事故物件の売却ガイド|高く売る方法と注意点を徹底解説

「事故物件を売りたいけど、どうすればいいかわからない…」「相場より安くなると聞いたけど本当?」そんな悩みを抱えていませんか?

事故物件は通常の不動産と比べて売却が難しいと言われていますが、適切な方法を取れば、納得できる価格で売却することは可能です。

本記事では、事故物件の基礎知識から売却方法、注意点、成功のポイントまで詳しく解説します。事故物件の売却を成功させるために、ぜひ最後までお読みください。

目次

事故物件とは?売却前に知っておきたい基礎知識

まず、事故物件とは何かを理解することが重要です。  

売却時には買主に説明する義務があるため、しっかりと定義を把握しておきましょう。

告知義務のあるもの

国土交通省のガイドラインでは、以下のような事案は告知する必要があると定められています。

  • 自殺や他殺が発生した物件
  • 孤独死があった物件(発見までに時間がかかった場合など)
  • 火災や自然災害による死亡事故が発生した物件

これは宅地建物取引業法の「重要事項説明」に関連し、心理的瑕疵のある事実を隠して売却することはできません。売却時には、法律に従った適切な告知を行いましょう。

引用:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

告知義務のないもの

国土交通省のガイドラインでは、以下のような事案は告知する必要はないと定められています。

  • 病死・老衰による自然死
  • 発見が早く、特殊清掃が不要な孤独死

ただし、社会的に大きく報道された事件(過去に有名な事件があった物件など)は、時間が経過しても買主の判断材料になり得るため、告知が求められることがあります。

告知が必要かどうかの判断はケースによって異なり、個人では判断が難しいこともあります。不安な場合は、不動産会社や宅地建物取引士などの専門家に相談してみましょう。

引用:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

事故物件の売却は可能?市場の相場を解説

事故物件の売却は可能ですが、市場では通常の物件よりも買い手が見つかりにくいという現状があります。これは、心理的な抵抗や資産価値の低下が影響しているためです。

一般的な相場として通常物件と事故物件を比較した場合、孤独死や自然死の場合は10~20%自殺の場合は20~30%殺人などの事件の場合は30~50%程度の割引が必要となると言われています。

しかし、立地や建物の状態によっては、事故物件であっても通常の市場価格に近い価格で売れることもあります。

また、近年では「事故物件専門の買取業者」や「投資目的で事故物件を購入する人」も増えており、適切な売却戦略を立てればスムーズに手放すことができるでしょう。 

事故物件を高く売るためのポイント

事故物件をできるだけ高く売るためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

1. 事故の内容や告知義務を正確に理解する

売却時には、事故の内容を正しく伝える必要があります。隠して売却すると「契約不適合責任」が発生し、後でトラブルになる可能性があるため注意しましょう。

2.事故物件専門の買取業者を利用する

通常の不動産会社では事故物件の取り扱いに消極的ですが、事故物件専門の買取業者なら積極的に買い取ってくれます。 

専門業者はリフォームや再販のノウハウを持っているため、比較的高値で売却することもできます。

◆主な買取業者一覧

業者名事業運営年数主なサービス内容特徴
株式会社イエステーション20事故物件の買取、リフォーム後の再販売、相続物件の買取全国展開しており、リフォーム後に再販売する事例も多数
株式会社アパートマン15事故物件の買取、リノベーション、賃貸管理業務事故物件を含む不動産全般に対応、即金買取が可能
株式会社オウチーズ10事故物件買取、リノベーション、引越しサポート全国対応、リノベーション後の転売も積極的に行っている
株式会社スマイルライフ10事故物件、空き家の買取、遺品整理サービスも提供短期間での買取が特徴、親身な対応が評判
株式会社マイホーム12事故物件の買取、即金での買取対応即時査定と早急な手続き対応が強み

サービス内容や特徴をもとに、安心できる買取業者に相談してみましょう。

関連記事

3.リフォームやクリーニングを実施する

事故物件であっても、見た目が綺麗であれば購入希望者の心理的な抵抗を減らすことができます。  

特に、内装のリフォームやハウスクリーニングを行うことで、売却価格を上げることが可能です。

◆主なリフォーム・クリーニング業者一覧

業者名主なサービス内容料金の目安
株式会社レリック特殊清掃
遺品整理
ゴミ屋敷清掃
火災復旧
水害復旧
床上下の清掃:33,000円~
浴室清掃:33,000円~
トイレ清掃:11,000円~
ユニットバス清掃:33,000円~
土間清掃:27,500円~
畳の処分:4,400円~
高濃度オゾン消臭:33,000円/日~
作業人件費:22,000円/人~
原状回復リフォーム:別途見積もり
TRUSTCORP特殊清掃全般1K〜1R:70,000〜300,000円
1DK〜3DK:150,000〜400,000円
4DK以上:250,000〜700,000円
床に付着した体液や血液の清掃:30,000〜100,000円
浴槽に付着した体液や血液の清掃:50,000〜100,000円
消毒・除菌・消臭:10,000〜50,000円
オゾン脱臭:30,000〜50,000円
畳の撤去:3,000〜9,000円/1枚
汚物の撤去:10,000〜20,000円
害虫駆除:10,000円〜
エバーグリーン特殊清掃
遺品整理
ゴミ屋敷清掃
火災復旧
水害復旧
ゴミ屋敷清掃
1K・1R:110,000円~
1DK・1LDK:220,000円~
2DK・2LDK:385,000円~
3DK・3LDK:550,000円~
オプション作業費エアコン取外し:5,500円/台
風呂釜取外し処分:22,000円/台
畳処分:3,300円/枚
ハウスクリーニング:33,000円~
ウイルス除菌・消毒ライトプラン:1,100円/床平米
スタンダードプラン:3,300円/床平米
パーフェクトプラン:6,600円/床平米
ユーティリティーサービス特殊清掃
原状回復工事
遺品整理
フローリング材の解体費用:4,400円/㎥
フローリング張替え工事:33,000円~
床上の特殊清掃:33,000円~
Idea Lab. Rinobea
(株式会社ナカトウ)
事故物件のリフォーム全般1R:45,000円~
1DK:60,000円~
1LDK:80,000円~
2DK:110,000円~
3DK:160,000円~
3LDK:180,000円~
イエコン事故物件のリフォーム
原状回復工事
内装リフォーム
クロスの張り替え:1,000~2,000円/1㎡
フローリングの張り替え:3,000~4,000円/1㎡
クッションフロアの張り替え:2,000~4,500円/1㎡
畳の交換:8,000~12,000円/1畳
トイレ・浴室リフォームトイレの交換:20~30万円
お風呂の交換:90~100万円

金額は目安であり、実際の費用は物件の状態や作業内容によって異なる場合があります。具体的な作業内容や料金については、各業者に直接問い合わせ、詳細な見積もりを取得してみてください。

事故物件を売却する際の注意点と法律のルール

事故物件の売却には、直接的な専用の法律はありませんが、関連する法律として「宅地建物取引業法(宅建業法)」が関係します。法律について正しく理解し、トラブルなくスムーズに売却を行いましょう。

1.告知義務を守る

事故物件の場合、その物件に起こった事件や事故が心理的瑕疵として、買主にとって購入を避ける要因となる場合があります。このため、宅建業法第47条により、売主や不動産業者には「心理的瑕疵」の事実を買主に告知する義務が課せられています。

告知を怠ると、不正行為として取り扱われ、行政処分を受ける可能性があります。特に不動産業者が売主の場合、厳しく適用されるので注意が必要です。

引用:国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」

2.契約不適合責任に注意

事故物件を売却する際は、買主から「事故物件であることを知らなかった」とクレームを受けるリスクがあります。契約書に「事故物件であること」を明記し、買主がその事実を理解・承諾したことを確認することが重要です。

売主が後々のクレームや法的リスクを避けるためにも、正確な情報提供と契約書の適切な記載に注意しましょう。

事故物件の売却方法|不動産会社・買取業者・個人売買の違い

事故物件を売る方法は大きく分けて3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

1.不動産会社を利用する

通常の不動産会社でも事故物件の売却は可能ですが、売れるまでに時間がかかることが多いです。また、売却価格も通常の物件より低くなる傾向があります。

2.事故物件専門の買取業者を利用する

スピーディーな売却を希望する場合は、事故物件専門の買取業者を利用するのがおすすめです。即現金化できるメリットがありますが、買取価格は市場価格より低めになることが多いです。

関連記事

3.個人売買を利用する

個人間で売買する方法もあるが、契約のトラブルや告知義務違反などのリスクがあるため注意が必要です。信頼できる買主がいる場合は、仲介業者を介して契約を結ぶと安心です。

事故物件の売却でよくある質問とトラブル対策

事故物件の売却では、さまざまな疑問やトラブルが発生することがあります。

「どこまで告知すべきか?」「売却後にクレームが来たらどうするか?」といった点について、事前に確認しておくと安心です。

事故物件の売却に関して、よくある質問とその回答をまとめましたので、参考にしてみてください。

事故物件であることを隠して売却した場合、どうなりますか?

事故物件であることを隠して売却した場合、法的なリスクが非常に高くなります。売主は「告知義務」があり、購入者に対して物件に関する重要な情報(事故歴など)を正確に伝える義務があります。

事故物件であることを故意に隠すと、購入者が後にその事実を知った場合、「契約解除」「損害賠償」「刑事責任」などのリスクが生じます。そのため、事故物件を売却する際には必ず告知義務を守り、隠さずに正直に情報提供を行うことが重要です。

売却後に「事故物件であることを知らなかった」とクレームが来たら?

売却後に「事故物件であることを知らなかった」とクレームが来た場合、購入者が告知義務違反を主張している可能性があります。このようなクレームが発生すると、売主には法的な責任が生じる可能性があり、以下のような対応が必要です。

告知義務の履行確認:まず、売却時にしっかりと告知義務を履行したかどうかを確認します。事故歴があれば、書面や契約時にその旨を明示的に伝えていることが必要です。

交渉・解決策の提案:もしクレームが発生した場合、まずは冷静に状況を確認し、可能であれば交渉や解決策を提案します。購入者に納得してもらうためには、具体的な証拠を示し、誠実な対応を行うことが求められます。

法的措置:もし購入者が法的に契約解除や損害賠償を求めてきた場合、専門家である弁護士に相談し、対応を検討する必要があります。

事故物件を売却する際は、告知義務をきちんと守り、後々のトラブルを避けるために書面での証拠をしっかりと残しておくことが大切です。

まとめ|事故物件の売却を成功させるために

事故物件の売却は、通常の不動産売却と比べて難易度が高いものの、ポイントを押さえれば高く・早く売ることも十分可能です。

  • 告知義務を守る
  • 適切な価格設定を行う
  • 信頼できる業者選び

これらのポイントを押さえれば、安心して売却を行うことができます。法律面の知識やトラブル対策もしっかり行い、スムーズな売却を目指しましょう。


◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

マイナビニュース不動産査定ガイド運営は、家の売却や査定、家づくり、リフォームなど不動産に関わるさまざまな情報をわかりやすくお届けしてます!

目次