給与計算システムのメリット・デメリットを解説!

給与計算システム

給与計算システムのメリットは、バックオフィス業務の中でも負荷が大きいとされる給与計算業務の抱える課題を解決できる点にあります。本稿では、給与計算業務の課題と、システム化によるメリットとデメリットについて解説します。給与計算業務の負担を軽減したい場合は、ぜひ給与計算システムのメリットについてご確認ください。

給与計算システム導入前の課題

人手で行う給与計算業務は、さまざまな課題を抱えており、なかなか業務の効率化ができない問題があります。具体的にどのような課題があるかを整理しましたのでご確認ください。

1、給与計算業務の集中によるバックオフィス業務への負担

給与計算業務は、毎月締切日から支払日までの短期間に集中します。各部署から上がってくる勤怠データを集計し、Excelなどの管理シートを使って給与を計算して、支給額を振り込むためのデータを作成しなければなりません。

業務負荷を分散できないため、担当者には大きな負荷がかかります。

2、煩雑な計算が多く人的ミスが発生しやすい

給与計算は繁雑であり、人の手を介するとどうしてもミスをしやすい点も問題です。その月の勤務時間と時間外労働・休日深夜労働、有給休暇の取得状況や遅刻・早退・欠勤など、給与計算に必要となる項目は多くあります。

会社によっては、シフト制や営業成績のインセンティブなどを給与に反映する必要もあるでしょう。支給項目だけでなく、社会保険料や税金関連などの控除項目の計算も必要です。

3、法改正対応の負担が大きい

Excelの関数やマクロなどで計算を自動化することで、ある程度は法改正の対応可能です。しかし、数式などを修正する場面ではじゅうぶんに注意を払っていても人的ミスが発生する可能性があります。間違いのないよう、計算式の修正確認やダブルチェックなどの負担がかかります。

4、組織拡大により給与計算業務の負荷がさらに高まる

組織拡大により従業員数も増えると、給与計算業務の負荷はさらに大きくなります。組織が大きくなるにつれて、正社員だけでなくパートやアルバイトなど雇用形態のバリエーションが増えると、給与計算方法も変わるため管理も大変です。

5、給与明細などの書類印刷・配布の負担

給与明細を紙で運用していると、明細を印刷して配布する手間もかかります。テレワークや育児休暇などで出社しない従業員には、給与明細を郵送するコストも必要です。

このように、給与計算業務を手作業で進めると、給与計算業務に携わる経理部門に大きな負担がかかる傾向があります。経理部門には他にもさまざまな業務がありますが、給与計算業務をシステム化しないままだと負担は増すばかりです。

給与計算業務の課題を解消するための施策のひとつが、給与計算システムの導入です。

給与計算システム導入のメリット8つ

給与計算システムを導入するとどのようなメリットがあるでしょうか。給与計算業務の課題をどのように解決できるかも含め、順番に解説します。

1、給与計算業務の効率化による生産性向上

給与計算システムは、あらかじめ設定された自動計算ルールと従業員の情報(雇用形態など)、そして勤怠データを入力して、全従業員の自動計算を一括で行います。手作業で集計すると何日もかかっていた給与計算も、1日あれば終了します。

給与明細を印刷・配布するコスト、出社していない従業員への郵送にかかるコストも、給与明細をWeb化すること削減できます。

このように、給与計算業務全体の業務効率化が可能となり、経理部門も本来の業務に集中できるようになるため、生産性の向上も目指せます。

2、属人化を解消し引き継ぎ作業を軽減できる

給与計算業務を手作業で行っていると、どうしても作業の属人化が発生し、引き継ぎにも手間がかかります。給与計算に使用する集計シート内に記述しているマクロの仕様を引き継ぐのは大変です。

給与計算システムなら、計算式はすべてシステム内に定義しており、メンテナンス方法はマニュアル化されています。そのため作業は標準化され、引き継ぎもほぼ不要です。

3、給与自動計算による人的ミスの削減

給与計算システムでは、給与の計算に必要な設定をシステムの管理画面などを使ってあらかじめ済ませ、設定されたルールや数値を使って一括で自動計算します。

設定にミスがないかどうかを確認する必要はありますが、一度設定が終われば後は集計・計算ともに人の手が入ることはなく、人的ミスを削減できます。

4、クラウド型の場合使用するパソコンや場所を選ばない

クラウド型の給与計算システムの場合、オンラインのサービスを使うため、使用するパソコンや、接続する場所を選びません。社外からもそのまま給与計算システムを使えるため、給与計算業務のアウトソーシングも容易です。

5、セキュリティがしっかりしていて安心

オンプレミス型の給与計算システムは、社内に環境を構築するためセキュリティ面で安心です。一方クラウド型の場合は、サービス提供者がセキュリティ面の対策を行っています。

ただし念のため、クラウド型のサービスを利用する場合は、セキュリティ面の対策を確認しておくとより安心です。

6、法改正対応の負担軽減

給与計算に影響を与える法改正の対応は、基本的にシステム側で行うため、システムの利用企業側に大きな負担はありません。特にクラウド型の場合、利用企業側の対応作業は発生しない仕組みです。

オンプレミス型の場合は、システムの更新作業は発生しますが、システムの改修や設定修正はサポートサービスで実施されます。クラウド型の場合は、すべてサービス提供者が対応するため、利用企業側は何もせずに法改正対応済みの給与計算システムを利用できます。

7、雇用の多様化や人の入れ替わり・異動にも対応

給与計算システムを導入すると、新たな雇用形態や勤務形態が発生しても、システムに雇用形態や勤務形態の設定を行うだけですぐに対応可能です。

チェーン展開により新規出店や閉店などに伴う人の入れ替わりや異動が多い企業もあります。このようなケースも、人事システムから組織情報を連携することで、毎月の給与計算を問題なく行えます。

8、コンプライアンスの徹底

近年、企業は法律に則った正しい給与計算を行い、支給する仕組みを構築するよう強く求められています。給与計算システムの導入は、企業が間違いのないルールで給与を計算し、従業員への口座振込まで行うことをサポートする有効な手段です。

勤怠管理システムと連携することで、給与計算のもととなる勤怠データも自動的に入力され、不正や人的ミスを防止することもできます。

給与計算システム導入のデメリット4つ

給与計算システムの導入によるデメリットもあります。どのようなデメリットがあるかも確認しておきましょう。

1、自社に合わせたカスタマイズの費用がかさむ場合がある

自社に導入したい給与計算システムを選定してもカスタマイズが必要な場合、カスタマイズの費用が多くかかるケースがあります。

カスタマイズすることにより自社独自の計算ルールや条件を追加しやすく、自社にフィットする給与計算システムが使えます。その結果業務は最大限に効率化できますが、費用対効果は気になる点です。

例えば、導入する給与計算システムを5年間利用した場合の総コストと業務効率化によって削減できるコストとを比較し、費用対効果を確認しましょう。

2、月末など利用が集中して処理が重くなる場合がある

従業員の人数が多い企業では、月末などに多くの従業員が利用して処理が重くなってしまうケースも少なくありません。この傾向は、クラウド型・オンプレミス型いずれも発生しうる問題です。

大企業の場合は、大企業向けの製品を選ぶとともに、最大同時接続人数を何人くらいで想定しているかを販売会社に確認しましょう。

3、管理・運用の人員が必要

オンプレミス型の給与管理システムを選ぶ際には、システムの管理・運用担当が必要です。法改正対応のシステム更新作業や従業員の問い合わせ対応など、年間保守サポートで依頼できる作業の範囲外は、自社で管理しなくてはなりません。

クラウド型の給与計算システムを選択すれば、自社での管理・運用は不要です。

4、クラウド型の場合インターネット環境が必要

クラウド型の給与計算システムを選ぶ場合、インターネット環境が必須となる点も要注意です。通信環境に何らかのトラブルが発生すると、給与計算システムそのものが使えなくなってしまいます。

クラウド型の給与計算システムを採用する場合は、通信障害時にもオフラインで使えるかどうか確認しておきましょう。

給与計算システムのメリットを活かして業務効率化を!

給与計算システムは、従来の給与計算業務の負荷を大幅に削減し、バックオフィス業務全体の効率化を進められるツールです。現在手作業で給与計算業務をしているが業務拡大により従業員数が増える予定がある場合や、給与明細のペーパーレス化を推進したい場合はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

導入する際は、さまざまな製品を比較し自社に最適なものを選びましょう。

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