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67 安東弘樹のクルマ向上委員会!

電気のゲレンデってあり? 安東弘樹、「Gクラス」の電気自動車に乗る!

FEB. 27, 2025 08:00
Text : 安東弘樹
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「ゲレンデ」ことメルセデス・ベンツの「Gクラス」は日本で大人気の1台です。芸能人の方が乗っていると聞くことも多いクルマですが、芸能界に身を置くクルママニアの安東弘樹さんはGクラスをどう捉えているのでしょうか? 発売になったばかりの電気自動車(BEV)バージョン「G580」に乗りながら話を聞きました。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    安東弘樹、メルセデス・ベンツ「G580」に乗る!

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会で1日に全5台のクルマに乗った安東さん。ミニ「エースマン」、ロータス「エレトレR」に続き、3台目に乗ったのがメルセデス・ベンツ「G580」でした

メルセデス・ベンツ「Gクラス」のBEVバージョンである「G580」は2024年10月に日本で発売となりました。安東さんが乗ったのは「G580 with EQ Technology Edition 1」というモデルで、価格は2,635万円です。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    容量116kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、新機構の4輪独立式モーターを搭載する「G580」。各モーターの最高出力は108kW、システムトータルでの性能は最高出力587PS、最大トルク1,164Nm、一充電走行距離は530km(WLTCモード)です

BEVなのにV8エンジンの音がする?

安東さん:ほぼ「エレトレR」と同じ値段なんですね。これをどう判断すればいいのか……。

――一般人気はこっちの方が高そうです。

安東さん:リアシートの倒れ方が4:2:4ではなく6:4なんですね。それと、荷室のドアは、この開き方だと絶対にオート(電動)にならないので、少し不便なのではないかと思います。運転席に乗り込んだ感じとしては……原始的と言えば原始的ですよね。サンルーフのシェードは手動で開閉ですね。これも古典的です。

――エレトレRから乗り換えたから、余計にそう感じるのかもしれませんね。

安東さん:シートについては、素材感もフィット感もいいと思います。エレトレRと比べると腰高感がありますね。

――物理的に、ヒップポイントも高いんでしょうね。

安東さん:かなり高いですね。重心も高いでしょうし。このクルマも運転するのが初めてなので、非常に楽しみです。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    ボディサイズは全長4,730mm、全幅2,185mm、全高1,990mm。ホイールベースは2,890mm。車両重量は3,120kg

――G580は基本的に無音(モーター音のみで)で走るクルマなのですが、「Gロアー」という専用の機能をオンにすると、エンジンのような音が車内外に流れるみたいです。現状、Gロアーはオンになっているようですね。

安東さん:確かに、AMGのV8エンジンみたいな音がします。音をうまく作っていますね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    「Gロアー」がオンになっていたので、加速すると車内ではV8エンジンのような音が聞こえました

安東さん:加速は、エレトレRの方がスゴいですね。

――G580は最高出力587PS、最大トルク1,164Nmだそうです。

安東さん:1,160Nm超! スゴいな―。馬力は587PS……そうか、名前がG「580」ですもんね。エレトレRよりトルクは上で、馬力は向こうが上ということですね。

回生ブレーキの強さはパドルで調節可能

安東さん:回生ブレーキの強さがパドルで選べて嬉しいです。それと、日本語でいちいち選んだ回生の強さが表示されるんですね。「回生なし」「通常回生」「強力回生」「最大回生」という風にメーターに表示されます。なるほど、わかりやすいといえばわかりやすいです。前のクルマに近づくと自動的に回生が強まる「インテリジェント回生」というモードもあります。回生を手元で調節できるのは、運転中に視線を移動させなくて済むのでいいですね。

――回生の効き具合を調節しながら走るのはBEVの醍醐味ですよね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    ステアリングの裏側左右にパドルが付いていて、これを引く(たたく)ことで回生ブレーキの強さを調節できます

安東さん:回生の強さをドライバーに知らせるインジケーターがたくさんあるのも興味深いですね。日本語での表示のほかに、シフトの「D」の横に「+」が付いて、「+」の個数でも回生の強さを表していますし、メーターでも回生の強さがわかります。ひとつでいいのに3つもあるのは面白いですし、私は好きですね。メルセデスらしいという感じがします。

――回生ブレーキの強さをドライバーに伝える窓口が3つもあるわけですね。その至れり尽くせり感がメルセデスらしさですか?

安東さん:ドライバーにストレスを与えないぞ、という姿勢ですかね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • メーターに回生ブレーキの強さを知らせるための表示がいくつもあります

安東さん:航続距離は……今がバッテリー残量60%で219km(MAX255km)という表示ですから、まあ、フル充電で400kmくらいってことですかね。

G580で長距離を走ったジャーナリストの方は、あまり電費(ガソリン車でいう燃費のような概念)がよくないとおっしゃっていました。メルセデスのほかのBEV、例えば「EQS SUV」などと比べれば、やはり空気抵抗が大きいんでしょうね。EQSの方が断然、距離は走れるとのことです。バッテリーはEQSの方が小さいんですけどね。

――GクラスがEV化するとどうなるかということには、やっぱり興味がありましたか?

安東さん:その通りです。

――電動化して、Gクラスのイメージとは違う乗り物になっていますか?

安東さん:でも、やっぱり、Gクラスですよね。Gロアーをオンにすれば、V8に似た音を聞くことができますし。

――同じ人工的なサウンドでも、近未来的な音ってGクラスには似合わなさそうですもんね。このGロアーの音なら、普通の人が乗ったらエンジンを積んだクルマだと勘違いしてしまうかもしれません。

安東さん:それと、ドライブモードが物理スイッチで選べるのは、やっぱりいいですね。

――センターディスプレイでドライブモードを選ぶのではなく、物理スイッチで選べるということですね。それなら、走行中でもモードが簡単に変えられますもんね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • ドライブモードを物理スイッチで選択できます

安東さん:Gロアーが起動しているからではありますが、音も含めて、BEVに乗っている感じがあまりしません。このあたりは、Gクラスのお客さんを意識してのことでしょうね。運転していると、やっぱりGクラスだなという気がします。腰高感も含め。

――少しゆさゆさするのも含めてGクラスらしさなんでしょうか。BEVになるとバッテリーを床下に積むので、低重心になって、どっしりとした走りになるというのが一般的かなと思ったんですが。

安東さん:大きなエンジンを重心の高いボンネットの中に積んでいるわけではないので、重心は下がっているはずなんですけどね。ただ、最近はエンジンのGクラスに乗っていないので、比較してどうこう言えるわけではないんですが。

――Gクラスのファンだったら、どう感じるでしょうね。

安東さん:このクルマは「これじゃなきゃ」「これがいい」という人が乗るクルマなので、多少の文句が出ても売れるのではないかと思います。「Gクラスに乗る」ということが重要なクルマですからね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • メルセデス・ベンツ「G580」
  • エンジン搭載車「Gクラス」とほとんど見た目が変わらないBEVバージョンの「G580」。BEVかエンジン車かを見分けるには後ろ姿に注目しましょう。エンジン車ならスペアタイヤが付いているところにBEVバージョンは「デザインボックス」(収納)を装着しています

ゲレンデ乗りの芸能人に乗り換えを相談されたら?

――芸能界ではGクラス(ゲレンデ)の人気が高いと思うんですが、クルマ好きの安東さんとしては、なぜGクラスに乗らないんですか?

安東さん:ライフスタイルに合わないからですね。ここまでのオフロード性能をいかせるようなところでクルマに乗らないというのがひとつ。それと、日本の林道は、このサイズのクルマだと入れないところがほとんどなので、それだったら「ジムニー」(スズキ)の方が適しています。ファミリーカーとして乗るとしても、例えば重いスペアタイヤの付いたテールゲートが電動開閉ではないところがネックになります。妻は力がないので、とてもじゃないんですが開閉できません。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    「G580」の荷室のドアは上ではなく横に開くので、電動で開閉する仕組みにはできそうにありません

――安東さんはクルマにステイタス性を求めないとお聞きしていますから、そういう理由で乗ることもない、ということですもんね。

安東さん:でも、さすがはメルセデス・ベンツと言いますか、いい塩梅に作っていますね。Gクラスに乗っている人のことをよくわかっているな、という感じです。Gロアーの静かなV8エンジンのような音ひとつをとっても、「わかっているな―!」という。それにつきますね。

――ゲレンデに乗っている芸能人の方から「BEVに乗り換えようかな?」と相談を受けたら、どうします?

安東さん:まず、自宅で充電できるかどうかが第一条件になりますね。出力6kWの充電ができれば、バッテリーの総電力量が116kWhですから、一晩で半分くらいは充電できます。ただ、都内だとマンションに住んでいる方が多いですから、充電環境のない方にはオススメできません。

――共同住宅だと充電設備が付けられないところが多いと聞きますからね。まずは充電可能な居住形態かどうかを聞いて、もし充電できるとなれば……。

安東さん:次は、長距離を乗るかどうかを聞きますね。意外に、長距離は乗らないという人は多いですから。

――一気に600km走るとか、可能なら1,000kmでも走りたいという安東さんのような人には、このクルマはあまり向いていないでしょうね。

安東さん:もちろん、経路充電ができるので問題ないんですけどね。メルセデス・ベンツの場合、急速充電器との相性が悪いということもないと聞きますから。

――自宅で充電できて、そこまで長距離は乗らないという人には、オススメできますか?

安東さん:そうですね。トルクは圧倒的にBEVの方が高いですし。

――Gクラスらしさ、このクルマのキャラクターが好きという人は、BEVに乗り換えてもガッカリしませんかね?

安東さん:それはないんじゃないでしょうか。Gロアーの音も含めて「らしさ」は感じられると思いますよ。

――聞く人が聞くと、すぐに「V8っぽいな」と思えるほどの音を作っていることはスゴいですよね。

安東さん:この音、オフにできるんですかね? 静かな状態も体験してみたいです。

――ちょっと試してみますね……すみません、センターディスプレイを触ってみたんですが、すぐには消し方がわかりませんでした。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    「Gロアー」はセンターディスプレイを操作すればオフにすることが可能なのですが、試乗中には操作方法がわからず、オフにすることができませんでした

安東さん:下り坂になりましたが、「通常回生」でもけっこう回生ブレーキが効きます。今のところ、全くブレーキペダルを踏んでいません。

――パドルをカチャカチャと操作している様子は、まるでMTモード付きのエンジン車を運転しているかのようですね。コーナーの手前で回生を強めて、出口に向かって回生を緩めていく姿は運転マニアの面目躍如といった感じです。

安東さん:回生を最大にしても、停止まではしませんね。

――いわゆるワンペダル走行はできないと。メルセデス・ベンツのBEVは、当初からそうでしたよね。

安東さん:そうですね。通常回生でほとんど事足りるくらい、回生ブレーキはよく効きます。

やっぱりメルセデス! 乗っていたらだんだん快適になってくる

――助手席に乗っていたら、なんだか快適な感じがしてきました。下り坂でアクセルを踏まない状態だと、Gロアーの音もなく、とっても静かなので。

安東さん:本当に静かです。遮音性が高いんでしょうね。確かに快適です。メルセデス、おそるべし。

ワインディングを走っていると、BEVになったことによる低重心化の効果が確かにあるのかも、と感じます。エンジン車は、もっとゆさゆさするイメージでした。

――助手席に乗っていても、左右に揺さぶられる感じがほぼないです。かなり快適です。

安東さん:エレトレRと比べても、ですか?

――Gクラスなのに、という気持ちは多少あるのかもしれません。エレトレRはかなりラグジュアリーな雰囲気だったので、快適で当たり前という気持ちで乗っていました。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    助手席に乗っていたのですが、とても快適なドライブでした

――V8エンジンを搭載するGクラスの大きなタンクにハイオクのガソリンを入れると、1回の給油で数十リットル入って、お会計が1万何千円というのはざらかなと思うんですが、BEVだと、それはありませんよね。それって嬉しいのではないでしょうか? まあ、Gクラスに乗る人は、そのくらいの出費は気にしないのかもしれませんけど。

安東さん:それは、たぶん嬉しいだろうと思いますね。タンクの容量が100Lクラスだったりしますし、都内だとハイオクは200円近いですから。G580に乗ると、電気代が月にどのくらいかかるのかは気になります。私はガレージにソーラー発電設備を付けていますし、急速充電はサブスクのカードで行っているので、1カ月あたり最大6,000円を超えたことはないんです。しかも、BEVに充電しても夏で毎月2万円、冬場でも毎月1万円は売電できています。自宅充電を基本にしてソーラー発電を活用すれば、G580でも経済的に運用できるかもしれませんね。

  • メルセデス・ベンツ「G580」

    「Gクラス」を給油なしで(充電のみで)乗れると考えると、なんだかお得な感じがしませんか?

――加速感もV8エンジンに近いんですか?

安東さん:近いんでしょうね。唐突感がないというか、エンジンに寄せているのだろうと思います。「ぐわああっ!」と盛り上がっていくような感じです。

――確かに、高性能なBEVにありがちなワープするような加速感ではないですね。どちらがいいかという話ではなくて、クルマのキャラに合わせた加速感にしているということなんでしょうか。

安東さん:そうなんでしょうね。今までのGクラスのお客さんにも、なるべく違和感のないように、ということなのでしょう。逆にエレトレRの場合、ロータスは振り切って、今までとは全く違うクルマを作ろうとしているのだと思います。


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