2025年3月に発表された「地価公示」によると、今年1月時点の大阪府・住宅地の価格は、平均で去年と比べてプラス2.3%で、昨年に続き上昇しました。大阪府で特に地価が上がっているのはどの地域なのでしょうか?
今回は国土交通省の地価公示をもとに、大阪府内の住宅地の地価上昇率を駅別に発表します。さらに、地価上昇の背景について、鑑定評価書の情報を用いて分かりやすく解説します。
大阪府・住宅地の地価上昇率ランキングトップ20(2025年版)
大阪府の住宅地において、2025年1月時点で地価の上昇率がもっとも高かったのは「野江」(大阪市城東区中央2丁目12番1)でした。
次いで2位は「大阪天満宮」(大阪市北区紅梅町125番)、3位は「難波」(大阪市浪速区桜川1丁目4番7)です。
城東区・鶴見区・都島区が強い
上位20地点のうち、大阪市が18地点を占めるという結果です。大阪市以外では、箕面市・高槻市の2地点がランクインしました。
大阪市では、城東区、鶴見区、都島区などが多く見られます。とくに城東区は1位の野江を始め、7地点がランキングに入りました。
ここからは国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で公表されている各地点の鑑定評価書を基に、上位の地域の特性について解説します。
なお、鑑定評価書の表記は地番や住居表示がベースになっていますが、この記事では分かりやすくするため最寄り駅で表記します。
野江
1位を獲得した野江の地価上昇率は10.5%です。駅や公共施設に近いため利便性が高く、区内でも人気の地域です。
鑑定評価書には「城東区内の住宅地の地価水準は昨年より上昇幅が拡大している。」とあります。マンション需要は堅調のため、地価は引き続き上昇傾向が続くものと予測されています。
大阪天満宮
2位の大阪天満宮は、10.2%の地価上昇率を記録しました。共同住宅や事務所が混在する地域となっています。
鑑定評価書によると「都心部を中心に不動産市況が好調であり、当圏域も土地需要は高い。」とあります。共同住宅の需要が旺盛な状態のため、今後も地価水準は上昇傾向で推移すると考えられます。
箕面萱野
大阪市以外でランクインした地点の1つ、箕面萱野の地価上昇率は9.5%です。北大阪急行線の延伸により、最寄駅から徒歩圏となり、アクセスが改善された地域です。
鑑定評価書によると「箕面市の住宅地に対する需要は、北大阪急行線新駅開業の影響もあり、旺盛である。」とあります。利便性の高い物件を中心に、箕面市の地価は上昇傾向で推移しています。
蒲生四丁目
6位に入った蒲生四丁目の地価上昇率は9.2%です。京橋駅からも近く、共同住宅や事務所が混在しています。
鑑定評価書の評価内容は「都心への良好な接近性から需要は概ね安定的に推移しており、地価の上昇も継続している。」です。京橋駅から徒歩圏内で利便性が良好な地域であることからも、安定的な需要が見込まれています。
高槻市
大阪市以外からは、高槻市もランクインしました。地価上昇率は8.8%で、最寄駅よりバス圏の地域です。
鑑定評価書には「周辺の安満遺跡公園整備事業及び街路整備事業の完成により、利便性、住環境が向上したため、土地需要は旺盛で地価は上昇している」とあります。
大学の農場として長らく使われていた広大な土地が、防災公園として生まれ変わり、市民に喜ばれているそうです。