Web面接にはさまざまなメリットがあり、優秀な人材の確保や採用活動の効率化に役立ちます。ただし、時と場合によっては対面面接が有効なケースもあり、面接方法をどちらにするかは、場合によって使い分けが必要です。
本稿では、Web面接のメリットとデメリットをまとめ、Web面接と対面面接を使い分けるポイントについても解説します。
Web面接とは
Web面接とは、インターネットを利用したオンラインで行う面接のことです。採用側の企業と面接を受ける応募者はお互いにパソコンまたはスマホなどのモバイルデバイスを用意して面接を進めます。
Web面接を行うには、無料のオンライン会議ツールを使う場合と、Web面接専用のツールを使う場合があります。Web面接ツールには採用活動に役立つ機能が多いため、今後Web面接を続けていく場合は、Web面接ツールの導入がおすすめです。
近年、Web面接を利用する企業は増加中です。なぜWeb面接を採用する企業が多いのでしょうか。その理由は、Web面接を実施するメリットの多さにあります。次に、Web面接を行うメリットをまとめました。
Web面接を行う7つのメリット
Web面接を行うメリットは、以下の7点です。
1 間口を広げることで優秀な人材発掘に繋がる
Web面接を実施すると、これまで応募してこなかった人材も応募しやすくなります。募集する企業の多くは大都市圏に集中していますが、地方在住の場合、交通費が負担となるためなかなか応募できません。逆に、現在大都市圏で働いているがUターンやIターンで転職したい場合も同様です。
また、仕事や学業などで忙しく、平日の昼間に面接の時間を確保できない人も、Web面接なら応募可能です。応募者数が増えることで、優秀な人材が発掘できる可能性も高まります。
2 面接の精度を上げることでミスマッチを減らせる
Web面接は手軽に実施できるため、応募者に何度も会場に足を運んでもらう必要がありません。そのため、本面接前にヒアリングの時間を設けたり、複数回に分けたりして、より効率良く精度の高い面接が可能です。
応募人数が多く面接の回数が多くなる場合は、数問のヒアリングのみ行うシンプルな事前面接を実施すると効果的です。事前面接によって応募者を絞り込み、面接の精度を上げられます。面接の精度が上がれば、採用した人材のミスマッチを防ぎ、早期退職や離職率低下を予防できます。
3 動画共有により面接の構造化や面接官の教育が可能
Web面接ツールの中には、面接状況を動画として保存・共有できる製品もあります。面接の状況を複数の採用担当者で確認して、採用可否の判断基準を共有することで、面接自体の構造化(構造化面接)も可能です。
構造化面接とは、面接の進め方・質問の内容・評価基準などをマニュアル化することです。Web面接に慣れていない面接官も、マニュアルに沿った面接ができ、見極めの精度を高めることができるようになります。
また、経験の浅い面接官が面接を自分で振り返ったり、先輩面接官のアドバイスを受けたりすることで、面接官の育成にも役立ちます。さらに、面接後に動画を共有して当日参加できなかった面接官や、遠隔地にいる現場社員に面接を確認してもらい、意見をもらうことも可能です。
4 応募者側にとって利便性が高い
Web面接は、応募者側にとってもさまざまなメリットがあります。1番のメリットは、移動時間が不要で、交通費・宿泊費もかからない点です。交通費がネックで応募をあきらめていた企業にも挑戦できるため、気になる企業の面接を数多く受けられます。
移動を気にする必要がないため、スケジューリングも容易です。さらに自宅ならリラックスした状態で面接ができるという点も、応募者側のメリットでしょう。
5 優秀な人材へいち早くアプローチできる
Web面接は、対面面接に比べて応募から面接までの時間を短縮できます。そのため、対面面接を行う企業に比べて、優秀な人材への迅速なアプローチが可能です。また、応募から面接までの期間が短いと、応募者の入社意欲が高い状態で面接ができます。そのため優秀な人材が入社する可能性も高くなります。
6 採用にかかるコスト削減
採用コストの多くは、Web面接実施によって削減できます。対面での採用活動には多大なコストが必要です。担当者の移動時間や会社説明会会場・面接会場の確保、応募者に交通費を出す場合は応募者の人数分の交通費など、多くのコストがかかります。
Web面接の場合は、移動コストや会場確保のコストは不要です。採用担当者は、移動や会場の心配をすることなく、応募者の面接管理に集中できます。
7 面接実施率の増加
Web面接の場合、対面面接よりも面接までにかかる時間が短いため、他社に先駆けて面接まで進めることができ、面接実施率が増加します。
また、対面面接の場合は交通機関の都合や当日の体調などの理由で直前にキャンセルとなるケースも少なくありません。Web面接の場合は、これらの理由によるキャンセル率は少なくなります。
このように、Web面接にはさまざまなメリットがあります。ただ、Web面接にはデメリットもあるため、次に見ていきましょう。
Web面接のデメリット4つ
Web面接には多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。どのようなデメリットがあるかを確認し、必要に応じて対応策を検討しましょう。
1 慣れないと難しい
Web面接のような非対面コミュニケーションは、慣れないと意外と難しく、応募者とうまくやり取りできない点には要注意です。Web面接では、応募者の様子を視覚で確認できます。ただし、微妙な表情や声のトーンなどは、画質や通信品質などの影響もあり、対面面接よりも伝わりにくいケースもあります。
Web面接を本格的に導入する前に、面接担当者は、Web面接の練習を何度か行って慣れておくなどの準備が必要です。
2 機器設定や通信のトラブル発生の可能性
Web面接はインターネット回線が必要です。機器設定や通信障害などのトラブルが発生すると、Web面接はできなくなってしまいます。Web面接の前には、接続確認を行い、問題なく通信できることを確認しましょう。
また、トラブル発生に備え、万が一Web面接が続行できなくなった場合の連絡手段を事前に決めておき、応募者と共有しましょう。また、応募者には通信環境のよい場所で面接をするように伝えてください。
3 応募者の表情や雰囲気が分かりづらい
Web面接時の画質が悪い、あるいは通信環境があまりよくない状態だと、応募者の表情や雰囲気、声のトーンなどが伝わりにくくなることがあります。その場合、非言語コミュニケーション(仕草や声の調子など、言葉以外のコミュニケーション)がうまくいかず、意思の疎通が難しくなります。
このようなデメリットをカバーするためには、構造化面接の導入などを検討しましょう。
4 社内の機密情報が漏れる可能性
Web面接を行う場合は、開催場所に注意しましょう。職場の自席で面接をすると、周囲にいる社員の声が漏れてしまい、社内の機密情報が漏れる危険性があります。Web面接の開催場所は、周囲に人がいない社内の会議室などを確保してください。
Web面接には、メリット・デメリット両方があり、対面面接とうまく使い分けることも重要です。具体的にどのように使い分ければいいかについて、次に見ていきましょう。
メリットを考慮したWeb面接と対面面接の使い分け
Web面接のメリットは、面接予約の取りやすさや多くの応募者と面接ができるなどです。一方、対面面接は応募者との深いコミュニケーションができ、社内の雰囲気を直接感じてもらえる点がメリットです。
両者のメリットを活かすには、Web面接を1次面接に、対面面接を2次面接に採用するのがおすすめです。1次面接は多くの応募者との面接が必要になるため、応募者の間口を広げられるWeb面接が向いています。2次面接は、応募者の人物を見極めやすい対面面接が適しています。
Web面接ならではのメリットを活かして効率的な採用を
Web面接には、場所や時間に制約されずオンラインで面接ができ、応募できる人が増えるなどのメリットがあります。ただし、インターネット回線がないと利用できないため、通信環境に注意し、トラブルが発生した場合の対策を共有しておくなどの事前準備が必要です。
Web面接のメリットを活かして、効率的に採用活動を進めましょう。Web面接には、専用の機能を多く提供するWeb面接ツールが必要です。自社に適したWeb面接ツールをお探しの場合は、ぜひ以下の記事もチェックし、比較検討にお役立てください。
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