外壁塗装で失敗しないための業者の選び方
外壁塗装は決して安い買い物ではないので失敗は絶対に避けたいものです。ここでは外壁塗装で後悔しないためにできる業者を選ぶときのポイントを解説します。
業者を選ぶときに見ておくべきポイント
- 相見積もりを取って適正費用を知っておく
- アフターフォローが充実した業者がおすすめ
- 施工実績が豊富で経験がある職人がいる
- 職人が持つ資格や許認可はあるか
- 担当者の対応は親切かどうか
相見積もりを取って適正費用を知っておく
すでに塗料が決まっている場合では同条件で見積もりを作成してもらうことで業者ごとの費用の違いがわかります。また、詳細が決まっていない場合にはその会社の考える最適な塗装プランで見積もりをしてもらうことで工事内容の比較ができます。
アフターフォローが充実した業者がおすすめ
実際に外壁塗装を依頼する際には金額も重要ですがアフターフォローにも重きを置いて業者を選ぶのがおすすめです。外壁塗装は頻繁に行うものではなく、塗装から10年近くは再塗装をしない前提で依頼します。施工直後に不具合が出るようなケースも多くはなく、たいていは数年が経ち、劣化が早いことで不具合に気づきます。そのためその時期までアフターフォローとしてサポート体制のある会社であれば安心できます。
地域に根付いた業者であれば環境も把握していることから施工不備となるケースも避けやすく、次回の塗装までメンテナンスを任せて再度依頼をすると行ったおうちのかかりつけ医のような関係を目指すこともできるでしょう。
施工実績が豊富で経験がある職人がいる
職人の勘などという言葉があるように、長年塗装業界で活躍している職人であれば現場を収める能力も高いのが事実です。経験が豊富であれば施工前の点検時にも確かな目で最適なプランを提案してくれますし、劣化に対して正しい対処をしてくれることに期待ができます。
塗装会社のホームページで「創業n年の実績!」などと書かれているのはそれだけ長く安定して依頼を受けている証拠でもあるので業者選びの参考としてみてもよいでしょう。
職人が持つ資格や許認可はあるか
職人の腕や会社のことを知るのは経験だけでなく資格で見るという方法もあります。たとえば塗装工事では必須ではありませんが建設業許可を受けている会社であれば大きな工事を請け負っている可能性もあり信頼感としては高めです。特に注目したい資格や許認可は下記のようなもの。一つの指標として参考にしてください。
資格や許認可の例
- 足場の組み立て等主任者:足場が自社施工なら必須
- 一級塗装技能士:高い塗装技能を認められている証拠
- 外壁劣化診断士:必要な工事やメンテナンス計画を理解している
- カラーコーディネーター:色選びの相談で心強い…かも?
担当者の対応は親切かどうか
最後にお伝えしたいのは担当者の対応です。業者によってサービスや費用に差はあれど優良業者であれば大きな差はありません。そこで大事になってくるのは担当者の対応です。
たとえば同じ工事費用であれば親身になって相談に乗ってくれる担当の方が安心して工事の依頼もできるでしょう。外壁塗装は費用が高い分不安も大きいため小さな疑問でもきちんと答えてくれる担当の方が今後のアフターフォローなども考えると安心できるのではないでしょうか。最後は人と人の付き合いなので自分がここなら大丈夫と思った業者に依頼するようにしましょう。
坪数 |
塗装面積 |
費用相場 |
10坪 |
40㎡ |
約20万円~40万円 |
20坪 |
79㎡ |
約40万円~70万円 |
30坪 |
119㎡ |
約60万円~100万円 |
40坪 |
158㎡ |
約80万円~130万円 |
50坪 |
198㎡ |
約100万円~160万円 |
60坪 |
238㎡ |
約120万円~200万円 |
70坪 |
277㎡ |
約140万円~230万円 |
100坪 |
396㎡ |
約200万円~320万円 |
塗料の種類 |
1㎡あたりの費用相場 |
耐久年数 |
アクリル塗料 |
1,000円~1,800円 |
3年~8年 |
ウレタン塗料 |
1,400円~2,500円 |
5年~10年 |
シリコン塗料 |
1,800円~3,500円 |
7年~15年 |
ラジカル塗料 |
2,200円~2,800円 |
10年~13年 |
フッ素塗料 |
3,000円~5,000円 |
15年~20年 |
セラミック塗料 |
3,500円~5,000円 |
10年~25年 |
無機塗料 |
3,500円~5,500円 |
15年~20年 |
外壁の劣化症状と原因を知って賢くメンテナンス
外壁のメンテナンスを行う際には劣化症状を正しく理解してメンテナンスの時期を決める必要があります。本項では外壁に発生する劣化症状について詳しく解説します。
外壁の劣化症状
- 色褪せ
- チョーキング
- クラック・ひび割れ
- 塗膜の剥がれ、浮き
- カビやコケ
- シーリングの痩せ、ひび割れ
- 雨漏り
色褪せ
外壁の色褪せは最も初期の劣化症状として挙げられます。毎日家を見ているとなかなか気づきにくいですが、外壁の塗料に含まれる顔料は紫外線によって劣化して分解されます。分解された顔料は粉状になって雨などによって流されて徐々に色褪せていきます。
完全に塗膜がなくなってしまうほど色褪せていなければすぐに塗装をする必要はありませんが、色褪せている状態は美観という観点でも良くないため塗装を検討する段階に入ったと考えてよいでしょう。
チョーキング
チョーキングとは外壁を触ったときに白い粉のようなものが手に付着する現象で、白亜化現象とも呼ばれます。手についた白い粉は上で説明した顔料です。手につくということは簡単に落ちてしまう状態ということであり、塗膜による保護効果はほぼ失われてきていると考えて問題ありません。
チョーキングが更に進行すると白い粉ではなく塗料そのものの色が手に付着します。この状態であれば外壁塗装業者に連絡をして状態を診てもらうことをおすすめします。
クラック・ひび割れ
クラックとは外壁に入ったひび割れのことを指し、ひび割れの大きさによって呼び方も異なります。
ヘアクラックと呼ばれるひび割れはその名の通り髪の毛のように細いひびで、0.3mm以下の幅で深さも浅い状態です。ヘアクラックは固まった塗膜に入ったひび割れなので初期症状として経過観察の判断をされることが多いです。
構造クラックは建物の構造部分である下地にまで及んでいるひび割れを指し、ヘアクラックより幅も広いのが特徴です。塗膜の劣化よりも地震などが原因でズレが生じて発生したひびなので悪化する前に対処をするようにしましょう。
乾燥クラックはモルタル外壁のようなが壁材に発生するひび割れで、水分の蒸発によって外壁材が収縮し、それによって塗料がひび割れしている状態です。外壁材にひびが入っているわけではないため内部に水が侵入するケースは少ないですが下地の乾燥前に塗装をしたために発生するひび割れです。
塗膜の剥がれ、浮き
塗膜の剥がれや浮きといった症状は外壁材と塗膜との間に湿気が溜まることで発生します。塗装から2年ほどで発生するようであれば下地処理が不十分であったり、下塗りをした塗料の乾燥が足りなかったりなどの施工不備が疑われます。塗装から5年以上が経過しているようであれば塗膜の劣化により生じた亀裂や穴から雨水が侵入したことで発生した経年劣化と考えられます。
いずれの場合でも湿気がたまることで外壁材が傷む原因となるため早めに塗装専門業者に相談することをおすすめします。症状の進行具合や原因から対策を練ってもらい、正しい補修をしてもらいましょう。
カビやコケ
外壁に生えたカビやコケは日当たりの悪い北側の壁や、近くに植物が生い茂るような多湿な場所でよく見られます。塗膜による保護効果が弱まることで防水機能が失われた結果、外壁の表面に水分が付着し続け、さらに風通しの悪さなどが重なることでこれらの症状となってあらわれます。
初期の状態であれば柔らかいブラシで擦ることで落とすことができ、定期的に掃除を行うことで予防も可能ですが防水機能が切れているため早めの再塗装をおすすめします。一度カビやコケが生えてしまうと常に湿度が高い状態となるので放置すると外壁材が腐食するなどの被害が発生します。外壁材が傷む前に施工をしましょう。
シーリングの痩せ、ひび割れ
シーリング(コーキング)とは外壁のパネルとパネルの目地(隙間)に充填する変成シリコーンなどを原料としたクッション材です。サイディング系の外壁は複数のパネルを張り合わせて作られるので目地が存在します。目地から雨水が侵入しないよう隙間を埋めるのがシーリング材です。また、地震などで建物がズレてもシーリング材によるクッション性によって外壁材同士がぶつかって劣化しないためとしても有用です。
そんなシーリング材ですが紫外線などの影響で5年~10年で寿命を迎えます。劣化症状としては温度変化による伸縮によるひび割れや成分が外や流れ出てしまうことによる痩せで、シーリング本来の役割を果たせない状態です。この状態では前述したような機能がないのでシーリング工事を依頼しましょう。
シーリング工事は古いシーリングを撤去せず上から充填をする増し打ちと既存のシーリングを撤去して新たに充填する打ち替えの2工法があります。基本的には打ち替えで対応しますが防水シートに傷をつけてしまう可能性のある場所などでは増し打ちで対応することもあります。
雨漏り
雨漏りは住宅に発生する症状としてはかなり重度な症状で早急に対応をする必要があります。雨漏りの原因としては塗膜による防水が切れた結果、雨水が侵入して外壁材を劣化させているパターンとクラックなどから侵入した雨水が内部へ侵入している状態が考えられます。
天井や壁にシミのようなものを確認したら早めの段階で専門業者へ連絡をして原因調査を行い、正しい対処を行いましょう。雨漏りの原因調査は大工や塗装業者に依頼することもできますが、なかでも雨漏り診断士の資格を持っている業者に依頼すると安心です。