大手VPNサービスとしては後発組ではあるものの、「同時接続デバイス数が無制限」という他社にない特徴を持つSurfshark VPN。
この記事では、Surfsharkの性能や各ネットサービスとの互換性など、より詳細な使い勝手を掘り下げてレポートします。また、実際のレビュー情報と併せて、Surfshark VPNの評判に関する口コミをTwitterから収集してまとめました。

Surfsharkがマッチするユーザー像、マッチしないかもれないユーザー像についても最後にまとめていますので、Surfsharkを検討している方はぜひ参考にしてください。
Surfshark VPNの基本情報
現在、Surfsharkは世界的なVPNサービス大手3社に数えられるレベルのブランドになりました。大手他社に比べやや遅れての参戦でしたが、インフラ整備にも力を入れ、サーバーロケーション対応やVPNサーバーの台数などについても充実したスペックを備えるようになっています。
また、冒頭でも触れた様に「同時接続可能なデバイス数が無制限」という、他社にない特徴も備えています。
まずは、Surfsharkが持つ強みや基本スペックについて確認しておきましょう。Surfsharkの特徴は、以下の通りです。
- 同時接続可能なデバイス数が無制限
- 潤沢なサーバー資源
- 長期契約で大幅な割引あり
- 優秀なサポート
同時接続可能なデバイス数が無制限
多くのVPNサービスは同時接続可能なデバイス数に制限を設けていますが、Surfsharkにはその制限がありません。
主要なVPNサービス | デバイス数 |
Surfshark | 無制限 |
NordVPN | 6台 |
ExpressVPN | 5台 |
ProtonVPN | 10台 |
MillenVPN | 10台 |

家族で複数のデバイスをVPN接続したいなど、接続台数を重視したい方にとってSurfsharkは非常にお値打ちなVPNサービスと言えるでしょう。
潤沢なサーバー資源
Surfsharkは後発組のVPNサービスですが、サーバーロケーションの面でもVPNサーバーのトータル台数の点でもトップクラスの潤沢なスペックを誇ります。
具体的なサーバー資源情報は、以下の通り。
サーバーロケーション | 100カ国対応 |
サーバー台数 | 3200台以上 |

多くのサーバーを支えるネットワーク側のバックボーンも十分に強力ですので、常に高い実効通信速度が期待できるスペックと言えるでしょう。
長期契約で大幅な割引あり
他のVPNサービスと同様、Surfsharkの料金体系も長期契約に対して大幅な割引が適用される形となっています。
かなりの割引率なので、年単位でVPNサービスの機能を必要とする方は長期プランの検討がお得です。
優れたサポート
対応言語が英語という点は弱点ですが、サポートの質自体は非常に良好という点もSurfsharkの特徴です。
技術的に明るいスタッフが初期からきちんと対応してくれますので、問題解決までの時間や手間を節約可能。英語が苦手な方も、Google翻訳を使えば問題なく意思疎通が可能です。
【実機レビュー】速度は?Surfshark VPNの使用感を口コミ
ここからは、実際にSurfsharkを契約し、利用して感じた使用感をレポートしていきます。

サービスの申し込みからPCやスマホへのセットアップについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
この記事では、速度測定サイトでの実効通信速度の実測データ、各種サブスク動画サービスの互換性、その他のネットサービスなどの使い勝手をまとめます。
主要なネットサービスはすべてストレスなく利用可能
SurfsharkのVPN接続をした状態で代表的なネットサービスを利用してみたところ、いずれも全く問題なく利用可能でした。
普段使いするメジャーどころのサービスはすべて問題なく使えました。使用感にも全く問題はありません。
「表示や各種機能利用の際のレスポンスに引っかかりを感じる」などの違和感は、一切覚えませんでした。クラウドストレージの同期の速度、レスポンスなどにも特に問題を感じさせない速さです。

これらの使用感は、高い実効通信速度とVPNサービスの遅延が極めて小さいおかげと考えられます。
実効通信速度の実測値と遅延の程度
ブロードバンドスピードテストにて、実効通信速度と遅延(Ping値)を計測してみました。
まず、VPN通信を切った状態での素の通信速度は以下の通りです。フレッツ光1Gbpsの回線でIPv6接続を行なっており、午前中など空いている時間帯には下り700Mbps程度の数字が出ます。
これに対し、SurfsharkのVPN通信を有効化した状態での数値が、こちらです。
上りも下りも200Mbps前後の数字です。
夜の混雑しがちな時間帯でも下りの数値はやはり200Mbps程度の数字を示したため、Surfsharkでは上下方向とも200Mbps程度で速度制限をかけているのかもしれません。
ただ、速度を規制していると言っても「200Mbpsは十分に高速」な値で、ほとんどの場合クラウドストレージと大容量のデータの同期を取るにも十分なスペックだと言えます。
遅延も小さいことから、「最速サーバーを自動選択クイックコネクト」にしている限り、VPN通信を行なっていることが原因で使い勝手が落ちるシーンはまずないでしょう。
速度を制限することについて悪い印象を持たれる方もいるかもしれませんが、「QoS(Quality of Service)」のコントロールという意味では実はとても大切な要素です。

できるだけ多くのユーザーが「公平に」高いレベルのサービスを受けられるようにするには、避けては通れないポイントだからです。
VODサービスの接続状況
Surfsharkと動画配信サービス各社との互換性については、他の大手VPNサービスとほぼ同等のレベルになっています。完璧ではありませんが、大メジャーどころのVODサービスは問題なく視聴が可能でした。
また、海外のロケーションを指定することでNetflixの海外版を視聴することもできましたので、「日本にいながらジブリの動画を視聴したい」「YouTubeプレミアムを割安な海外価格で契約したい」といった目的での利用にも適しています。
ただ、やはりチェックが極めて厳しい「dアニメストア」は視聴NGでした。
とはいえ、dアニメストアのチェックを抜けられたVPNサービスは、ここまでチェックしてみた中ではMillenVPNだけですので、この結果をもって「VODサービスとの互換性に難あり」とするのはフェアではありませんね。
サービス名 | 可否 |
Amazonプライムビデオ | OK |
Hulu | OK |
Netflix | OK |
dアニメストア | NG |
動画配信サービスの視聴可否状況については、一般的なVPNサービスと同等と言って良いでしょう。
Surfshark VPNのネット上の評判
続いては、Surfsharkを実際に利用した方たちのTwitter口コミ情報をご紹介します。

まだVPNサービスを使うユーザーの絶対数が少ないためか口コミ自体が少なめなのですが、いくつかの特徴的な意見からSurfsharkの評判が垣間見える結果となりました。
好意的な口コミ
まずは、好意的な口コミを2つ紹介します。
国外版のアニメで語学学習
スペイン語の勉強にスペインのネトフリでポケモンみたくてVPN探してました
ゆる言語学ラジオでSurfsharkを知ったのでそこにしました
とても良さげ pic.twitter.com/Bh8NIUlRIM— momo ???? (@pokemomo5) October 1, 2022
外国の方たちが日本のアニメで日本語の勉強している話はよく耳にしますが、日本人が逆のパターンを使うのもとても有効なやり方です。吹き替え版なら、真っ先に「耳が鍛えられ」ますしね。
実際、著者も英語の海外ドキュメンタリー番組を字幕放送で延々見ていたら、TOEICのヒアリング点数がどーんと上がった経験があります。
興味のあるジャンルで、一部でも耳になじみのある単語が出てくる番組なら、より効果的な英語学習ができるかもしれません。

こういった使い方にも、Surfsharkはマッチします。
サポートの良さ
Surfsharkのサポート、レスポンス早いし絵文字モリモリでテンション高いし最高だった
— たいやき (@tai86yaki) September 29, 2022
著者も申し込みの決済時にちょっとしたトラブルがあり、実際にSurfsharkのサポートを体験する機会がありましたが、サポートスタッフの優秀さは特筆して良いポイントだと思います。「さすがプロ」といった感じで、非常に明確にチェックすべきポイントなどを指摘してくれました。

英語対応が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、前述したようにGoogle翻訳を利用すれば十分に意図が通じますので、不明点があればぜひサポートを利用してみてください。
不満を感じる口コミ
好意的な口コミがある一方で、以下のようなネガティブな口コミも見られました。
楽天VikiがVPNサービスにアクセス制限
コスト的にSurfSharkのVPNにしたんだけど、結構エラーが出る??
30日返金期間あるから他VPNも試してみようかな??— Riengsoo0112 (@riengsoo0112) October 4, 2022
Vikiは楽天が手がける動画配信サービスですが、うまく視聴できないケースがあるようです。
動画配信サービスとの相性はVPNサービスにつきものと言って良い弱点ですので、Vikiが必須のユーザーは他のVPNサービスを検討した方が良いかもしれません。また、Surfsharkのサポート経由で改善要請をあげるのも良いでしょう。
中国からの接続が完全とは言えない
こちらはTwitterの口コミで特に目立つものではないのですが、今のSurfsharkは中国からのVPN接続を苦手にしているようです。
中国からのネットアクセスの制限は年々厳しさを増していて、以前「中国からの接続に強い」とされていたVPNサービスでも接続が怪しい状況が増えてきました。Surfsharkもそういった状況に飲まれている感触があります。

中国からのVPN接続におすすめのサービスはこちらの記事で紹介していますので、興味がある方はぜひご確認ください。
口コミから伺えるSurfshark VPNの評判
ここまでTwitterの口コミをご紹介してきましたが、総じてSurfsharkの評判は良好で、不満を訴える口コミの数は多くありません。
基本的に、多くのサービスや製品の口コミは悪いものがメインになります。「期待通りに動いている」「予想より良かった」というケースでは多くのユーザーは何も言わないものですから。
悪い口コミの少なさ、あるいは口コミ自体の少なさも、そのサービスの質の良さの証と考えて良いでしょう。

そんな口コミの中から、Surfsharkの評判の中でも特徴的なポイントを2つまとめてみました。
速度については概ね好評
SurfsharkのVPN通信を有効化した状態での通信速度は、ネットの口コミ情報でも高評価をする人がある程度存在しました。実用上十分な速度が出ており、極端な速度低下などにぶつかるユーザーはほとんどいないようです。この点において、ネガティブなコメントはほとんどありませんでした。
この結果は、多くのユーザーを抱えながらも安定してある程度の速度での通信を保証するために、Surfsharkが上手にQoSのコントロールを行なっている証でもあるでしょう。
特定の動画配信サービスに接続できない不満も
SurfsharkのVPN通信を有効化した状態でも、多くの動画配信サービスはそのまま利用できます。VPNサービスとして一般的なレベルの互換性があると考えて良いでしょう。
ただ、やはりすべてのサービスに対応可能なわけではなく、一部のサブスクVODサービスには海外からのアクセスと判断されてしまい、接続・視聴できないケースも出ているようです。

Surfsharkには30日間の返金保証期間が設定されていますので、まずは契約している動画配信サービスが問題なく視聴できるかを、確認してみてはいかがでしょうか。
使って分かったSurfshark VPNのメリット・デメリット
実際にSurfshark を利用し、ネット上の口コミ・評判を確認したうえで、改めてSurfsharkの持つ強みと弱みをピックアップしてみました。
Surfshark VPNのメリット
まずは、Surfshark VPNのメリット、強みを2つです。
高速性
著者が特筆して「良い」と感じたのは、その高速性です。
QoSのコントロールをかけているようにも見えるのですが、その上限は少なくとも200Mbpsはあり、一般的なネット利用で困るシーンはほぼ存在しないと考えて良いでしょう。大容量データの転送にも問題なく使える速度です。
利用人数が大幅に増加するネットのゴールデンタイムの「22時前後」にテストしても、上り転送速度は180Mbps以上を記録。まったく問題のない性能を示しました。QoSをかけているとしたら、その意味がしっかりある結果です。
(比較的)高いVODサービスとの互換性
サブスク動画サービスとの相性は他の大手VPNサービスと同レベルで、メジャーどころのVODサービスは基本、何も工夫などをすることなく視聴可能です。
サーバーロケーションを海外に指定すれば、海外向け作品の視聴も対応できるようになっています。
Surfshark VPNのデメリット
次に、Surfsharkのデメリット、弱点となりうるポイントについてです。
中国からの接続に弱い
中国からの接続については多くのVPNサービスに共通する弱点となりつつありますが、Surfsharkもその例に漏れない状況になっているようです。
中国当局によるVPNサービスへの規制が強化され続けているため、中国国内から海外にVPNの接続を作ることが段々と難しくなっています。
Surfshark VPNはこんな方におすすめ
Surfsharkは、基本的にどんな方にも安心しておすすめできるVPNサービスです。
最速サーバーで接続している限り実効通信速度も十分に高速で、どんなネット利用にもマッチする性能を発揮してくれます。長期契約をすれば月あたりの単価も安くなり、コスパも良好です。
また、スプリットトンネリング技術(特定のサイトへのアクセス時にはVPN接続を行わない技術)の採用で、VPN通信が悪影響を及ぼすサービスも完全に影響を回避する手段が準備されています。
そんな中でも特におすすめと言えそうなユーザーは、やはり「海外限定のネットサービスを日本から利用したいユーザー」「日本限定のサービスを海外の出先から利用したいユーザー」ということになると思います。
こんな方には向いてないかも
中国国内から日本のネットワーク、中国以外のネットワークにVPNを経由して接続したいユーザーには現段階ではSurfsharkは少々おすすめしにくい状況になっています。
また、特定のVODサービス、例えば楽天Vikiやdアニメストアを海外から利用したいユーザーも、Surfsharkは適さないかもしれません。

ただ、この辺りの状況は常に変化する可能性があります。
最新の情報のチェックもお忘れなく。
まとめ
Surfsharkを実際に利用した使い勝手、ならびにTwitter上の利用者の声をまとめ、Surfsharkの強みと弱みについて検証してきました。
結論としては、実効通信速度も十分で遅延も小さく、サブスクの動画配信サービスとの互換性も一般的なレベルで十分だと思います。
同時接続可能なデバイス数は無制限ですし、料金についても他のVPNサービスと比べてややリーズナブルな設定と、各方面に穴がなく使いやすいVPNサービスです。
中国からの接続にやや弱い、サポートで日本語対応がないなど一部弱点もありますが、弱点のある程度の割合は他のVPNサービスとも共通する内容となります。接続の安定性なども上々ですから、VPNサービス導入を検討する際にはぜひSurfsharkもチェックしてみてください。