「所有している土地に盛り土をしたいけれど、費用はどのくらいかかるのだろう」と悩んでいませんか?
盛り土の費用は1㎥あたり約7,100〜8,000円が目安ですが、土地の傾斜や地盤の状態、擁壁工事の有無などによって大きく変動します。また、依頼する業者や経路によって中間マージンが上乗せされるケースもあるため、事前に費用の仕組みを理解しておくことが重要です。
この記事では、盛り土の費用相場や坪数別の目安、費用が変動する5つの要因、節約のポイントを詳しく解説します。2023年に施行された盛土規制法についても触れるので、盛り土を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 盛り土の費用相場は1㎥あたり約7,100〜8,000円。土地の傾斜度や擁壁工事の有無、地域によって変動します。
- 費用を節約するには複数業者の見積もり比較、工事内容の事前打ち合わせ、残土処分費用を含めた総額での比較が重要です。
- 2023年施行の盛土規制法により、規制区域内での盛り土には許可が必要。無許可の場合は懲役3年以下または罰金1,000万円以下の罰則があります。
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盛り土工事の費用相場
盛り土の費用を把握するためには、基本単価と土地面積に応じた目安を知っておくことが大切です。
盛り土の基本単価は1㎥あたり約7,000〜8,000円
盛り土工事の費用目安は、1㎥(立方メートル)あたり約7,100〜8,000円です(令和6年時点)。
この単価は地域や業者によって差があり、以下はエリア別の目安です。
| エリア | 盛り土単価(1㎥あたり) |
| 北海道(札幌) | 約7,100円 |
| 東北(仙台) | 約8,000円 |
| 関東(東京) | 約7,500円 |
| 関西(大阪) | 約7,100円 |
| 中国(広島) | 約7,100円 |
| 九州(福岡) | 約7,500円 |
※上記は盛り土工事のみの単価であり、擁壁工事や残土処分などの付帯費用は含みません。
坪数別の費用目安【30坪〜100坪】
盛り土の深さを1mと仮定した場合の、坪数別費用目安は以下のとおりです。
| 坪数 | 面積(㎡換算) | 体積(㎥) | 費用目安 |
| 30坪 | 約99㎡ | 約99㎥ | 約74万〜79万円 |
| 50坪 | 約165㎡ | 約165㎥ | 約124万〜132万円 |
| 60坪 | 約198㎡ | 約198㎥ | 約149万〜158万円 |
| 100坪 | 約330㎡ | 約330㎥ | 約248万〜264万円 |
※実際の費用は、盛り土の深さや土地の形状により変動します。深さが0.5mであれば上記の半額程度、2mであれば2倍程度が目安となります。
費用に含まれるもの
盛り土工事の費用には、一般的に以下の項目が含まれます。
- 土代:搬入する土砂の費用
- 重機費:バックホーやブルドーザーなどの使用料
- 運搬費:土砂を運ぶトラックの費用
- 転圧費:搬入した土を締め固める作業費
- 人件費:作業員の労務費
ただし、業者によって見積もりの内訳は異なるため、何が含まれていて何が別途費用なのかを必ず確認しましょう。
盛り土の費用が変動する5つの要因
盛り土の費用は条件によって大きく変わります。事前に以下の要因を把握しておくことで、想定外の出費を防げます。
①土地の傾斜度・高低差
傾斜が急な土地ほど、盛り土の費用は高くなります。
平坦な土地に比べて、傾斜地では搬入する土の量が多くなるうえ、重機の搬入が難しくなるケースがあるためです。特に傾斜角度が15度を超える場合は、擁壁工事も必要になるため費用が大幅に増加する可能性があります。
②地盤改良の必要性
盛り土をした地盤は、もともとの地盤に比べて軟弱になりやすい特徴があります。住宅を建てる目的で盛り土をする場合、地盤調査の結果によっては地盤改良工事が必要になります。
地盤改良の費用目安は1㎡あたり約2,000円〜ですが、改良の深さや工法によって大きく変わります。
③擁壁(土留)工事の有無
隣接する土地との間に高低差が生じる場合、土砂の崩壊を防ぐための擁壁(土留)工事が必要になります。
擁壁工事の費用は1㎡あたり約30,000〜82,000円と高額で、盛り土そのものの費用を大きく上回るケースも少なくありません。擁壁の種類(コンクリートブロック、RC造など)や高さによっても費用が変動します。
④残土処分の有無と土質
傾斜地を削って平坦にする過程で発生する残土は、決められた処分場で処理する必要があります。処分費用は土の質によって異なり、汚染のない良質な土であれば安く済みますが、産業廃棄物に該当する場合は追加費用がかかります。
残土処分費は見積もりに含まれていないことがあるため、事前に確認しておくことが重要です。
⑤中間マージン(依頼経路による差)
盛り土工事をハウスメーカーや不動産会社経由で依頼すると、総工事費用の約1割程度の中間マージンが発生するのが一般的です。
間に会社が多く入るほど、中間マージンで費用は高くなることも覚えておきましょう。造成工事を専門とする業者に直接依頼することで、中間マージンを抑えられる可能性があります。ただし、ハウスメーカー経由の場合は工事全体の品質管理や保証が付くメリットもあるため、費用だけで判断しないようにしましょう。
盛り土以外に必要な造成費用
盛り土と合わせて、以下のような造成工事が必要になる場合があります。
| 工事の種類 | 費用目安 | 概要 |
| 測量(現況測量) | 35〜45万円 | 土地の境界や面積を確認 |
| 測量(確定測量) | 60〜80万円 | 隣接地の所有者立会いで境界確定 |
| 伐採・抜根 | 約1,000円/㎡ | 樹木や根の除去 |
| 整地(粗仕上げ) | 約2,000円〜/㎡ | 表面をローラーでならす |
| 地盤改良 | 約2,000円〜/㎡ | 地盤の強化工事 |
| 擁壁(土留) | 約30,000〜82,000円/㎡ | 土砂崩壊の防止 |
造成工事の種類や費用について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。

盛り土の費用を節約する3つのポイント
盛り土は決して安い工事ではありませんが、以下のポイントを押さえることで費用を抑えることが可能です。
- 複数業者から見積もりを取る
- 工事内容を業者と詳細に詰める
- 残土処分費用を事前に確認する
①複数業者から見積もりを取る
盛り土の費用は業者によって異なるため、最低でも3社以上から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
比較する際のチェックポイントは以下のとおりです。
- 工事内容ごとの内訳が明確に記載されているか
- 残土処分費が含まれているか
- 追加費用が発生する可能性のある項目が説明されているか
ただし、極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な工事を省いている場合や、後から追加費用を請求される可能性があります。信頼できる業者へ依頼するために、担当者の対応や工事実績、アフターケアの有無も必ず確認しておきましょう。
②工事内容を業者と詳細に詰める
見積もりを取る際は、業者と工事内容を細かく打ち合わせましょう。すべてお任せにすると不必要な工事まで行われてしまい、費用が高額になる可能性があります。
具体的には以下の点を確認します。
- 盛り土の深さ・範囲は適切か
- 不要な工事が含まれていないか
- 見積書に工事内容と細かな金額が記載されているか
不明な点があれば必ず質問し、口頭だけの説明で済ませず書面で確認することが大切です。
③残土処分費用を事前に確認する
盛り土工事では、既存の土を掘削して発生する残土の処分費用が意外と高額になることがあります。
残土の処分費用は以下の要素で変わります。
- 土の質:良質な土か、汚染が含まれるか
- 処分場までの距離:遠いほど運搬費が高くなる
- 処分量:傾斜地を削る場合は量が多くなる
事前に残土処分の見積もりも含めた総額で比較検討しましょう。
盛り土のメリット・デメリット
盛り土を検討する際は、メリットとデメリットの両面を理解しておきましょう。
盛り土のメリット
- 床上浸水リスクの低減
- 外部からの視線を遮断できる
- 低い土地の有効活用が可能
地盤を高くすることで、大雨や洪水時の床上浸水リスクを軽減できます。特に川や海の近くにある土地では有効な対策です。さらに勾配によって雨水や下水の排水もしやすくなります。
また、道路より高い位置に建物を建てることで通行人や隣家からの視線を遮り、プライバシーを確保できます。周囲より低い土地も、盛り土で高さを揃えることで建物の建築や駐車場として活用できるようになります。
盛り土のデメリット
- 工事費用が高額になりやすい
- 地盤沈下のリスクがある
- 工事に一定の期間が必要
盛り土工事には1㎥あたり約7,000〜8,000円かかるほか、擁壁工事や地盤改良が加わると総額で数百万円規模になることがあります。
また、盛り土は新しい土を搬入して積み上げるため、元の地盤に比べて軟弱になりやすいという特徴があります。十分な転圧(締め固め)を行わないと、建物の不同沈下(傾き)を引き起こす恐れがあります。
簡単な盛り土工事でも約1週間、大規模な工事では1ヶ月以上かかることがあるため、スケジュールに余裕を持って計画しましょう。
盛り土と切り土の違い
盛り土と切り土は、いずれも土地の高低差を解消するための工事ですが、その方法と特徴は大きく異なります。
| 比較項目 | 盛り土 | 切り土 |
| 工事内容 | 土を搬入して地盤を高くする | 硬い岩盤や土を削って地盤を低くする |
| 地盤の強度 | 軟弱になりやすい | 元の地盤を活かすため比較的強い |
| 災害リスク | 地盤沈下・崩壊のリスクあり | 比較的災害に強い |
| 費用 | 土の搬入費が必要 | 残土の処分費が必要 |
| 適したケース | 道路より低い土地、浸水対策 | 道路より高い土地、傾斜地の平坦化 |
盛り土は土を補充して地盤を高くする工事であるのに対し、切り土は硬い岩盤を削って地盤を低くする工事です。一般的に、切り土のほうが地盤が安定しており災害にも強いとされています。
傾斜地の造成では盛り土と切り土を組み合わせて行うケースも多く、この場合は盛り土部分の地盤強化が特に重要になります。
盛土規制法(2023年施行)と届出・許可
2023年5月26日に「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)」が施行されました。盛り土工事を検討している方は、この法律の概要を把握しておきましょう。
盛土規制法とは
盛土規制法は、2021年7月に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流災害を受けて制定されました。従来の「宅地造成等規制法」を抜本的に改正し、宅地・農地・森林を問わず、危険な盛り土を全国一律の基準で規制する法律です。
従来は宅地のみが規制対象でしたが、盛土規制法では土地の用途にかかわらず、都道府県知事等が指定する規制区域内での盛り土が許可制となりました。
許可が必要なケース
都道府県知事等が指定した規制区域内で、一定規模以上の盛り土や切り土を行う場合は許可が必要です。具体的には以下のような場合が該当します。
- 規制区域内での盛り土・切り土を伴う工事
- 土砂の一時的な堆積
- 農地・森林での造成工事
許可申請にあたっては、土地の所有者や使用者全員の同意を得たうえで、周辺住民への工事内容の周知も求められます。工事終了後には基準を満たしているかの検査も必要です。
罰則
盛土規制法に違反した場合の罰則は以下のとおりです。
| 違反内容 | 罰則 |
| 無許可での盛り土工事 | 懲役3年以下または罰金1,000万円以下 |
| 命令違反 | 懲役3年以下または罰金1,000万円以下 |
| 法人の場合 | 最大3億円以下の罰金 |
従来の宅地造成等規制法に比べて罰則が大幅に強化されています。盛り土工事を依頼する際は、業者が適切な許可を取得しているか確認しましょう。
盛り土工事の流れ
盛り土工事は、以下のステップで進みます。
- 業者の選定・見積もり依頼:造成工事の専門業者を複数社ピックアップし、現地調査と見積もりを依頼
- 現地調査・測量:業者が土地の状態(傾斜度・地盤・アクセス道の幅など)を確認
- 許可申請(必要な場合):盛土規制法の規制区域内に該当する場合は、都道府県知事等への許可申請
- 着工・盛り土施工:土砂の搬入・盛り付け・転圧(締め固め)。擁壁工事が必要な場合は並行して施工
- 整地・仕上げ:盛り土が完了したら表面を整地し、利用目的に合わせた仕上げ
- 検査・引き渡し:工事完了後に検査を行い、問題がなければ引き渡し
工期の目安は、小規模な盛り土で約1週間、大規模な工事で1ヶ月以上です。天候や季節、アクセス道の状況によっても変動します。
よくある質問(FAQ)
土地への盛り土でよくある質問は以下のとおりです。
まとめ
盛り土の費用は1㎥あたり約7,000〜8,000円が目安ですが、土地の傾斜度・擁壁工事の有無・地盤改良の必要性・残土処分費用などによって総額は大きく変動します。
費用を抑えるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 複数業者から見積もりを取って比較する
- 工事内容を業者と詳細に詰める
- 残土処分費用を含めた総額で判断する
また、2023年に施行された盛土規制法により、規制区域内での盛り土には許可が必要となりました。罰則も強化されているため、工事を依頼する際は業者が適切な手続きを行っているか確認しましょう。
盛り土を検討する際は、費用だけでなく地盤の安全性も考慮し、信頼できる業者に依頼することが大切です。
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