人を信じられない人の特徴・心理5つ。人間不信の恋愛・仕事への影響は?
人を信じられない原因は何なのでしょうか。また、人間不信を克服する方法はあるのでしょうか。本記事では、心理カウンセラーの浅野寿和さんが人を信じられない人の特徴や心理を紹介。併せて、人間不信の仕事・恋愛への影響と改善方法についても解説します。
人は誰かに裏切られたとき、「人が信じられない……」という思いを抱えがちです。
この不信感は、もうこれ以上つらい思いをしたくないという心のサイン。
心の悲鳴をどう受けとめ、人を信用できるように改善していけばいいのでしょうか?
今回は、人間不信に陥ってしまう原因や人間不信な人に見られる特徴、克服方法について、心理カウンセラー・浅野寿和さんが解説します。
人を信じられない人の特徴・心理
人を信用できない人にはどのような共通点があるのでしょうか? 代表的な特徴や心理を5つ挙げていきます。
(1)人付き合いが苦手でひとりでいたがる
人間不信になる理由はさまざまですが、人を信じられないとき、自分のことも信じられなくなりがちです。
そのため、周囲が自分に好意的に接してくれると感じられず、人付き合いやコミュニケーションに苦手意識を持ち、ひとりでいたがる人もいます。
(2)否定的な意見が多くなりがち
人間不信になってしまった場合、人をできるだけ遠ざけたいもの。
そのため、否定的な意見を多く伝えることで、周囲との距離を遠ざけます。
物事を否定的に捉えることで今の自分の安全を確保しているともいえますね。
(3)他人の評価・承認に戸惑いを覚えやすい
自分の内面に否定的な気持ちを抱えている人にとって、外側から肯定的な意見をもらうと、気持ちが落ち着かない状態になることがあります。
そのため、人からの評価や承認を「いやいや、ちがうでしょ」と素直に受け取れずにためらいを見せる人も多いです。
(4)人とのつながりがSNSなどに偏りがち
SNS自体はとても便利で有益なもの。
人間不信で他人の評価を気にするタイプの人ほど、対人関係をSNSに頼るケースも少なくありません。
SNSが日常の対人関係の希薄さから生じる不安を埋め合わせるものになっているのでしょう。
(5)感情表現が少なくなりがち
感情をきちんと表現すると、自分はどのような人なのかが周囲により伝わりやすくなります。
もっと自分を知ってもらえるわけですね。
しかし、人との距離を起き、自分を隠しておきたい人ほど自分を知られないようにしますから、どうしても感情表現は少なくなりがちです。
他人に警戒心を持ってしまうことはありませんか。なぜ他人を信じられないのかあなたの深層心理を診断で探ります。
▶次のページでは、人を信じられない人の恋愛傾向を紹介します。
人を信じられない人の恋愛傾向
ここでは、人を信じられない人の恋愛傾向を紹介します。
(1)アプローチが苦手
人を信じられない人は、傷つきたくない気持ちが強め。恋愛においても、失敗を恐れて積極的に動けない傾向があります。
誰かに好意を抱いても「自分を好きになってくれるはずがない」と思い込み、自分からアプローチすることはあまりないようです。
(2)相手からの好意を素直に受け取れない
人を信じられない人は自分からアプローチするのも苦手ですが、相手からアプローチされるのも苦手です。
相手からの好意や承認を素直に信じられず、「きっとお世辞だろう」「何か裏があるのでは」とネガティブに感じてしまうことも。
いざ交際を始めても、相手が自分のことを裏切らないか常に心配で、心を開くまで時間がかかるでしょう。
(3)心を開いた相手とは深い付き合いを望む
人を信じられない人は、相手に心を開くまで時間がかかります。その分、心を開くと深い付き合いを望むことも少なくありません。
他の人になかなか言えない悩みを打ち明けたり、自分の本音を話したりするようになるでしょう。
ただ、心を開いているからこそ裏切られたくない気持ちがさらに強くなり、相手に依存しやすい面もあります。
(4)疑り深い
良好なお付き合いは、信頼関係の上に成り立つもの。恋人を信用できないと、さまざまな問題が生じがちです。
例えば、「相手が浮気しているのでは」と疑って恋人を束縛したり問い詰めたりする可能性があります。
また、相手の「好き」という言葉が信じられず、「私のことなんか好きじゃないのでは」と疑心暗鬼になってつらい思いをするかもしれません。
そのため、恋人ができても長続きしなかったり、そもそも恋愛を諦めてしまったりする可能性があります。
▶次のページでは、人を信じられない原因を紹介します。
人を信じられない原因
次は、人間不信の原因について詳しく見ていきましょう。
(1)浮気・いじめなど裏切られた経験がトラウマになっている
自分が信じていた人に傷つけられると、どうしてもつらい気持ちになりますね。
いじめや浮気などの経験はそういった心の傷を残しやすいもの。
特に自分に悪意がなかった場合、どうすれば傷つかずにいられるのかわからなくなることも少なくありません。
もう二度とあんな目に合いたくないと思えば、自分を守るために人に対して不信感を持つようになります。
(2)過去に大きな失敗・挫折を経験したことがある
今までに大きな失敗・挫折を経験したことがある人の中にも、人間不信に陥る人がいます。
自分の失敗や挫折経験を人に知られることを怖れてしまうことはある意味仕方がないことですが、自分を隠すために人を疑い近づかないようにしてしまうと、さらに不信感が増してしまうでしょう。
(3)期待に応えられず苦しかったことがある
親や周囲からたくさん期待された経験があり、うまく応えられていないと思っている人ほど人間不信になる可能性があります。
自分なりに努力して期待に応えようとした人ほど、期待に応えられなかったことに対して周囲に申し訳ないと思い、その心苦しさと自分への失望感から人を信じることに怖れを感じ、次第に人間不信になる人もいます。
▶次のページでは、人を信じられないことによる仕事への影響と、人間不信の克服方法を紹介します。
人を信じられないことによる仕事への影響は?
前述したように、人を信じられない人はネガティブになりがちで、なかなか他者からの評価を素直に受け取れません。また、感情表現も乏しい傾向にあります。
それがいきすぎると、職場で「扱いにくい人」として認定されてしまうかもしれません。
また、コミュニケーションが苦手なのでチームになじめない可能性も。そうなると、過剰なストレスを感じやすいでしょう。
人間不信の克服方法
人間不信はどのようにすれば改善していくことができるのでしょうか? ぜひ押さえていただきたい5つのポイントを紹介します。
(1)不信感の意味を知る
人間不信に陥ると自分を否定的に捉えがちになります。
ただ、不信感は自分を守るために感じているものと解釈することもできます。
もちろん不信感を感じる自分を過剰に美化することは避けてほしいのですが、不信感を感じる事情もあると自分を理解する視点を持ってみてもいいでしょう。
(2)自分を肯定する習慣をつける
人間不信になると、自分や他人にいい意味での興味が持てず、より人との関わりが希薄になりがち。
そのため、自分を肯定する気持ちも低下しがちになります。
日ごろから「自分にOKを出す」習慣を取り入れてみてください。
「今日も一日、自分なりにがんばった」「私は日々よくなっているよ」などと自分に語りかけてみてもいいでしょう。
(3)人に期待するより目的意識を持つ
人間不信に陥ると、つい「あの人はこうであってほしい」と期待することが増えがちです。
ただ、「期待」ばかりしていると、どうしても「失望」する確率も高まってしまいます。
そんなときは、自分が「どんな対人関係を構築したいか」などの目的・よいイメージを持ってみてください。
目的やよいイメージを持つと「自分がどうすればいい関係になれるか」と考えられ、不安や失望もゆっくり手放していけます。
(4)人との関わる機会を少しずつ増やす
人への不信感は人との関わりの中で癒されることが多いです。
まずは信じられる人との間で、お互いにいい気分になれる行動を取ってみると不信感を手放せることも多いですよ。
たとえば、人のいいところを見つける習慣をつける、日常の挨拶はきちんとする、ちょっとした気遣いを実践してみるなどがオススメです。
(5)近すぎて曖昧な人間関係はないかをチェックする
近い人間関係の中であれこれ言われ続けてきた人も、人間不信になることが多いです。
特に親や家族、パートナーや友だちなど、実は味方と思える人がストレスの原因になることも。
もし近すぎてストレスになっている人間関係があるなら、適度な距離を取ることもオススメです。
できるだけ大人としての意識を持ち、相手に「自分の意思」や「感謝」を伝えて適度な距離感を保つようにしましょう。
人を信じられない人はまず自分を肯定して
人間不信になると、人との距離感がわからなくなることも多いです。
そんなときは自分を肯定したり、理解したりすることを続けながら、人との適切な距離感を見つけていきましょう。
お互いが快適に感じられる距離感を見つけられれば、もっと楽に人と接することもできるようになりますよ。
(浅野寿和)
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※この記事は2019年07月05日に公開されたものです