確定申告に必要な登記事項証明書とは?有効期限や取得方法を徹底解説

不動産売却

不動産の取引や相続があった翌年の確定申告では、登記事項証明書が必要です。登記事項証明書とは、どのような書類なのかご存じでしょうか?

登記事項証明書には種類があったり、取り扱いには注意事項があることなどから、実は事前に把握しておかなければならないことがいくつかあります。

本記事では、登記事項証明書に関する確定申告での必要性や取得方法、注意事項について網羅しています。家や土地を売却したり購入したりした場合は、翌年の確定申告に備え、事前にしっかりと知識を取り入れておきましょう。

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登記事項証明書とは

不動産売却における確定申告には登記事項証明書が必要です。まずは、その登記事項証明書がどのようなものなのかを解説します。

登記事項を証明する書類

「登記」とは、建物・土地などの所有権に関する事項のことで、住宅ローンを組んでいる金融機関が設定した抵当権の情報も含まれています。これには現在の情報だけではなく、過去の所有者や抵当権者(金融機関)の情報も明記されており、その不動産を今まで誰がどのように所有してきたのかを、時系列で確認することができます。

登記事項は法務局にて電子データで保管されており、不動産の売買や相続によって所有権が変わる際は、必ず登記(名義変更)の手続きをしなくてはなりません。登記事項証明書とは、このような登記事項を記載された証明書類のことです。

なお同じ登記事項を証明する書類として、かつて使用されていた登記簿謄本があります。こちらは、1989年に商業登記法が改正されるまで導入されていた紙媒体の書類です。登記事項証明書は、もともと紙上で管理していた登記事項を、システム上で管理できるようにしたものです。登記法改正前の名残で、現在も不動産取引の場面で登記事項証明書を「登記簿謄本」と呼んでいるケースもあります。

有効期限が定められていない

通常、公的なシーンで必要になる証明書には「発行から3ヶ月以内のもの」など、条件が定められている場合が多くありますが、登記事項証明書については有効期限が設けられていません。あくまでも、最新の登記事項が記載されているものかどうかがポイントで、発行時期のタイミングは気にしなくても大丈夫です。

ただし、住宅ローンの申請時に必要な登記事項証明書などで「発行から〇ヶ月以内のものを用意するように」と言われることもあります。その際は期限内に準備する必要があるため、事前に期限の制約があるのかを金融機関に確認しておきましょう。

種類が全部で4種類ある

登記事項証明書は以下の4つに分けられ、物件の種類によって使い分ける必要があります。

種類 内容 使用場面
現在事項証明書 現時点の権利情報を記載 金融機関や税務署などへ現在の権利状況を示す際
履歴(全部)事項証明書 現在と過去の権利情報を記載 戸建ての確定申告
閉鎖事項証明書 合筆や取り壊しなどで閉鎖された権利情報を記載 土地の性質を調査する際
一部事項証明書 不動産の特定部分の権利情報のみ記載 分譲マンションの確定申告

確定申告に必要な登記事項証明書は?

上記の表の通り、戸建て住宅であれば履歴(全部)事項証明書、分譲マンションであれば一部事項証明書と覚えておきましょう。マンション一戸を所有している場合に、履歴(全部)事項証明書を請求すると、マンション一棟分の登記事項がすべて記載されてしまうため、不要な情報が多すぎて処理に手間がかってしまいます。

また現在事項証明書は差し押さえを受けたり、抵当権を抹消されたりした過去の情報などは記載されず、現在の不動産の登記事項をよりシンプルに確認できる証明書です。そのため、金融機関や税務署など公的機関への証明書類として適していますが、不動産の確定申告の場合は、過去の情報も載っている証明書を使用することが一般的です。

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登記事項証明書の取得方法

続いて、登記事項証明書の取得方法について具体的に見ていきましょう。以下の4つの方法で入手することができます。

  • 登記所・法務局証明サービスセンターで請求
  • 郵送で取得
  • 法務局のホームページから請求
  • 証明書発行請求機で取得

登記所・法務局証明サービスセンターや郵送で請求する場合は、請求書を法務局へ提出する流れになります。請求書は法務局の窓口受け取りか、法務局のホームページからダウンロードが可能です。

それぞれの取得方法を詳しく説明するので、自分に合った方法で請求しましょう。

登記所・法務局証明サービスセンターで取得する

急いでいる場合は即日発行可能な登記所や、法務局証明サービスセンターでの取得がおすすめです。最寄りの法務局窓口で請求した場合は、大体30分前後で取得することができ、証明書の発行には規定の手数料がかかります。手数料は登記事項証明書1部につき600円で、現金ではなく収入印紙を請求書に添付することで納付します。

なお法務局は通常、平日8:30〜17:15のみ開庁しているので、平日の日中に来所できる方に適しているといえるでしょう。

郵送で取得する

登記事項証明書は郵送でも受け取ることができます。郵送の場合も手数料は600円かかり、その分を収入印紙として請求書に貼り、返送用切手を貼った封筒も同封して送付します。切手代は、1部の請求であれば82円で足りるはずですが、複数請求する場合は事前に郵便局へ相談してみましょう。

郵送での取得方法は、法務局の窓口まで行くタイミングがない場合に適していますが、こちらから発送してその後返送されるのを待たなければなりません。そのため、手元に届くまでに5〜10日前後はみておいたほうがよいでしょう。

法務局のホームページから請求する

法務局のホームページからオンライン上で簡単に請求することもできます。まずは、法務局が運営している登記・供託オンライン請求システムへアクセスし、初回のみ請求者情報を登録しましょう。次に、「かんたん証明書請求」サービスからログインして書類請求を行い、取得方法を郵送または窓口受け取りから選択します。

発行手数料は郵送の場合は1部につき500円、窓口の場合は480円で、他の取得方法よりも安くて便利です。手数料の支払いも、クレジット払いや銀行振り込みなどから選べます。さらに受付時間も窓口より融通が利いて、平日8:30〜21:00なので、なるべく安く手間を少なくしたいという方におすすめです。

証明書発行請求機で取得する

早急に書類が欲しいという方には、最短5分で取得できる方法として、証明書発行請求機を利用するのもおすすめです。登記所や法務局サービスセンターに設置されている自動発行請求機で、即時取得できて請求書などは必要ありません

請求機の使用方法は以下の通りです。

  1. 「不動産登記」を選択
  2. 必要事項を入力
  3. 内容・手数料(600円)を確認し、氏名を入力
  4. 整理番号票発行
  5. 収入印紙を法務局の売店で購入
  6. 整理番号票を窓口に提出
  7. 配布される請求書に収入印紙を貼って提出
  8. 登記事項証明書を入手

ただし、すべての窓口にこの発行機が設置されているとは限らないため、事前に最寄りの窓口のホームページなどで確認しておきましょう。

なぜ確定申告で登記事項証明書が必要になるのか

ここまで登記事項証明書の概要や取得方法などをみてきましたが、そもそもなぜ確定申告にはこの登記事項証明書が必要なのでしょうか。この章では、その必要性をチェックしていきましょう。

住宅ローン控除の申請に必要だから

住宅ローンを組んで家を購入した場合は、翌年の確定申告で住宅ローン控除を申請すると、そこから10年間は控除を受けることができます。控除額は「年末時点での残債」と「住宅取得の対価」のどちらか小さいほうの1%が適用され、上限は40万円(10年で最大400万円)です。住宅ローン控除の申請は必須ではありませんが、申請することで所得税や住民税の節税にもつながるため、ぜひ行っておきたいところです。その際に必要になるのが登記事項証明書です。

なお、住宅ローン控除を受けるためには以下のような要件があるので、合わせて確認しておきましょう。

  • 新築、取得、増改築した住宅に居住していること
  • 住宅ローンが10年以上に設定されていること
  • 贈与により取得した住宅ではないこと
  • 新築または取得した日から6ヶ月以内に住み、その年の12月31日まで引き続き住み続けること
  • 給与などの年間所得が3,000万円以下であること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 床面積の半分以上が自分の居住用であること
  • 勤務先の住宅ローンを使う場合は金利0.2%以上であること
  • 親族・知人などから借金をしていないこと
  • 住宅として住んだ年とその前後2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得課税の特例などの適用を受けていないこと
  • 住宅ローンは金融機関や住宅金融支援機構、都市再生機構や地方住宅供給公社、建設業者の商品であること

なお初年度のみ確定申告を行えば、翌年以降は勤務先に住宅ローン特別控除証明書や年末残債証明書を提出すれば、控除を継続して受けることができます。

住宅ローン控除については、こちらの記事でも詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

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抵当権が設定されていることを証明するため

住宅ローン控除の申請では登記事項証明書が必要ですが、不動産取引が成立したことを示すのであれば、売買契約書でよいのではと考える方もいるでしょう。住宅ローン控除の申請には、金融機関が住宅を担保にとる権利が設定されていることを明らかにするための「抵当権」が必要なため、そのような情報が記載されていない売買契約書では受理されません。

また確定申告では、登記事項証明書以外にも以下のような書類も必要です。

  • 源泉徴収票
  • ローンの年末残債証明書
  • マイナンバーカードか住民票写し
  • 工事契約書

抵当権抹消手続きに関して、具体的に解説したこちらの記事も参考にしてください。

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相続税の申告に必要だから

以下のような目的で、相続にて不動産の所有者が変わる場合に登記事項証明書が必要です。

  • 非所有者が勝手に不動産を譲渡などしていないか調査するため
  • 被相続人と相続人の関係や、相続関係を証明するため

この場合の証明書は、履歴(全部)事項証明書を利用することが一般的です。

また、相続した不動産の手続きについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

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登記事項証明書を取得するときのポイント

ここからは、実際に登記事項証明書を取得する際に、知っておきたいポイントについて解説します。証明書の取得方法を決める前に、以下のような項目も事前にチェックしておきましょう。

  • 手数料が安く済むのはオンライン請求で窓口受け取り
  • 地番や家屋番号を調べておく
  • 忙しい場合は別の人に頼む

一つずつ、詳しく説明します。

手数料が安く済むのはオンライン請求で窓口受け取り

登記事項証明書の発行には手数料が発生します。ただし、取得方法によって手数料の金額が異なるので、安く済ませたい場合は法務局のホームページから請求し、窓口で直接受け取る方法がおすすめです。

各取得方法の手数料を下記にまとめました。

取得方法 1部あたりにかかる金額
登記所・法務局証明サービスセンター・証明書発行請求機 600円(収入印紙)
郵送 600円(収入印紙)+切手代
オンラインで請求し郵送で受け取る 500円(ネットバンク、ATMなど)
オンラインで請求し窓口で受け取る 480円(ネットバンク、ATMなど)

なお、オンライン請求で窓口受け取りをする場合でも、ネット設備や窓口まで来所する手間はかかるため、法務局までの交通費なども加味して検討しましょう。

地番や家屋番号を調べておく

地番と家屋番号は、登記事項証明書を取得するにあたって必ず必要になるので、スムーズに取得できるように事前に確認しておきましょう。地番は土地、家屋番号は建物へ、不動産登記を行った際に独自に割り当てられた番号で、住所とは異なります。基本的に登記事項証明書は、これらが用意できれば誰でも請求することができ、所有者や親族以外でも取得可能です。

地番と家屋番号は以下の方法で調べることができます。

  • 登記済権利証の「不動産の表示」欄を見る。マンションなどの区分所有物件に関しては、「専有部分の表示」を見る
  • 固定資産税の納税通知書を見る

忙しい場合は別の人に頼む

地番や家屋番号さえ分かれば、登記事項証明書は所有者本人以外でも請求できます。本来、登記事項証明書に記載されている内容は、本人以外が閲覧するために作成されているものなので、第三者が取得しても問題ないとされています。

法務局は平日の日中しか開庁していないことや、郵送であれば日数がかかることなどが理由で、なかなか自分で請求できない場合は、信頼できる家族や友人に依頼するのもよいでしょう。

登記事項証明書を利用する際の注意事項

登記事項証明書の基本的な内容をみてきましたが、実際に確定申告でこの証明書を使用するにあたっては、いくつか気をつけなくてはならない点もあります。最後に、登記事項証明書の取り扱いに関する注意事項を紹介します。

コピーではなく原本を提出しなければならない

確定申告では、コピーではなく必ず原本を使用しましょう。基本的に、登記事項証明書には有効期限はありませんが、コピーの場合は信用性に欠けるため、古い登記情報を使いまわしているのではないかと思われる場合があります。また、原本を改ざんしたものを使用しているのではという疑念を持たれ、手続きがスムーズに進まないかもしれません。

ただでさえ、確定申告には準備に手間も時間もかかるため、できるだけ速やかに不備なく手続きができるように、原本を用意しておくことが重要です。

なるべく新しいものを用意する

登記事項証明書には、法的な有効期限は設けられていないものの、あまりにも古い書類を提出すれば「現在の状況と変わっているのではないか」と推察される恐れがあります。そうなると、あらためて新しいものを取得しなくてはならなくなるなど、二度手間になる可能性も。

よって、他の書類などと同様に目安は3ヶ月以内として、登記事項証明書もなるべく新しいものを準備するのが望ましいでしょう。

共有名義の場合は全員分を用意する

1つの不動産に対して複数人が権利者となっている場合は、全員分の登記事項証明書が必要です。例えば、夫婦連帯名義で家を購入し、住宅ローン控除も夫婦それぞれで活用する場合は、夫と妻の両方の登記事項証明書を取得して確定申告を行う必要があります。

ただし原本は1名分のみで、他はコピーでも問題ありません。もしも夫の証明書を原本で用意する際は、妻の証明書のコピーに「登記事項証明書の原本は配偶者の書類に添付済み」などのメモを同封し、他の必要書類とあわせて税務署へ提出しましょう。

まとめ

確定申告で必要になる登記事項証明書には種類があり、不動産売買や相続があった場合の申告では、履歴(全部)事項証明書や一部事項証明書を使用するのが一般的です。また、取得方法は法務局の窓口での受け取りやホームページでの請求、証明書自動発行請求機などで取得するなどいくつか方法があります。手数料を安く済ませたい場合は、オンライン請求をして窓口での受け取りがおすすめです。

確定申告には必要書類も多く複雑な手続きが多いですが、リスクや不備を減らしてできるだけストレスなく対応したいものです。ぜひ本記事を参考に、スムーズに申告手続きを進めましょう。

なお、これから不動産売却を予定している方は不動産の一括査定サービスを活用しましょう。次の記事では、一括査定サービスを実際に利用したユーザーにアンケートを取り、人気の一括査定サービスをランキング形式で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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