「駐車場経営を始めたいが、経営は初めてなので利益が出るか不安」「利回りの計算が大切と聞いたけれど、どうやるのかわからない」などとお悩みの方も多いのではないでしょうか?
駐車場経営に限らず、土地活用を行うなら利回りの計算が不可欠です。利回りを計算することで収益を予想したり、経営状況が適当であるかを推察したりすることができます。
利回りを知ることは、駐車場経営成功の大きなアドバンテージとなるでしょう。
本記事では、駐車場経営における利回りを徹底解説します。利回りの基礎知識や相場だけでなく、実際に例を挙げて計算シミュレーションも行います。
経営が初めてという方にもわかりやすいように、駐車場経営の基本的なところから利回りを高くするコツまで解説するので、ぜひお役立てください。
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駐車場経営には2つの種類がある
まず、駐車場経営について基本的な知識を身に付けましょう。駐車場は大きく月極駐車場とコインパーキングの2種類に分けることができます。以下はそれぞれのメリット・デメリットを表したものです。
駐車場の種類 | メリット | デメリット |
月極駐車場 |
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コインパーキング |
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このように、特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分の土地や投資目的に合うほうを選択することが大切です。それでは、2種類の駐車場について詳しく解説します。
月極駐車場
月極駐車場は期間を決めて利用者と契約を結び、月ごとに賃料を得ることができます。契約者がいれば、毎月安定した収入が賃料として得られるため、収益計算や計画を立てやすいです。ただし、契約者が現れなければ収入がゼロになるというデメリットも抱えています。
また、コインパーキングに比べて初期投資額が抑えられる点もメリットです。大がかりな舗装工事や精算機といった機械が必要ないため、初期費用を節約したいなら月極駐車場経営をおすすめします。すでに土地を持っているなら、数十万~100万円程度で始めることも可能です。
ただし月極駐車場には自走式と機械式があり、機械式の場合は比較的多額の初期費用が必要です。機械式とは、機械で利用者の入出庫を管理する駐車場のことで、自走式は利用者や管理人が自身で管理するため、セキュリティ面に不安が残ります。
防犯対策が取られていない月極駐車場では、不正利用が行われる恐れがあります。契約者のいない駐車スペースに車を勝手にとめられたり、別の契約者のスペースに無断で駐車されたりすると、トラブルに発展するかもしれません。よって定期的に見回りに行ったり、防犯カメラ等の防犯機器を設置したりするなどの対策が必要でしょう。
コインパーキング
コインパーキングは、一時的な利用者をターゲットにした駐車場です。時間ごとに料金を設定して駐車料金を収入にします。精算機や車をロックするフリップ板といった設備が必要になり、初期費用がかかることはデメリットです。土地の大きさや導入する機材にもよりますが、自分で初期費用を負担すると300万円以上かかるといわれています。
ただし機械で管理するため、安全性が高いというメリットも得られます。また、料金の管理や入出庫の確認は機械が行うため、管理も比較的楽です。
さらに、ニーズがあれば稼働率が高くなり、月極駐車場よりも高い収益を得られる可能性があります。ただし稼働率を上げるためには定期的な市場調査が必要です。
周辺環境や近隣のコインパーキングの価格をチェックして、その土地の需要を満たしているか知らなければ、高い稼働率は見込めないでしょう。
駐車場経営の基本知識について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
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駐車場経営に重要な2つの利回り
そもそも利回りとは、投資額に対して得られた利益の割合のことです。1年間の割合を示すことが一般的で、その数字が大きいほど利益が大きいと考えられます。ただし利回りが高くても、初期投資額が小さければ利益も小さくなるため注意しましょう。
利回りにはさまざま種類がありますが、駐車場経営に重要なのは表面利回りと実質利回りの2つです。
表面利回り
表面利回りは、単純に利益の割合を知りたいときや駐車場経営の広告に使用されます。計算式は次の通りです。
表面利回り(%)=満車時年間賃料÷初期投資額×100
土地を購入するところから経営を始めるなら、この初期投資額に土地価格も含まれます。この計算で、かける初期費用でどれほどの収入が得られるかを判断することができます。
購入する土地を選ぶときや、駐車場経営を行うかの大まかな判断をするときなどに利用しましょう。
実質利回り
実質利回りでは、表面利回りよりも実際の収益に近い数字を導くことができます。計算式は以下の通りです。
実質利回り(%)=(年間賃料ーランニングコスト)÷初期投資額×100
このように、実質利回りでは年間で得る賃料や初期投資額のほかに、経営にかかる費用を含めて計算します。
ランニングコストは、経営方法や設置する機器によっても変わるため、経営者ごとに大きく異なる要素です。経営状況を判断する際や駐車場経営をするかどうかの判断には、ぜひ実質利回りを使いましょう。
駐車場経営の初期費用とランニングコスト
利回りの計算に使用する駐車場経営の初期費用とランニングコストをまとめました。
初期費用 | ランニングコスト |
|
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精算機やフラップ板の設置費など、月極駐車場かコインパーキングかによっても費用は異なります。
駐車場の管理を業者に任せない場合は、管理委託手数料はもちろんかかりません。
しかし、土地を貸し出して経営から管理までを任せることで、舗装や機材の設置といった初期費用を負担してくれる管理業者もあります。初期費用とランニングコストのバランスを考えながら、経営方針を決めましょう。
土地購入して駐車場経営を始めることについて、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
駐車場経営の利回り相場
実際に、駐車場経営はどの程度の利回りが期待できるのでしょうか?
月極駐車場の場合は表面利回りで5~15%、コインパーキングの場合は15~30%が相場といわれています。表面利回りで考えると、コインパーキングのほうが利回りが高く、利益が出やすいことがわかります。
ただし表面利回りはやや正確性に欠ける計算方法で、稼働率やランニングコストを含めていないため、実際の収益と大きな差が出る可能性があります。
実質利回りで見てみると、月極駐車場もコインパーキングも4%程度が相場です。つまり初期投資額が高いコインパーキングのほうが、高い利益が出ることが予想されます。
ここで気をつけたいことは、土地によって利回りが変化するという点です。駐車場を必要とする地域かどうかや近隣の駐車料金の相場、土地の価格はエリアによって大きく異なります。現地調査を行い、経営を計画しているエリアの相場価格をヒントにシミュレーションすることが大切です。
駐車場経営の利回りシミュレーション
それでは、実際に駐車場経営の実質利回りの計算をシミュレーションしてみましょう。エリアや土地の広さも考慮して、月極駐車場とコインパーキングの2パターンで計算します。
月極駐車場
次の土地で月極駐車場を経営する場合の実質利回りを見てみましょう。
所在 | 土地の価格 | 初期諸費用 | 土地の広さ | 月額賃料 | 駐車スペース | 稼働率 | 管理方法 |
大阪市内 | 1,480万円 | 100万円 | 60平方メートル | 40,000円 | 4台 | 80% | 管理委託方式 |
利回りの計算はややこしくなりがちなので、次のような手順で行うことをおすすめします。
- 初期投資額を求める
- 年間賃料を求める
- ランニングコストを求める
- 式に当てはめて利回りを計算する
順番に計算していきましょう。
初期投資額を求める
大阪市都市計画局の「令和2年都道府県地価調査調査について(大阪市)」によると、住宅地の平均価格は1平方メートルあたり24万7,000円なので、60平方メートルのこの土地は1,480万円と設定しました。
大阪市の平均的な住宅地の土地なら、1,480万円ほどの費用が必要だと考えてよいでしょう。
月極駐車場を経営するためには、次のような費用がかかります。
費用 | 相場 |
砕石敷き | 3,000円/平方メートル |
アスファルト舗装 | 5,000円/平方メートル |
コンクリート舗装 | 8,000円/平方メートル |
ライン引き | 60,000円/5台 |
駐車番号表記 | 700円/枚 |
車止めブロック | 3,500円/個 |
歩道縁石の切り下げ工事 | 50万円 |
舗装や切り下げ工事の有無で、初期費用は増減します。今回はこの費用を100万円とし、初期投資額は1,580万円として計算しましょう。
年間賃料を求める
次に、年間賃料を計算します。大阪市内であれば、近所に住む人や近隣オフィスに通勤する人の駐車スペースとして、月極駐車場の需要が十分に見込まれます。稼働率は年間80%として考えましょう。
月額賃料は1台あたり40,000円でスペースは4台、稼働率は80%なので年間の賃料は次の通りです。
年間賃料=40,000円×4台×12ヶ月×80%=153万6,000円
ランニングコストを求める
続いてランニングコストを計算します。ランニングコストの主なものとして管理委託手数料、固定資産税、住民税、所得税を扱いましょう。
まず管理を業者に委託する場合には、管理手数料は利益の5~10%が相場です。今回は年間管理手数料が5%の76,800円として計算しましょう。
続いて、固定資産税は土地価格の7割に税率1.4%をかけると次のように概算できます。
固定資産税=1,480万円×70%×1.4%=14万5,040円
住民税や所得税は所得額に応じて計算されます。固定資産税や管理費は経費として所得から差し引くことができるので、この場合の所得はおおよそ131万円です。
住民税は、控除額を考えなければ所得に10%をかけることで計算できます。また、それに追加して地域により均等割額が課せられます。大阪市の均等割は5,300円(2023年4月時点)です。つまり、このケースの場合、住民税は13万6,300円程度とわかります。国税庁「所得税の税率」(2023年4月時点)によると、所得税の税率は5%になるので65,500円程度です。
つまり、ランニングコストはこれらを足しあわせ、おおよそ42万3,640円と概算できました。
式に当てはめて利回りを計算する
最後に、以上を実質利回りの式に当てはめて計算します。
実質利回り(%)=(153万6,000円ー42万3,640円)÷1,580万円×100=おおよそ7%
このケースでは、実質利回りが7%と相場よりも高い結果となりました。ただし、これ以外にも初期費用やランニングコストがかかる可能性があるので、計算したからといってこの通りになるとは限りません。
コインパーキング
続いて土地の所在や価格は同様で、コインパーキングを経営する場合の実質利回りを計算してみましょう。土地や駐車場の情報は以下の通りです。
所在 | 土地の価格 | 初期諸費用 | 土地の広さ | 料金設定 | 駐車スペース | 稼働率 | 管理方法 |
大阪市内 | 1,480万円 | 300万円 | 60平方メートル | 300円/時間 | 3台 | 30% | 管理委託方式 |
初期投資額を求める
土地の価格は月極駐車場の例で解説した理由で、1,480万円と仮定します。コインパーキングの経営は、月極駐車場よりも機材の導入など、初期費用が高額になりやすいです。具体的には以下のような費用がかかります。
費用 | 相場 |
精算機 | 40~50万円/台 |
ロック板 | 10万円/台 |
看板・照明 | 15~20万円 |
設置・施工費 | 50万円~ |
上記以外にも、月極駐車場で紹介したような舗装費や工事費がかかります。土地の広さや導入する機材にもよりますが、300万円程度が相場といわれています。
今回は、相場の300万円が初期費用としてかかると考え、土地価格とあわせて初期投資額は1,780万円として計算していきましょう。
年間使用料金を求める
続いて、年間の使用料金を求めます。コインパーキングは時間制で料金を設定するため、1時間使用した場合の料金に24時間と365日をかけあわせて計算します。
年間使用料金=300円×3台×24時間×365日×30%=236万5,200円
同じ土地であっても、年間の収益が月極駐車場よりも高いことがわかります。
ランニングコストを求める
固定資産税は14万5,040円、住民税は13万6,300円程度、所得税は65,500円程度で月極駐車場と同様なので、計算を省きます。
管理委託手数料は売り上げの10%で計算してみましょう。
管理委託手数料=236万5,200円×10%=23万6,520円
またコインパーキングの場合は、このほかにも機材のメンテナンス費がかかります。一般的には駐車スペース1台あたり3,000~5,000円程度です。今回は1台あたり4,500円かかるとして計算します。
メンテナンス費=4,500円×3台×12ヶ月=16万2,000円
これらを全てあわせると、ランニングコストは74万5,360円です。
式に当てはめて利回りを計算する
最後に上記で導いた数字を式に当てはめて計算します。
実質利回り(%)=(236万5,200円ー74万5,360円)÷1,780万円×100=おおよそ9.1%
実際には、コインパーキングは時間帯によって料金を変更したり、最大料金を設けたりすることが一般的です。その場合は、さらに細かい計算が必要でしょう。上記はあくまで目安として参考にしてください。
このように、順番に計算すれば利回りを求めることができます。すでに土地を持っている場合は土地の購入費がかからないため、初年度から高い稼働率を確保できれば、さらなる高利回りも夢ではありません。
駐車場経営の利回りを高くするコツ
利回りを高くして、利益を得るためにはどうすればよいでしょうか。こちらでは、駐車場経営の利回りを高くするコツとして、以下の4つのポイントを解説します。
- 土地選びは慎重に行う
- 初期費用やランニングコストを節約する
- 地域の相場に合わせた料金を設定する
- 実績がある管理業者を選ぶ
土地選びは慎重に行う
駐車場経営をするために土地を購入するなら、土地選びは特に慎重に行いましょう。土地選びの際には、次のような特徴を持っているかどうかを判断基準にすることをおすすめします。
駐車場の種類 | 向いている土地 |
月極駐車場 |
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コインパーキング |
|
また車の出入りがしやすいように、前面道路の幅員や土地の広さや形も重要です。自分がとめたいと思う駐車場かどうかを基準に選ぶとよいでしょう。
すでに土地を持っている場合でも、上記のような特徴に当てはまる土地かどうかを見極める必要があります。当てはまらないようであれば、駐車場以外の活用法のほうが向いているかもしれません。
おすすめの土地活用法10選を紹介した次の記事もぜひご覧ください。
土地なしでの駐車場経営について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
初期費用やランニングコストを節約する
初期費用を節約することで利回りを高くすることができます。初期費用の節約方法としては、次のようなものがおすすめです。
- 月極駐車場は砕石敷きで舗装費用を抑える
- 安い土地を選ぶ
- 土地価格の値下げ交渉をする
- 仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ
- 管理業者に交渉して負担してもらう
- 管理委託手数料が安い業者を選ぶ
ただし無理な値下げ交渉や費用負担の交渉は、信用を欠いてしまう恐れもあるため気をつけましょう。安いからといってサービスを比較せずに業者を選ぶと、トラブルに巻き込まれたり不当な金額を別に請求されたりする恐れもあります。料金に見合ったサービスかどうかを、きちんと確認することが大切です。
駐車場経営の始め方について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
地域の相場に合わせた料金を設定する
駐車場が安定して利用されるためには、地域の相場に適した料金に設定することが大切です。相場よりも高い金額を設定すると、利用者が安いほうに流れて稼働率が下がってしまいます。
また、相場より安くすれば利益が上がるというわけでもありません。単価が安くなって収益が下がるだけでなく、ほかの駐車場と価格競争が起こり、初期投資額に見合わない利益しか得られなくなる恐れがあります。
地域の相場を調べるなら、まずは周辺地域の駐車場がいくらで貸し出しているかを確認しましょう。付近の人気の駐車場の料金設定は特に参考になります。
また、周辺の商業施設の専用駐車場の稼働具合も調べておくとよいです。もし満車が多く、駐車に困っている人がいると予想できれば、自分の駐車場に利用者が流れてくる可能性が高くなります。
駐車場経営の儲けるコツについて、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
実績がある管理業者を選ぶ
管理を業者に委託するなら、必ずサービスや料金を比較して実績ある管理業者を選びましょう。
管理を委託すると、毎月の利益の5~10%を渡すことになります。同じ料金を支払っていても、定期的に見回りや管理をしてくれる業者と、機材が壊れたときに連絡しなければやってこない業者とでは、得られる効果が大きく異なるでしょう。
業者次第で収益が変わるといっても過言ではありません。
管理業者が信頼できるか否かは、次のようなポイントで判断しましょう。
- 定期的に見回りをしてくれるか
- 想定よりも稼働しない場合の対策があるか
- さまざまなプランを提案してくれるか
- サポート体制が整っているか
- サービスに見合う料金設定か
- 料金内訳が明瞭か
1社で判断せずに、複数の業者に見積もりを依頼して、サービスやサポート体制を比較すると安心です。
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駐車場経営のメリット
続いて、駐車場経営にはほかの土地活用法と比べ、どのようなメリットがあるのかを解説します。今回紹介するのは次の4つのメリットです。
- 初期費用が安い
- 管理がしやすい
- ほかの活用法へ転用しやすい
- 土地に難があっても活用できる
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
初期費用が安い
駐車場経営は、初期費用が比較的安く済むことで人気の高い土地活用法です。月極駐車場なら数十万円から投資が可能で、比較的高額になるコインパーキングでも300万円程度で済みます。
アパートやマンションを建てるとなると、1,000万円以上の投資額が必要で土地活用のためにローンを組むことも多いです。駐車場経営であれば手持ちの資金で支払える場合も多く、始めやすい土地活用といわれています。
「使っていない土地を活用して収入を得たいが、ローンを組むのには抵抗がある」「固定資産税を支払い続けるだけではもったいないので、できるだけ費用をかけずに活用したい」といった方にはメリットが大きいでしょう。
駐車場経営の初期費用について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
管理がしやすい
駐車場経営はほかの土地活用法と比べ、管理がしやすいことも魅力です。駐車場経営に必要な管理業務として次のようなものが挙げられます。
- 料金の徴収や回収
- 宣伝、広告
- 定期的な見回り、清掃
- 機材の点検、メンテナンス
さらに、管理業者に委託することで自分で行う業務はほとんどなくなります。管理委託手数料も、マンションやアパートの管理に比べれば安くて扱いやすい土地活用法といえるでしょう。
また、管理を委託することでトラブルを防ぎやすくなります、駐車場経営のトラブルについてはこちら記事を参考にしてください。
ほかの活用法へ転用しやすい
駐車場経営は一般的に建物を建てないで行うため、ほかの用途へ転用しやすいというメリットがあります。
建物を建てるとなると、建物を崩す取り壊し費や建築費が新たにかかってしまいます。駐車場なら、機材を撤去すれば更地にすることは容易です。
もしも駐車場の経営がうまくいかずに立ちいかなくなった場合も、ほかの用途に作り替えることができます。
月極駐車場の場合は、契約者に1~3ヶ月程度の猶予を持って通知すれば駐車場をやめることができますが、通知期限は契約時の内容によって異なるため気をつけましょう。なおコインパーキングの場合は、そうした定めはありません。
土地に難があっても活用できる
狭い土地や特殊な形状の土地であっても、駐車場なら経営することができる可能性があります。
車1台あたりに必要なスペースは15平方メートル程度です。土地に難があっても、車が十分に駐車できるスペースがあれば経営することができ、スペースの配置次第で有効に活用できるでしょう。
さらに狭い場合や変形地の場合は、バイクや自転車の駐輪場として利用することもできます。
ただし、車がすれ違えるようなスペースや出入りしやすい幅がなければ、利用者が使いにくい駐車場になってしまいます。そのため稼働率をあげたいからといって、無理に配置することは避けましょう。
土地活用としての駐車場経営について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。
駐車場経営のデメリット
駐車場経営で得られるのはメリットだけでなく、もちろんデメリットも存在します。よい点ばかりをみるのではなく、欠点も含めて考えて駐車場経営をすべきか判断しましょう。ここで紹介するのは次の2つのデメリットです。
- 税金の負担が多い
- 収益性が低い
それぞれ深掘りしていきましょう。
税金の負担が多い
駐車場経営はほかの土地活用法に比べ、節税効果が低いというデメリットがあります。
たとえばマンションやアパート経営では、更地にしているよりも固定資産税が安くなるというメリットが得られます。最大で6分の1に負担が軽くなるため、節税効果はかなり高いです。一方で駐車場の場合は、こうした軽減措置を得られないだけでなく、空き家を取り壊して駐車場にすると固定資産税が6倍になる可能性もあります。
また、土地活用の節税方法のひとつである減価償却も、駐車場経営にはあまり効果がないとされています。減価償却とは資産のうち、経年や使用によって劣化していく部分について、毎年の経費として計上できる仕組みのことです。駐車場経営で減価償却費として計上できるのは、精算機やロック板などの機器やフェンスといった比較的安いもののみで、計上できる期間も短いです。
ただし駐車場の近くに建物を建築し、建物の一部として認められることで軽減措置を受けられることもあります。また、アスファルト舗装することで相続税の負担が軽減されることもあり、工夫次第で負担を減らすことも可能です。
駐車場の固定資産税について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
収益性が低い
駐車場経営においては、建物を建てずに一面のみで収益を得ようとするため、高さを活かした土地活用法に比べて収益が低いです。
確かに、アパートやマンションを経営するためには、建物を建てる費用など高額の初期投資額が必要ですが、その分土地一つで得られる収益は倍以上です。
一方駐車場経営は、初期投資額が少ない代わりに収益も低いことが特徴で、土地活用で得た収入で生活したいと考えている人には向いていません。
あくまで「副業として活用したい」「土地を放置するくらいなら活用したい」という方におすすめです。
まとめ
駐車場経営には利回りの計算が大切だといわれています。利回りを理解することで、本当に自分の土地が駐車場経営に向いているのかや、このままの料金設定で経営を続けていていいのかなど、経営を考える道しるべになるでしょう。特に実質利回りは、実際の収支状況を整理することにも利用できるため、ぜひ覚えておきた計算方法です。
利回りを計算するなら、初期費用やランニングコストを正確に把握しましょう。必要な機械や備品は経営者によって異なります。自分が経営するなら、どういった費用がかかってくるのかを予想することで、実際の経営により近い数字を導くことができます。そうして導いた数字は、経営を成功させるヒントとなることでしょう。
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・https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001411696.pdf
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