「スキルアップがしたい」「自分の視野を広げたい」「働き方をアップデートしたい」とビジネス書を手に取っても、時間が取れず結局読めていない。そんな人のために、全100冊のビジネス書を要点・おすすめポイント・一読のすすめの3点でまとめた、“ビジネス書のガイドブック”が『ビジネス書大全』です。この連載では、本書から一部を抜粋してご紹介します。
第2回はF6 Design 代表取締役の山本大平著『トヨタの会議は30分 GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術』(すばる舎)です。
「最速」が成果につながる
『トヨタの会議は30分 GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術』(すばる舎)
要点
(1)トヨタの会議は30分が基本。30分会議を励行することで、年間2カ月分の勤務時間を捻出できる。
(2)会議中にメモを取ることをやめ、話を集中して聞くようにすると、相手を見て非言語の情報も取り入れることができる。その方がスムーズな意思疎通が可能になる。
(3)1分で上司から承認をもらえる資料をつくるには「何の話か」「上司にどんな回答や判断が求められているか」「結論」「論拠」「補足」を順番に書くことが大切。
(4)失礼すぎる相手に対しては30分怒りを寝かせてみる。相手にする必要がないと少しでも思えば、最低限の対応だけして無視してしまう。
おすすめポイント
「会議に出ても反対意見を言える雰囲気ではない」「事なかれ主義が一番だ」と感じてしまうことはないだろうか。何をするにも根回しが必要、人間関係優先で仕事が回っていて、コミュニケーションスピードが遅いということは、よく聞く非効率な会議の典型である。
世界を代表する企業のトヨタ自動車では、このような遅いコミュニケーションは存在しない。直接的に意見を出し合い、議論を重ね、素早い意思決定を行っていく。
本書のタイトルである「会議は30分」というのは最速・骨太のコミュニケーションを表したものである。そのコミュニケーションスピードはGAFAMやBATHなどITの巨人たちにも負けないという。
本書はトヨタ、TBSテレビ、アクセンチュアで経験を積み、マーケティング総合支援会社 を創業した著者が、世界企業に負けない最速で骨太のコミュニケーション術を解説した一 冊である。著者がトヨタで身につけた仕事術は、異業種に転職した際も有効だったとして、 その実用性が滔々と説かれている。
一読のすすめ
著者は、社会人になって5年以内の若手にこそ本書を読んでほしいと強調する。会議を進行するコツ、資料作成のポイント、理不尽な相手に対応する方法など、すぐに役立つノウハウが満載で、自身を確実にレベルアップさせてくれるだろう。 仕事上の失敗やフラストレーションに関する著者の実体験には、共感できるエピソードも多い。ぜひ、最速のコミュニケーション術を身につけ、仕事の成果を上げていただきたい。
さらに深掘りしたい方はこちら: https://www.flierinc.com/summary/2685