外壁塗装を依頼する前に確認すべきポイント
外壁塗装は一生のうちに数回しか経験できないイベントなので後悔はしたくないものです。そこでここでは外壁塗装を依頼する前に確認しておきたいポイントをまとめました。
外壁塗装を依頼する前に確認すべきこと
- 依頼する業者は信頼できるか
- 外壁や屋根の劣化診断は丁寧か
- 提出された見積もりは正確か
- 塗装工事の費用は適正か
- アフターフォローは充実しているか
- 契約の内容に不安はないか
依頼する業者は信頼できるか
外壁塗装は決して安くない買い物ですし、少しの不備でもあれば生活を脅かす脅威となり得ます。そのため、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
塗装業者の会社情報や連絡先は正しいものなのか、店舗は存在するのか、口コミや評判はどうなのかなどいろいろ調査してみましょう。特に口コミは実際に依頼した人の生の声が聞けるため有用です。業者ホームページでは良い口コミのみが掲載されていることが多いので口コミ情報サイトやGoogleマイビジネスなど第三者のものも合わせてチェックしてみましょう。
会社の情報も資格の有無など細かくチェックをするのは大変なときもあるので外壁塗装業者Naviもうまく活用して情報収集をしてください。
外壁や屋根の劣化診断は丁寧か
外壁塗装を成功させるためには良い施工をするのが重要ですが、施工の前の劣化診断も重要なポイントです。いくら腕の良い職人に依頼をして、高性能の塗料を使用しても劣化状況にあった適切な施工をしなければ長持ちはしません。
詳しく劣化状態を見て作成した見積もりでなければ追加で工事が必要になるケースもあるので、施工前には劣化状態を詳しく調べてもらうようにしましょう。外壁の劣化は外壁劣化診断士などの資格を持っている会社であればより細かく正確に診断ができるので相見積もりを依頼する際にはこういった会社にも声をかけておくとよいでしょう。
すでに雨漏りが起こっていたり、劣化が進んでいる箇所を指摘されている場合には見積もりの際に伝え、どのように修繕するのかも併せて確認しておきましょう。
提出された見積もりは正確か
見積もりをもらったらその見積もりが正確かどうかをチェックしたうえで比較するようにしましょう。たとえばA社とB社で塗装面積が異なる場合、塗装面積をごまかして費用を多く請求している場合や、塗装箇所が漏れている、塗装しない予定の箇所があるなどの可能性があります。このような状態では正しく比較するのは難しく、実際に依頼をした際のトラブルにもなりかねないため必ず確認するようにしましょう。
材料費や施工費が一式で書かれているようなケースも同様で、明記されていない場合ではどこまでの工事を行ってくれるかわかりにくいため注意が必要です。塗装面積は㎡単位で記載されているのか、材料は何をどれくらい使用するのか、どのような工事を行うのかなど細かく確認して見積もり通りの内容で契約を進めましょう。
たまに細かな見積もりを作成しない会社から契約をすすめられるケースがあるようなので、少しでも疑問に感じたら別の業者にも声をかけて相談することが大事です。
塗装工事の費用は適正か
初めて塗装工事を行う方であれば外壁塗装の相場費用はわからないという方も少なくありません。2度目以降の塗装であっても10年近く前のことなので前回の金額を覚えていなかったり、塗料の性能によって差があったりと曖昧な部分も多いです。家によって構造が違うので相場と言っても開きはありますが明らかに法外な金額だけでもおかしいと気付ければ騙される危険性は減るでしょう。
一般的な戸建住宅はおおよそ30坪の2階建てほどで、安い塗料であれば80万円ほど、高性能塗料を使用しても150万円を超えるケースは少ないです。相見積もりを取得して大きく金額がずれる場合にはその理由を確認する事が重要です。
アフターフォローは充実しているか
外壁塗装は塗って終わりというわけではなく、塗ってからが長い付き合いでもあります。ちょっとした不具合に気づいたときや次回の塗装タイミングまで外壁のことを相談できる会社に依頼をすれば安心です。残念ながらリフォーム工事には保証の義務というものがなく、塗装会社のサービスに頼ることになります。どこの会社でも無料点検や10年保証と書いてあるから依頼する会社も当然あるのだろうとは思わずにしっかりと確認することが大事です。
そしてどんな保証があるのか、どういうときに保証をしてくれるのかなどは口で聞いて確認するのではなく書面に残しておくようにしましょう。
施工不備の無料修繕はできれば利用したくないサービスですが万が一のことを考えるとあるに越したことはありません。
また、定期点検のようなアフターフォローは自身の体で言うところの定期検診のようなものです。毎年健康診断を受けるように家も定期的に点検をして異常を早期発見することで長持ちできるように工夫しましょう。
契約の内容に不安はないか
金額や工程はもちろん確認すべきですが、保証の内容や施工時のトラブルについてなど細かな部分まで契約前に確認をしておくことが重要です。
施工から何年までは修正工事を無料でしてくれるのか、どの程度の内容は施工不備として認定されるのかなど実際に施工してからわかることは多いですが、これらの内容をあらかじめ契約書として用意しておけば万が一のときに困ることは少ないです。
優良とされる塗装業者は、契約前の打ち合わせから工事完了までの各ステップにおいて、書面での確認が可能な場合が多いです。これには、作業内容、材料の種類、費用の詳細、工程表などが含まれます。これらの書類は、業者との間での誤解を防ぎ、安心して工事を進行させるうえで重要な役割を担います。
外壁の劣化症状と原因を知って賢くメンテナンス
外壁のメンテナンスを行う際には劣化症状を正しく理解してメンテナンスの時期を決める必要があります。本項では外壁に発生する劣化症状について詳しく解説します。
外壁の劣化症状
- 色褪せ
- チョーキング
- クラック・ひび割れ
- 塗膜の剥がれ、浮き
- カビや苔
- シーリングの痩せ、ひび割れ
- 雨漏り
色褪せ
外壁の色褪せは最も初期の劣化症状として挙げられます。毎日家を見ているとなかなか気づきにくいですが、外壁の塗料に含まれる顔料は紫外線によって劣化して分解されます。分解された顔料は粉状になって雨などによって流されて徐々に色褪せていきます。
完全に塗膜がなくなってしまうほど色褪せていなければすぐに塗装をする必要はありませんが、色褪せている状態は美観という観点でも良くないため塗装を検討する段階に入ったと考えてよいでしょう。
チョーキング
チョーキングとは外壁を触ったときに白い粉のようなものが手に付着する現象で、白亜化現象とも呼ばれます。手についた白い粉は上で説明した顔料です。手につくということは簡単に落ちてしまう状態ということであり、塗膜による保護効果はほぼ失われてきていると考えて問題ありません。
チョーキングが更に進行すると白い粉ではなく塗料そのものの色が手に付着します。この状態であれば外壁塗装業者に連絡をして状態を診てもらうことをおすすめします。
クラック・ひび割れ
クラックとは外壁に入ったひび割れのことを指し、ひび割れの大きさによって呼び方も異なります。
ヘアクラックと呼ばれるひび割れはその名の通り髪の毛のように細いひびで、0.3mm以下の幅で深さも浅い状態です。ヘアクラックは固まった塗膜に入ったひび割れなので初期症状として経過観察の判断をされることが多いです。
構造クラックは建物の構造部分である下地にまで及んでいるひび割れを指し、ヘアクラックより幅も広いのが特徴です。塗膜の劣化よりも地震などが原因でズレが生じて発生したひびなので悪化する前に対処をするようにしましょう。
乾燥クラックはモルタル外壁のようなが壁材に発生するひび割れで、水分の蒸発によって外壁材が収縮し、それによって塗料がひび割れしている状態です。外壁材にひびが入っているわけではないため内部に水が侵入するケースは少ないですが下地の乾燥前に塗装をしたために発生するひび割れです。
塗膜の剥がれ、浮き
塗膜の剥がれや浮きといった症状は外壁材と塗膜との間に湿気が溜まることで発生します。塗装から2年ほどで発生するようであれば下地処理が不十分であったり、下塗りをした塗料の乾燥が足りなかったりなどの施工不備が疑われます。塗装から5年以上が経過しているようであれば塗膜の劣化により生じた亀裂や穴から雨水が侵入したことで発生した経年劣化と考えられます。
いずれの場合でも湿気がたまることで外壁材が傷む原因となるため早めに塗装専門業者に相談することをおすすめします。症状の進行具合や原因から対策を練ってもらい、正しい補修をしてもらいましょう。
カビや苔
外壁に生えたカビや苔は日当たりの悪い北側の壁や、近くに植物が生い茂るような多湿な場所でよく見られます。塗膜による保護効果が弱まることで防水機能が失われた結果、外壁の表面に水分が付着し続け、さらに風通しの悪さなどが重なることでこれらの症状となってあらわれます。
初期の状態であれば柔らかいブラシで擦ることで落とすことができ、定期的に掃除を行うことで予防も可能ですが防水機能が切れているため早めの再塗装をおすすめします。一度カビや苔が生えてしまうと常に湿度が高い状態となるので放置すると外壁材が腐食するなどの被害が発生します。外壁材が傷む前に施工をしましょう。
シーリングの痩せ、ひび割れ
シーリング(コーキング)とは外壁のパネルとパネルの目地(隙間)に充填する変成シリコーンなどを原料としたクッション材です。サイディング系の外壁は複数のパネルを張り合わせて作られるので目地が存在します。目地から雨水が侵入しないよう隙間を埋めるのがシーリング材です。また、地震などで建物がズレてもシーリング材によるクッション性によって外壁材同士がぶつかって劣化しないためとしても有用です。
そんなシーリング材ですが紫外線などの影響で5年~10年で寿命を迎えます。劣化症状としては温度変化による伸縮によるひび割れや成分が外や流れ出てしまうことによる痩せで、シーリング本来の役割を果たせない状態です。この状態では前述したような機能がないのでシーリング工事を依頼しましょう。
シーリング工事は古いシーリングを撤去せず上から充填をする増し打ちと既存のシーリングを撤去して新たに充填する打ち替えの2工法があります。基本的には打ち替えで対応しますが防水シートに傷をつけてしまう可能性のある場所などでは増し打ちで対応することもあります。
雨漏り
雨漏りは住宅に発生する症状としてはかなり重度な症状で早急に対応をする必要があります。雨漏りの原因としては塗膜による防水が切れた結果、雨水が侵入して外壁材を劣化させているパターンとクラックなどから侵入した雨水が内部へ侵入している状態が考えられます。
天井や壁にシミのようなものを確認したら早い段階で専門業者へ連絡をして原因調査を行い、正しい対処を行いましょう。雨漏りの原因調査は大工や塗装業者に依頼することもできますが、なかでも雨漏り診断士の資格を持っている業者に依頼すると安心です。