「策士」とはどんな意味? 策士の特徴も解説
「策士」とは、「策略を立てるのがうまい人」を意味します。「策士策に溺れる」ということわざを聞いたことがある人もいるはず。では、策士とは実際にどのような人をいうのでしょうか? この記事では策士の意味や使い方、策士といわれる人の特徴を紹介します。
策士と呼ばれる人は、策略を立てて物事を進めるのが上手です。
この能力は仕事や恋愛で有利に働くことがある一方、戦略的すぎて悪いイメージを持たれることも……?
この記事では、「策士」の意味や使い方、「策士」と呼ばれる人の特徴などを紹介します。
「策士」の意味や使い方とは? 褒め言葉にもなるの?
まずは「策士」の意味と使い方を確認しましょう。
「策士策に溺れる」という有名なことわざの意味と、「策士」が褒め言葉になるかどうかも解説します。
意味は「策略を立てるのがうまい人」
「策士」という言葉を辞書で調べると、以下のように解説されています。
さく‐し【策士】
策略を立てることに巧みな人。好んで事をたくらむ人。「政界の―」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり策士とは、「策略を立てることがうまい人」「時に良くないことを計画する傾向がある人」だといえます。
前者の「策略を立てることに長けている」という意味で、褒め言葉として「策士」を使う人もいるかもしれません。
しかし、「策略」とは「自分の目的を達成するために相手をおとしいれる計画」というネガティブな意味の言葉です。
そのため、褒め言葉として「策士」を使うのは、適切ではないと考えられます。
計画を立てる能力が優れている人を褒めたい時などは、「頭の回転が速い」「戦略的」といった他の言葉を使うようにした方が良いでしょう。
「策士策に溺れる」ということわざもある
策士という言葉を聞くと、「策士策に溺れる」ということわざを連想する人も多いでしょう。
「策士策に溺れる」は、辞書で以下のように説明されています。
策士(さくし)策(さく)に溺(おぼ)れる
策士は、策略に頼りすぎてかえって失敗する。
(『デジタル大辞泉』小学館)
このことわざは、策略に頼りすぎるあまり自信過剰になったり油断したりして失敗した時などに使われます。
「策士」の使い方(例文つき)
物事がうまくいくよう周到に計画を立てるような人に対し、褒め言葉として「策士」を使う人もいるかもしれません。
しかし前述したように、「策士」という言葉はネガティブな意味を持っているため、褒め言葉として使うのは適切ではないでしょう。
「策士」は、周囲から見て良くないことをくわだてるずる賢い人といったネガティブなニュアンスで使われることが多いようです。
また、策略に傾きすぎて失敗してしまった時に、「策士策に溺れる」ということわざが使えます。
以下に例文を示します。
・「彼はいわゆる策士で、自分の利益のためにうまく人を動かそうとすることがある」
・「彼女に喜んでもらいたくてあの手この手でアプローチしたが、方法にこだわるばかりで肝心の気持ちを伝えられず、振り向いてもらえなかった。策士策に溺れるとはこのことだ」
策士と呼ばれる人の特徴
周囲から「あの人は策士だ」と言われる人には、どのような特徴があるのでしょうか?
(1)頭の回転が速い
策士といわれる人は、頭の回転が速い傾向にあります。
目的を達成するための方法をすぐ思いつき、うまくいかなかった時の代案を考えるのも早いでしょう。他の人が思いつかないような妙案を打ち出すことも得意なようです。
また、「計画を進めるためのキーパーソンを見抜いて上手に頼る」という考え方もできる、器用な面もあります。
(2)人の考えを先読みできる
戦略を立てて計画通りに物事を進めるには、周囲から理解を得る必要があります。
策士といわれる人は「あの人は私の計画について、こんな反論をしてくるかもしれない」など、事前に相手の気持ちを見通して対応を考えていることも多いでしょう。
このように、人の考えを先読みできるのも、策士といわれる人の特徴です。
(3)物事を客観的に見ている
物事を進めている最中には、突発的なトラブルが起こることもあり得ます。このような障壁が現れても計画を遂行するには、冷静な判断が必要。
策士と呼ばれる人は、急なトラブルが起こった時でも適切な判断を下せるよう、客観的に物事を見ていることが多いようです。
そのため、何があっても焦らず戦略を練り直し、代案を考えることができるのでしょう。
策士はモテる?
前述したように、策士といわれる人は頭の回転が速く相手の気持ちを見通すことが得意な傾向にあります。
このような人は、どうすれば相手の気持ちをつかめるか判断し、上手にアプローチできるでしょう。
また、異性の気を引くため計画的にギャップを見せるような、いわゆる「あざとい」テクニックを使うこともあるかもしれません。
そのため、策士といわれる人の中には、モテる人もいると考えられます。
策士が気をつけたいこと
「策士」という言葉は、「自分の思い通りに物事を運ぶため、良くないことをくわだてる」というネガティブなニュアンスで使われることもあります。
策士がネガティブなイメージを持たれないためには、損得勘定に走りすぎないことが大切です。
自分の得だけでなく、周囲にとってもプラスになるか考えて戦略を練ることができれば、「頭の切れる頼もしい人」といったポジティブなイメージを持ってもらえるはず。
もう1つ注意したいのが、「策士策に溺れる」といった状況を回避すること。
策略や手段にとらわれすぎると、物事の本質を見失って失敗してしまうこともあります。戦略を立てたからといって油断せず、常に「一番大切なことは何か」を意識しましょう。
「策士」の使い方には要注意
「策士」は、「策略を立てるのがうまい」「好んで何かをたくらむ」といった意味で、ネガティブなニュアンスを持つ言葉です。
物事を計画する能力が高い人に対して褒め言葉として使われることもありますが、それは適切な使い方ではないといえます。
この場合、「戦略的」「頭の回転が速い」といったポジティブな言葉を使えば、誤解を与える心配は少ないでしょう。
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※この記事は2022年03月31日に公開されたものです