外壁塗装を行うメリットとは?
外壁塗装にはさまざまな意味があり、快適に暮らすためには必要不可欠な工事です。本項では外壁塗装を行うメリットについて解説します。
美観性の向上
外壁塗装のメリットとして、まずは美観性の向上が挙げられます。塗料を新しくすることで新築同様の見た目を手に入れることができ、自分好みの色や艶に仕上げることができます。家は仕事の日でも休みの日でも毎日目にするものなのできれいであればその分気分も上がるでしょう。また、友人や家族などの来客時にも外観がきれいであるメリットは大きいです。
建物を保護して寿命を伸ばす
外壁塗装は美観以外に建物自体の保護を目的として行われます。外壁や屋根は晴れの日であれば直射日光を、雨や雪、雹などあらゆる天候を受けています。そのため外壁材は建材の中でもダメージを受けやすく、家を長持ちさせるためにはこれらの保護が必要です。
建物を保護し、長く安心して生活できるようにするために都度外壁材を交換していてはお金の無駄です。塗装によるコーティングを施すことでこれらのダメージから外壁を守るのが効率的かつ経済的です。しかし、完全に保護することはできないので30年~50年を目安に外壁材の上張りや張替えも検討してください。
劣化を防いで快適な生活を守る
住宅の劣化を防ぐということには建物の保護以外に快適な生活を守るという意味があります。たとえば塗装を怠ったことで外壁材が劣化し、腐食してしまうと雨漏りの原因になることがあります。雨漏りは生活をするうえで不快なだけでなく、湿気によってカビが生えれば病気の原因にもなります。
外壁材が劣化してしまうと生活に与える影響が大きく、地震などの災害時にも倒壊しやすくなるデメリットばかりがあるので自分や家族の快適な生活を守るという意味でも外壁塗装が必要なことがわかります。家は長く生活するためのものなので今だけでなく今後のことまで考えてメンテナンスを行いましょう。
遮熱や断熱による省エネ
高機能塗料と呼ばれる性能の高い塗料や特定の効果を持つような塗料で塗装をすれば掃除の手間を減らしたりすることも可能です。たとえば遮熱塗料や断熱塗料を使って塗装を行えば夏の暑さや冬の寒さに対して不快感を抱きにくく、エアコンや暖房による省エネ効果も期待できます。高機能な塗料は塗装費用こそ高くなりますが、省エネができるものであれば経済的にもおすすめです。
高機能塗料には光触媒による耐汚染性や防音に期待できるものなどさまざまな塗料が日々塗料メーカーによって開発されています。現在抱えている住宅の悩みが解決できる塗料があるかも併せて確認しておくと外壁塗装によるメリットを最大限享受することができるでしょう。
外壁塗装の流れはどんな感じ?
本項では外壁塗装を行う際の流れについて順序立てて解説していきます。
外壁塗装の流れ
- 見積もりを依頼する
- 比較・検討して業者を決める
- 工事請負契約を締結する
- 近隣へ挨拶を行う
- 足場の仮設・養生
- 下地処理・塗装工事
- アフターフォロー
見積もりを依頼する
はじめに行うのは見積もりの依頼です。評判やホームページ、チラシなどを見て良さそうだなと感じた塗装業者に連絡をして見積もりを取得しましょう。
見積もりは1社から取るのではなく3社ほどを目安に相見積もりを行いましょう。相見積もりをすることで複数の業者から意見を聞くことができるのはもちろんですが金額や対応を比較して依頼先を決めることができます。無料で見積もりを作成してくれる業者が多く、見積もりを依頼したのに断りにくいと感じる方も少なくありませんが、相見積もりをせずに業者を決めるのは危険なので必ず相見積もりをするようにしましょう。
優良な業者であれば相見積もりであることを伝えても嫌な顔をせずに丁寧に見積もりを作成し、アドバイスをくれることが多いです。このように相見積もりは金額比較以上に大きな役割があります。
比較・検討して業者を決める
相見積もりを取得したらその中から依頼する業者を選びます。選ぶ基準は人それぞれ異なるので自分が何を重要視するのかで選択しましょう。
仮に金額を重視するのであれば安い業者を、アフターフォローを重視するのであれば手厚いサポート体制があるところを選ぶなど自分の中で明確にしておくことが重要です。ここで注意をしたいのは同条件で比較するという点です。極論ですが全工程100万円の業者と足場抜きで80万円の業者では一見すると後者のほうが安く感じますが、総額費用で比較すると後者のほうが高かったということもあります。費用が同じでも塗料のグレードが違うなど正しく比較できるように同条件で見積もりをお願いしましょう。
工事請負契約を締結する
依頼する業者が決まったら契約を結びます。契約書は隅々まで目を通して自分の要望通りの工事が行われるかなどを確認してからサインをしましょう。
契約書に関するトラブルでは付帯物の塗装が含まれていないために追加料金が発生してしまったようなケースや、アフターフォローに関する内容が記載されてなかったためにサポートを受けられなかったなどのケースがあり得ます。後々のことまで考えて必要な情報が記載されているか確認をし、すり合わせをしておくことが重要です。
多くのケースでは施工前に着手金のような形で3割~5割ほどの金額を前払いで支払うことがあります。期日を遅れると施工日程に響くこともあるので遅れずに支払いをしましょう。
近隣へ挨拶を行う
工事が始まると日中は音が鳴ることもありますし、塗料の臭いが周囲の住宅にも影響を与えます。特に足場を建設していることで隣家の室内が見えてしまうなどプライバシーの観点でも配慮が必要です。可能であれば周囲の家に挨拶をしておくとよいでしょう。
住民トラブルとして騒音被害や職人のポイ捨てなどが原因で住みづらい環境になってしまったという話も少なくはありません。あらかじめ一言声をかけておくことで良好な関係を築けるよう工夫してみてください。
足場の仮設・養生
塗装工事を行う前に足場の仮設を行います。足場は職人が安全に作業をするためには必要不可欠なものです。特殊な立地によって仮設ができない状態を除いて基本的に作業は行われます。
足場と同時に行われるのが養生です。外壁塗装の現場では家を囲うように組まれた足場と、それを覆うようにネットのようなものがかかっているのを見たことはないでしょうか。塗料が風に乗って飛んでしまうと周囲の家や車、洗濯物に付着してしまうのでこれを防ぐために養生ネットも同時に必要です。
下地処理・塗装工事
足場の仮設が終わったら下地処理をしていきます。外壁塗装では塗料の性能を最大限に引き出すために下地処理を行います。施工後は見えなくなってしまう部分ではありますがここを怠ると塗料が浮いてしまったり、ひび割れが起こったりなど施工不良に繋がります。家の劣化状態を見ながら適切な下地処理を行うことで塗料本来の性能で塗装をします。
下地処理のあとは塗装です。塗料によって塗り方や塗る回数が異なりますが一度塗装をし、乾燥してから再度塗ります。こうすることで色をはっきりとさせるだけでなく塗料に厚みを持たせて保護効果を得ます。
アフターフォロー
工事が完了したら足場を撤去して工事は完了です。施工後に気になることがあれば塗装をした会社の担当に相談をするようにしましょう。
また、施工後の定期点検は可能な限りお願いするようにしましょう。普段から家を見ていると色褪せていたとしてもあまり気付きづらく、屋根など見ることが少ない場所に至ってはわざわざ見るのは危険です。定期的な点検をアフターサポートとして用意している会社に依頼したのであれば日程を合わせて点検をお願いし、なにか不具合があったときに早期対応ができる体制を整えておきましょう。
外壁塗装を行う最適なタイミングとは?
本項では外壁塗装は何年おきにすべきなのか、また外壁塗装に適した季節について解説します。
10年を目安として塗装を検討
外壁塗装を行う目安は築10年のタイミングで初めての外壁塗装を行い、以降も10年おきを目安にメンテナンスをしていくのが目安です。
なぜ10年おきかと言うと新築時に使用した塗料はおよそ10年の耐用年数の塗料が用いられることが多く、築10年頃には色褪せやチョーキングといった外壁の劣化症状があらわれ始めるためです。家の劣化症状は日当たりの良さや周囲の環境によっても変わるため一概には言えませんが10年を迎える前には一度外壁塗装業者やハウスメーカーに依頼して点検してもらうことをおすすめします。
2回目以降の外壁塗装のサイクルは使用した塗料によって異なります。しかし、2回目の塗装を迎える頃には築年数も長くなり、外壁材や屋根の劣化も意識しなければならなくなってくるので、使用した塗料に関わらず点検をおすすめします。外壁塗装は美観を保つためだけでなく外壁材を紫外線や雨から守るために必要です。塗膜が劣化する前に対処ができればその分家の寿命も伸ばせるというわけです。
外壁の劣化状態を見て判断
塗装工事をおこなうタイミングは自身で判断するのはなかなか難しく、基本的には外壁塗装のプロに判断を仰ぐのがおすすめです。特に色褪せのような変化は毎日家を見ていると気づきにくく、八軒が遅れる可能性もあります。また、どの程度塗膜が劣化しているのか、外壁の状態はどうなのかは外装劣化診断士や外壁診断士などの資格があるように専門知識の分野です。誤った判断は危険なため任せることをおすすめします。
外壁の劣化状態にはいくつかの段階があり、色褪せやチョーキングは劣化の初期症状です。すぐに施工が必要というわけではありませんが、確認したら塗装業者を探し始めるといった塗装の準備を行う必要があります。
塗膜の浮きや剥がれ、クラックと呼ばれるひび割れが確認できるようであれば早めの外壁塗装が必要な状態です。この状態では外壁材へのダメージも考えられるのですぐに業者を探してメンテナンスを行いましょう。
塗装工事に最適な季節
塗装工事を行うベストな季節は春や秋、月で言うと3月~5月、9月~10月がベストな時期とされています。これは天候が比較的安定しており、温度や湿度も塗料が乾燥するのに最適なためです。
春に塗装を行うメリットは気温が徐々に高くなる時期のため塗料が乾燥しやすい点が挙げられます。梅雨に入ってしまうと天候が安定せず工期が延びるようなケースがあるためそれまでに工事が完了できるように日程を組むのがおすすめです。
夏は気温が高いことから塗料の乾燥が早く、日が長いこともあり工期を短く終わらせることが期待できます。一方で梅雨や台風が重なることで工期が延びることは頭に入れておきましょう。また、塗装中に窓を開けることができないタイミングがあるので熱中症にも気をつける必要があります。
梅雨の時期は施工には不向きですが、職人の手が空きやすいため安価で施工できるキャンペーンが行われている可能性もあります。
秋は気温が安定し、空気も乾燥し始めるためベストシーズンと言われる時期です。台風のシーズンでもあるので注意は必要ですがこれを除けば施工中の環境も過ごしやすくおすすめです。
冬は空気が乾燥しているという点では施工に向いていますが、気温が低く塗料の乾燥温度を下回る場合は施工ができないため注意が必要です。とくに降雪地域では施工不可な期間が続くので緊急時を除いて基本的に塗装はしないほうがよいでしょう。日照時間が短いため工事できる時間も短く工期も長くなりがちです。
外壁の劣化症状と原因を知って賢くメンテナンス
外壁のメンテナンスを行う際には劣化症状を正しく理解してメンテナンスの時期を決める必要があります。本項では外壁に発生する劣化症状について詳しく解説します。
外壁の劣化症状
- 色褪せ
- チョーキング
- クラック・ひび割れ
- 塗膜の剥がれ、浮き
- カビや苔
- シーリングの痩せ、ひび割れ
- 雨漏り
色褪せ
外壁の色褪せは最も初期の劣化症状として挙げられます。毎日家を見ているとなかなか気づきにくいですが、外壁の塗料に含まれる顔料は紫外線によって劣化して分解されます。分解された顔料は粉状になって雨などによって流されて徐々に色褪せていきます。
完全に塗膜がなくなってしまうほど色褪せていなければすぐに塗装をする必要はありませんが、色褪せている状態は美観という観点でも良くないため塗装を検討する段階に入ったと考えてよいでしょう。
チョーキング
チョーキングとは外壁を触ったときに白い粉のようなものが手に付着する現象で、白亜化現象とも呼ばれます。手についた白い粉は上で説明した顔料です。手につくということは簡単に落ちてしまう状態ということであり、塗膜による保護効果はほぼ失われてきていると考えて問題ありません。
チョーキングが更に進行すると白い粉ではなく塗料そのものの色が手に付着します。この状態であれば外壁塗装業者に連絡をして状態を診てもらうことをおすすめします。
クラック・ひび割れ
クラックとは外壁に入ったひび割れのことを指し、ひび割れの大きさによって呼び方も異なります。
ヘアクラックと呼ばれるひび割れはその名の通り髪の毛のように細いひびで、0.3mm以下の幅で深さも浅い状態です。ヘアクラックは固まった塗膜に入ったひび割れなので初期症状として経過観察の判断をされることが多いです。
構造クラックは建物の構造部分である下地にまで及んでいるひび割れを指し、ヘアクラックより幅も広いのが特徴です。塗膜の劣化よりも地震などが原因でズレが生じて発生したひびなので悪化する前に対処をするようにしましょう。
乾燥クラックはモルタル外壁のようなが壁材に発生するひび割れで、水分の蒸発によって外壁材が収縮し、それによって塗料がひび割れしている状態です。外壁材にひびが入っているわけではないため内部に水が侵入するケースは少ないですが下地の乾燥前に塗装をしたために発生するひび割れです。
塗膜の剥がれ、浮き
塗膜の剥がれや浮きといった症状は外壁材と塗膜との間に湿気が溜まることで発生します。塗装から2年ほどで発生するようであれば下地処理が不十分であったり、下塗りをした塗料の乾燥が足りなかったりなどの施工不備が疑われます。塗装から5年以上が経過しているようであれば塗膜の劣化により生じた亀裂や穴から雨水が侵入したことで発生した経年劣化と考えられます。
いずれの場合でも湿気がたまることで外壁材が傷む原因となるため早めに塗装専門業者に相談することをおすすめします。症状の進行具合や原因から対策を練ってもらい、正しい補修をしてもらいましょう。
カビや苔
外壁に生えたカビや苔は日当たりの悪い北側の壁や、近くに植物が生い茂るような多湿な場所でよく見られます。塗膜による保護効果が弱まることで防水機能が失われた結果、外壁の表面に水分が付着し続け、さらに風通しの悪さなどが重なることでこれらの症状となってあらわれます。
初期の状態であれば柔らかいブラシで擦ることで落とすことができ、定期的に掃除を行うことで予防も可能ですが防水機能が切れているため早めの再塗装をおすすめします。一度カビや苔が生えてしまうと常に湿度が高い状態となるので放置すると外壁材が腐食するなどの被害が発生します。外壁材が傷む前に施工をしましょう。
シーリングの痩せ、ひび割れ
シーリング(コーキング)とは外壁のパネルとパネルの目地(隙間)に充填する変成シリコーンなどを原料としたクッション材です。サイディング系の外壁は複数のパネルを張り合わせて作られるので目地が存在します。目地から雨水が侵入しないよう隙間を埋めるのがシーリング材です。また、地震などで建物がズレてもシーリング材によるクッション性によって外壁材同士がぶつかって劣化しないためとしても有用です。
そんなシーリング材ですが紫外線などの影響で5年~10年で寿命を迎えます。劣化症状としては温度変化による伸縮によるひび割れや成分が外や流れ出てしまうことによる痩せで、シーリング本来の役割を果たせない状態です。この状態では前述したような機能がないのでシーリング工事を依頼しましょう。
シーリング工事は古いシーリングを撤去せず上から充填をする増し打ちと既存のシーリングを撤去して新たに充填する打ち替えの2工法があります。基本的には打ち替えで対応しますが防水シートに傷をつけてしまう可能性のある場所などでは増し打ちで対応することもあります。
雨漏り
雨漏りは住宅に発生する症状としてはかなり重度な症状で早急に対応をする必要があります。雨漏りの原因としては塗膜による防水が切れた結果、雨水が侵入して外壁材を劣化させているパターンとクラックなどから侵入した雨水が内部へ侵入している状態が考えられます。
天井や壁にシミのようなものを確認したら早い段階で専門業者へ連絡をして原因調査を行い、正しい対処を行いましょう。雨漏りの原因調査は大工や塗装業者に依頼することもできますが、なかでも雨漏り診断士の資格を持っている業者に依頼すると安心です。
外壁塗装では相見積もりを
信頼できる外壁塗装業者を見つけるためには相見積もりが非常に重要になります。
例えば、1社のみに見積もりを依頼した場合、提示された工事内容や金額が妥当なのかを判断することができず、それが信頼できない悪質な業者だった場合でも判断することができません。
そのため手間はかかりますが、できれば3社以上での相見積もりが望ましいです。
理由としては、2社での相見積もりとなると、お互い違う工事内容を提示してきた場合、そのどちらが妥当かを判断することが出来ないためです。
そのため、信頼できる業者を見つけるための妥当性があるのが3社以上となりますので、できれば3社以上で相見積もりを依頼しましょう。