シフト管理システム(シフト管理ソフト)は、複雑になりがちなシフト管理をスムーズにするシステムです。本稿では、そんなシフト管理システムのおすすめ製品を徹底比較するとともに、導入メリットや製品の選び方なども紹介します。
シフト管理システムとは
シフト管理システムとは、アルバイトやパート職員のシフト管理を効率化するシステムです。シフトの希望収集・作成と共有といった機能があり、これまで手間のかかっていたシフト管理業務の負担を軽減します。
1、エクセルで行うシフト管理の課題
シフト管理が必要な職場では、エクセルで管理しているケースが多く見られます。シフト管理をエクセルで行っていると、チェックなどのマクロを組む管理者が多く、どういう仕様で運用しているかの情報が属人化しがちです。シフト管理を引き継ぐ場合、後任者はマクロの仕様把握にかなり苦労します。
また、シフトを組む際、各従業員の個別事情を勘案しながら公平性を保つのは非常に難しい、という点も課題のひとつです。シフトの希望提出が遅くて作成も遅れ、ぎりぎりになってのシフト公開となってしまい、従業員が予定を組めないという問題もあります。
2、シフト管理のコツとシフト管理システムの活用
シフト管理のコツは、多めのシフト希望提出を求めることと、シフト希望提出期限を早めにすることです。人的リソースとスケジューリング期間に余裕を持たせることで、シフト管理をじっくり検討できるようになります。
また、シフト管理システムを活用することでも、シフト管理の課題を解消できます。シフト作成のチェック機能などは誰が使っても同じであり、エクセルのマクロのように属人化する心配がありません。シフトの希望収集の期間を短縮化し、シフト作成と同時に共有できるシステムなら、従業員も予定を組みやすくなります。
シフト管理システムのおすすめ15製品徹底比較
おすすめのシフト管理システムを15製品紹介します。各製品の特徴や価格なども比較します。
「シフオプ」
株式会社リクルート
- 参考価格:月額300円(1ユーザー)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「シフオプ」は、リクルートが提供するクラウド型シフト管理システムです。本部と現場(店舗)の双方にメリットを提供し、店舗運営におけるスタッフの最適な配置を支援します。
シフト管理業務の中でも負担の大きい「シフト希望収集・調整」のシステム化により、業務工数を削減。従来の電話やメールを使ったやり取りは必要ありません。
さらに全スタッフのシフトを一元管理することで、店舗ごとのシフト充足率をひと目で把握可能。欠員・余剰のある店舗や、スタッフの出勤曜日・時間を定量的に把握でき、効率的な人材配置を実現します。
「CLOUZA(クラウザ)」
アマノビジネスソリューションズ株式会社
- 参考価格:月額200円(1ユーザー)※500名まで
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:1〜500名 ※500名以上は応相談
「CLOUZA」は、シンプルかつわかりやすいインターフェースで、誰でも簡単に使える勤怠管理クラウドサービスです。最低利用人数もないため1名から利用が可能。少数チームでの利用や、初めて勤怠管理ツールを導入する際のお試し利用まで、導入企業の規模や利用シーンは選びません。
機能のひとつであるWebタイムレコーダーは、24時間打刻かつ打刻場所の位置情報取得も可能なので、屋外作業スタッフの勤怠管理にも最適です。
さらにCLOUZA管理画面は、普段の業務で見慣れたExcelテイストなので、パソコン操作が苦手な方でも直感的な操作が可能です。
「oplus」
Oplus株式会社
- 参考価格:スタンダードプラン:月額0円、Proプラン:月額100(1ユーザー)、Pro+勤怠プラン:月額200円(1ユーザー)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「oplus」は、初期費用・月額料金が無料で始められる勤怠管理サービスです。基本機能のみであれば、上限100ユーザーまで0円で使い続けられます。
機能は必要最低限に抑えられているため、操作画面はシンプル設計で直感的な操作が可能。パソコン操作が苦手な方や、手軽に勤怠管理ツールを導入したい個人事業主・スタートアップにおすすめです。
さらに在籍スタッフや管理する店舗が増えた場合に備えて、アップグレードプランも用意。自社の事業規模や必要性に合わせて柔軟に運用方法の見直しが可能です。
「R Shift(アールシフト)」
オーエムネットワーク株式会社
- 参考価格:初期導入費65万円、月額利用料400円(1ユーザー)など
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「R Shift」は、シフト作成だけでなく、店舗運営の生産性向上にも役立つさまざまな機能を備えた統合シフト管理システムです。小売業・サービス業に特化したシステム設計により、スタッフのシフト管理を効率化。1店舗だけでなく複数店舗の一元管理も可能です。
さらに、勤怠管理サービス機能だけでなく、売上予測データ抽出・欠員募集など、店舗運営業務を効率化する機能が多数搭載されています。
日々の店舗運営で発生しがちな問題・課題の解決や、面倒なデータ収集を一元サポートし、あらゆる管理業務に追われる店舗責任者の業務負荷の軽減に役立ちます。
「Sync Up(シンクアップ)」
パーソルイノベーション株式会社
- 参考価格:3,000円(1店舗)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「Sync Up」は、店舗の生産性や店舗運営のクオリティ向上を実現するクラウド型シフト管理サービスです。シフト収集・作成から調整までオールインワン対応。店舗間・部門間における人員配置の最適化を実現します。
さらに、スタッフはスマートフォンがあれば、いつでも・どこでもシフト確認・申請が可能。店舗管理者はシフトの取りまとめやシフト表作成といった管理業務の負担を軽減できます。
設定方法の疑問やトラブル発生時はメール・チャットで対応してもらえます。さらに24時間閲覧可能なWebマニュアルが完備されているため、操作に困った際にも安心です。
「SHIFTEE(シフティ)」
株式会社システムサポート
- 参考価格:LIGHT版:月額200円(1ユーザー)、FULL版:月額400円(1ユーザー)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「SHIFTEE」は、飲食店・小売業・宿泊施設など、業界問わず利用されているクラウド型シフト管理システムです。スタッフの希望シフトはスマートフォンで申請可能。シフト提出のために店舗に出向く必要はありません。
また、全店舗・全スタッフのシフト表をSHIFTEE上で一元管理できます。店舗管理者側は管理画面上でスタッフの勤務状況や、出勤状況を確認できるため、急遽人手が足りない場合には、同エリアの近隣店舗にヘルプ依頼を出すのも簡単です。
さらに、各種勤怠管理システムとの連携も可能なので、出勤予定に基づいた実績管理も効率的に行えます。
「AirSHIFT」
株式会社リクルート
- 参考価格:月額110円(1ユーザー)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「AirSHIFT」は、リクルートが提供するシフト管理サービスです。シフト作成・調整・共有など、シフト管理に必要な機能を網羅し、優れたインターフェースでだれでも簡単に扱えます。
スタッフが提出した希望シフトはシフト表に自動で反映されるので、手入力の手間や入力の誤りに悩むこともありません。
AirSHIFT専用アプリを使えば、スタッフとのメッセージも可能なので、シフト変更依頼や承認通知も効率的に行なえます。確定したシフトは関係者に自動で共有されるため、メールや電話などで伝え直すことなく全体への周知が可能です。
「Optamo」
兼松コミュニケーションズ株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「Optamo」は、会社側の各種条件と従業員のシフト希望から、シフトを自動生成するクラウド型のシフト管理システムです。自動的に公平性の高いシフトを作成できるため、従業員の不公平感を解消するとともに、離職率の低下にも貢献します。
従業員のスキルを登録でき、他事業所からヘルプ依頼可能な従業員も可視化。より適切なシフトを作成可能です。
シフトの収集や作成を省力化できるため、シフト管理者の負担軽減 が可能に。また、全社の労働計画が可視化されるため、労務管理者は、過重労働対策や職場環境の改善に本製品を活用できます。
「 Ramanas(ラマナス)」
システムバンク株式会社
- 参考価格:【初期費用】308,000円~ 【月額】11,000円~
- 提供形態:オンプレミス
- 従業員規模:全ての規模に対応
「 Ramanas」は、複雑な勤務形態と公平性が求められるシフト作成に特化 した、オンプレミス型・パッケージソフトです。オンプレミス型ですが、料金体系は1社単位の月額料金制となっています。
もともとは病棟・施設におけるシフト作成用に開発されているため、日勤や夜勤など、さまざまな勤務形態に対応可能です。スタッフのシフト希望と、毎日の業務を円滑に進めるための条件設定など、多くの条件設定をもとに AIが公平性のあるシフトを自動生成します。
複雑な勤務形態のシフトを組まなければならない企業や、スタッフに対し公平性のあるシフト作成をしたい企業に適した製品です。
「ジョブスイート パートタイム」
株式会社ステラス
- 参考価格:【初期費用】別途問い合わせ 【月額料金】別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
「ジョブスイート パートタイム」は、シフトの収集・作成から調整・共有までを全て オンライン上でワンストップで完結できる、クラウド型のシフト管理システムです。
店舗側・スタッフ側ともに簡単な操作だけで作業が行えるため、効率のよいシフト管理が望めます。さらに、業種や事業規模等による様々なプロセスの違いも、柔軟な設定により、細やかなユーザの権限や業務プロセスに対応。幅広い業種業態の課題解決に貢献します。
また、専任のカスタマーサクセス担当による手厚いサポートがあるのも嬉しいポイント。ITツールに不慣れな従業員がいる場合でも、ストレスのない運用が期待できます。
「幹部の右腕」
タグジャパン株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス、クラウド、パッケージソフト、ASP、サービス
- 従業員規模:250名以上
「幹部の右腕」は、精度の高いシフト自動生成機能と、シフトの予実管理による業務改善 が行える、高機能なクラウド型シフト管理システムです。従業員規模は250名以上となっているため、複雑なシフトがある中規模以上の企業に適しています。
自動シフト作成機能では、人員の組み合わせ条件や勤務形態の制約条件、日時ごとの必要人員を設定できます。突発的な需要変動や従業員の欠勤などに対する部分的な調整も自動生成可能です。
シフトの予実管理機能では、作成したシフトに対する実績を比較して、より精度の高いシフトを組むための情報を取得できます。
「HyChee」
株式会社ユースフル
- 参考価格:400,000~600,000円 別途有償にて専用カスタマイズ可能
- 提供形態: オンプレミス、クラウド、その他
- 従業員規模:全ての規模に対応
オンプレミスとクラウド両方に対応したシフト管理システム「HyChee」。主に建設業や製造業 のシフト管理用に開発されたという経緯があるため、これらの業種に便利な機能が多く提供されています。
例えば、シフト表を作成する際は、時間帯別と作業別という2つの観点から人員をアサインし、山積み表で稼働動向を可視化できます。作業車両の配置機能は、他にはない特徴的な機能です。さらに、部署や事務所・地区別などで従業員をグループ分けでき、 部署・事務所・地区間での応援をアサインすることもできます。
自社に合わせたカスタマイズもできる ため、標準の製品ではなかなか自社に合ったものが見つからない、という企業にもおすすめです。
「はたluck」
ナレッジ・マーチャントワークス株式会社
- 参考価格:1ID月額300円~
- 提供形態:SaaS
- 従業員規模:100名以上
スマホアプリでシフトの申請や作成などの作業を全て行える 、操作性のよいクラウド型のシフト管理システム「はたluck」。ID単位の月額料金ですが、月間の平均利用ID数を算出した金額で年間固定のため、従業員の入れ替わりが激しい職場でも安心の料金体系です。
従業員がシフトを提出すると、管理者の画面にはリアルタイムに反映され、シフト作成までスムーズに進められます。シフトが完成すると従業員に通知が行くため、より早い段階でシフトを公開できます。また、欠員の調整や適正シフト管理、複数店舗のシフト管理も可能です。
また、従業員同士のコミュニケーション機能も豊富 。連絡ノートや星を送り合う機能を活用することで、従業員のモチベーション向上ツールとしてもおすすめです。
「ジョブカン勤怠管理」
株式会社Donuts
- 参考価格:無料プラン 1ユーザー0円、有料プラン 1~4プラン1ユーザー月額200~500円
- 提供形態:クラウド、SaaS、ASP
- 従業員規模:全ての規模に対応
「ジョブカン勤怠管理」は、出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理、工数管理(単独利用不可)の4機能を自由に組み合わせて使うクラウド型のシフト管理システムです。従業員はスマホからのシフト申請・シフト確認ができるためシフトの希望収集からシフト公開までをスムーズに進められます。
シフト作成機能では、従業員のシフト希望に応じたシフトの自動生成機能 を提供。曜日ごとに必要な人数とシフトパターン、休暇日を考慮したシフト表を簡単に作成できます。シフトに関する条件は、所属ループや職種ごとに設定可能です。
本製品は、勤怠管理と組み合わせることで勤怠関連の業務も効率化できます。そのため、シフト管理と勤怠管理の両方をシステム化したい企業には特におすすめです。
「jinjer勤怠」
株式会社ネオキャリア
- 参考価格:月額300円
- 提供形態:クラウド、SaaS、ASP、サービス
- 従業員規模:全ての規模に対応
「jinjer勤怠」は、勤怠管理とシフト管理が一体化した、マルチデバイス対応のクラウド型のシフト管理システムです。
シフトの募集連絡・シフトの収集、休暇や残業の申請・承認、シフト作成まで全て、いつでもどこでもアプリ上から操作できます。操作もしやすく、誰でも直感的にシフト作成ができる点も本製品の大きな特徴です。
勤怠管理の打刻機能もスマホ対応しているため、外回りの多い業種(運輸業など)の勤怠・シフト管理としても適しています。
シフト管理システムを導入するメリット(管理者・従業員)
シフト管理システムを導入することで、シフト管理者と従業員にはそれぞれどのようなメリットがあるでしょうか。順番に見ていきましょう。
1、管理者(店長)のメリット
シフト管理者(店長)にとってもっとも大きなメリットは、シフト作成の工数を削減できる点です。提出された従業員のシフト希望とあらかじめ設定した各従業員のスキルからアプリが自動的にシフトを作成。管理者は完成したシフト表を微調整するだけで済みます。
また、従来は職場にいるタイミングまたは電話でシフトの希望提出をフォローする手間がかかっていました。システム化してアプリから提出状況の確認・フォローを行うことで、希望提出フォローに関する手間も大幅に削減できます。
ほかにも人員不足だと事前にアラートを出す機能や、予算管理機能を備えた製品もあり、シフト管理をより効率的に進められます。
2、従業員のメリット
シフト管理システムは、働く従業員にとってもさまざまなメリットがあります。スマートフォンのアプリ操作が可能なため、希望シフトの提出はいつでもどこでも可能です。提出期限はスマートフォンのプッシュ通知なので気づきやすく、シフトが作成された段階ですぐに自分のシフトをアプリで確認できます。
シフト管理システムの基本的な3つの機能
シフト管理システムの基本機能として、シフト作成・共有・他システムとの連携について解説します。
1、シフト作成
シフト作成は、シフト管理システムのもっとも重要な機能で、従業員のシフト希望収集とシフトの作成支援・自動作成などの機能で構成されています。従業員はスマホアプリからシフトの希望を提出し、管理者は提出状況をリアルタイムで確認し、未提出の従業員にアラートを出すことも可能です。
従業員が提出したシフト希望は管理画面に自動的に反映され、管理者は一覧を見ながらシフト作成ができます。製品によっては、曜日や時間帯ごとに必要な人数や、従業員のスキルレベルの設定に応じて、シフトを自動生成できるものもあります。
2、シフト共有
作成したシフトは、完成時点で従業員に通知が入り、すぐ確認できる状態になります。社外からアクセスできるクラウド型の場合は、スマートフォンから確認できるため、従来よりもスピーディーな共有が可能です。
3、他システムとの連携
シフト管理システムと関連の深い、給与計算システムや勤怠管理システムと連携できる製品もあります。勤怠の予実管理や、概算の給与計算を行い人件費の管理などの活用が可能です。
シフト管理システムの比較ポイント3つ
シフト管理システムの比較ポイントは3つあります。
1、勤務形態や業務内容に対応できるシステムか
業種により、勤務形態や業務内容はさまざまです。土日出勤はもちろん、日勤や夜勤などの勤務形態がある職場も少なくありません。また、運輸業や飲食業では、長い休憩時間のある勤務形態もあります。
複雑な勤務形態がある場合は、自社のシフトに対応できるシステムかどうかを確認しましょう。「深夜勤務の次の日は朝のシフトを入れない」といった制約条件や、「新人を2人以上配置しない」といった人員の組み合わせ条件にも対応できればシフト自動生成の精度も上がります。
2、操作方法が簡単で誰でも使えるか
シフト管理システムは、シフト希望を提出して作成されたシフトを確認する従業員用の画面と、シフト作成を行う管理者用の画面の両方について操作性を確認しましょう。無料プランやトライアル版を活用して、従業員・管理者ともに使いやすい製品はどれか検討してください。
3、料金体系
料金体系は、ユーザー単位での月額料金の場合と、1社単位での月額料金の場合などがあります。導入候補の製品を選定した後、1年間など利用期間を定め、総コストを計算して比較検討しましょう。
シフト管理システムを比較して自社に合った製品を選ぼう
シフト管理システムの導入によって、これまで多くの管理者を悩ませてきたシフト作成を大幅に効率化できます。シフト管理の効率化によって、従業員は自身の予定を立てやすくなり、管理者はシフト作成の負担が減り、本業に集中できるようになります。
シフト管理システムの多くはクラウド型であり、低コスト・短期間での導入が可能です。自社に合ったシフト管理システムを選び、業務効率化を進めていきましょう。