約することで、IP電話のメリットを活かすことができます。

IP電話の最大のメリットは通話料が安いことです。拠点がたくさんあるため、拠点間の電話が多かったり離れた場所に電話をすることが多かったり、月々の通話料がかかっている会社ほどそのメリットは大きいでしょう。

また国際電話をかける場合でも、相手がIP電話であれば料金は市内通話の料金と変わらず、国際通話が多い会社は特にメリットがあります。

市外局番から始まる電話番号を使用できるということは、通話品質が良いと総務省にお墨付きを貰っているのと同じことです。つまりIP電話でありながらも安定した通話品質が確保できているので、安心してIP電話を利用できます。

また、IP電話でも固定電話と番号が変わらないことで、顧客や取引先に安心してもらえるでしょう。社会的な信用も、050番号よりも市外局番から始まる番号の方が高いです。電話番号を通知して発信することが当たり前になっているからこそ、050番号ではなく一般的な電話番号の方が相手もより安心して電話を受けてくれます。

050番号の場合、電話会社の識別番号が入っているために契約会社を変えると電話番号も変わってしまいます。このため、サービスを変更したくても番号が変わってしまうことで躊躇しがちです。しかし、市外局番から始まる番号なら、電話番号も変わらずに利用できるので、他のサービスへ乗換もしやすくなります。

2、電話番号を換えずにIP電話へ移行するための方法

IP電話は通話料が安く押さえられるため、長時間の通話や遠距離通話が多い会社にとってメリットが多い電話です。固定電話をIP電話へ移行するには、IP電話を取り扱っているプロバイダと契約する必要があります。

一般的なIP電話は050から始まる番号で市外局番から始まる番号を使えません。使えるかどうかは、扱っている会社によります。そのため、市外局番から始まる番号を使える会社を選ぶことが重要になります。市外局番から始まる番号を使えるか契約前にしっかりと確認をしましょう。

まとめ

IP電話は、インターネット回線を利用した電話です。多くは050番号から始まっていますが、市外局番から始まる番号での利用もできます。移行するメリットも多いので、通話料が高くて悩んでいる企業は検討してみてはいかがでしょうか。

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