新しい人生設計の方法のひとつとして、ミレニアル世代を中心に注目を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。経済的自立をして早期退職を目指すFIREですが、言葉は知っていても具体的にどのように行動をすれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
本連載では全8回にわたり、FIREの考え方、FIREを達成するための不動産投資について解説していきます。
第1回は、FIREとはどのような考え方でどう達成を目指すのか、FIREについて基本的な解説をします。
FIREとは
FIREとは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の略で、「生活するために働く」という縛りから解放された状況を指します。
つまり、早期に退職して投資の運用利益で生活を送ることをFIREといいます。
アーリーリタイア(早期退職)との違い
FIREと混同されがちなアーリーリタイアですが、若いうちにリタイアすることは共通していても明確な違いがあります。
- アーリーリタイア
貯蓄や退職金、遺産相続などで老後の生活資金を確保し、退職後はこの資金を切り崩しながら生活します。
- FIRE
投資で資産を運用することで経済的自立を確保します。本業での収入に加えて、投資などによって資産形成し、退職後は不労所得で生活します。
退職後の生活資金の確保の仕方に違いがあり、FIREは資産運用によって生じる利益で生活費を賄うので、アーリーリタイアより少ない貯蓄でも目指すことが可能です。
サイドFIRE(ハーフFIRE)
本連載ではフルFIREを前提としてその手法を解説しますが、完全に退職(リタイア)をして資産運用のみで生活するのは難しいという場合、サイドFIREというライフスタイルを選択することもできます。
資産運用をしつつ、副業などの勤労収入と合わせて生活を送るものでFIREよりも少ない資金で実現が可能です。
FIREのために必要な資産
年間支出25倍の準備資金が必要
FIREのために必要な資産は年間支出の25倍と言われています。
総務省による家計調査では、2023年の全世帯の消費支出額は1カ月あたり24万7,233円でした。年間にすると約300万円になります。
単身世帯の場合、消費支出額は1カ月あたり18万2,114円、年間約220万円です。
つまりFIRE準備資金にはおおまかな目安として5,500万円~7,500万円を要します。
また、FIREには「4%ルール」というものがあり、年間生活費を資産運用額の4%未満にすることが重要だとされています。
※FIREは米国発の概念のため、米国株式市場における平均成長率(7%)と物価上昇率(3%)をもとに算出された割合が4%です。
収入・支出・投資のバランス
それではFIREを目指すためにはどのような行動をすれば良いのでしょうか。
答えは、自身の生活スタイルやステージ、プランに合わせて収入・支出・投資のバランスを調整することです。
「たったこれだけ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、どんなに複雑なことをやったとしても、最後はこのシンプルな法則に落ち着きます。
そして日本の会社員の方であれば、上記3つの要素を調整することは比較的容易に実現可能です。
- 収入を増やす
会社員の方は「給与を上げる」ことが一番身近で取り組みやすいかと思います。資格をとる、副業をする、転職をするなど出来ることから始めてみましょう。
ただし、日本は累進課税制度を導入しており、課税所得が増えればその分納める税金も増えるのでご注意ください。
- 支出を減らす
ここでお伝えしたいのは、無理をして支出を最小化し減らすのではなく、無駄遣いがないかを確認し、自分の価値観で本当に必要なものに必要な分を支払う支出の最適化をしていただきたいということです。
食費や生活費、携帯キャリアや生命保険、光熱費などを見直してみましょう。
- 投資をする
投資信託、外貨預金、国債、株式投資、不動産投資、FX、暗号資産など投資商品は様々です。投資に正解はありませんので、自身に合った投資スタイルを確立しましょう。
不動産投資については、今後の記事でお話していきます。
次回は、詳しい目標設定について解説します。
株式会社ネクスウィル
HP:https://www.nexwill.co.jp/
新橋に本社を構える不動産会社。訳あり不動産を専門とした不動産の買取再販事業を展開するとともに、マネープロデュース事業、studyFIRE運営も行う。2019年から開催している投資セミナーの総受講人数は1000人を超える。セミナー詳細についてはコチラから