前回までのあらすじ

3体のネコリョーシカボディを完成させた、駆け出しクリエイター「のでこ」は、シーメンスPMLソフトウェア社のホームページで、Solid Edgeの作品デザインコンテストが行われている事を知る。作品をブラッシュアップし、コンテストへの応募を目指す事に!

グローバルカレンダーコンテストは、世界中からシーメンスPMLソフトウェアのユーザーが自慢の作品を投稿するデザインコンテスト。優秀な作品は、翌年の同社のグローバルカレンダー画像に採用されます。

まだまだ世界レベルに比べれば技術的にひよっ子の私の作品も、個性的なデザインで審査員の目にとまるのでは…と淡い期待を抱きつつ、このコンテストに応募をすることに。より目を引く作品にする為、Solid Edgeの「パーツペインター」機能を使ってカラーリングをしていく事にしました。

Solid Edgeでは「パーツペインター」コマンドを使い、作成したソリッドの表面の色を簡単に変更する事ができます。プルダウンで色を選び、着色したいボディまたは面を選択するだけの簡単な作業です。

元から入っている色をベースにして、オリジナルの色味を作ることもできます。柔らかいブラウンの色味にしたかったので、色を自分で調整してみることにしました。

反射している部分、影になる部分など、細かく色味を調節していきます。光沢感や、不透明度、更には表面のテクスチャも設定することができるので様々な素材を自由に表現できると言っていいでしょう。

出来上がったオリジナルのカラーがこちら!

柔らかい色味のブラウンを作ることができました。同じ様に他の2体にもそれぞれの色を設定していきました。

ボディに色を付けてみたものの、まだ単色でやや寂しい印象。そこで、猫にカラフルな魚を持たせてみる事にしました。早速、魚のソリッドを作っていきます。

魚にも同じ様にカラーを付けて、本体にアセンブリしてみました。魚が差し色となりアクセントになりましたが、今度は猫の顔に色が無いのが気になりました。

ネコらしい表情を出す為に白目・黒目を塗り分けてみることに。しかし、ここで問題が発生。現在の目は楕円を丸み付けしただけの形状で、白目と黒目の形に分離されていません。ここに色をつけると…

パンダのような表情になってしまいました。猫目のように白目・黒目で塗り分けるには、まず面として分離しなくてはなりません。ここまで来たらこだわりたい、という訳で、作り直しにチャレンジすることにしました。

新しい白目を作成し、黒目を同じ厚みで別に作成します。それぞれを丸み付けして角を落としてから、合体させました。色を付ければ思い描いていたネコ目の完成です。こうして新しい目と、魚をアセンブリした完成品が出来上がりました!

最後の仕上げとして、「レンダリング」で背景に色を付け光の明るさや影を調整してあります。背景をグラデーションにし、草原で親子がピクニックしているイメージを出してみました。完成品は、高画質のjpgデータで出力してオンラインでコンテストへ応募します。

こうしてネコリョーシカのデータはグローバルコンテストへと旅立って行ったのでした。

さて、いよいよ残すは3Dプリンターでの出力です。今回はオンラインで入稿すると自宅へ造形品を届けてくれる「INTER-CULTURE」さんにプリントをお願いすることにしました。

さっそく入稿・注文すると、INTER-CULTUREさんがデータをチェックし、修正が必要な箇所を指示して下さいました。3Dプリントに向けてのラストスパート。修正箇所に手を入れていきます。

まず、ボディ内部に飛び出してしまっている腕を削る作業を行い、上下のパーツが上手く組み合う様に整えます。

次に各パーツを水平面上に効率よく配置します。なるべく体積が小さくなるように配置すれば、プリント料金を抑えることができる為です。

また、3Dプリントの機械で複数のパーツを出力する場合、それらのパーツは「ランナー」という棒状の骨組みで繋ぎ合わされ1つのソリッドとして認識されるようにデータ化しなくてはならないとのこと。そこで、直径1mmの棒状のパーツを作り、各パーツを繋ぐように配置しました。ここまで出来たら、プリントへの準備は完了です。

stlファイルという形式で、表面の精度を高めた状態でデータを保存し、オンライン入稿します!

あとは自宅に完成品が届くのを待つだけです!

そして…2週間後…

ついにネコリョーシカの完成品が届きました!

3体それぞれのサイズ感や、表情、魚などの細かいパーツのフォルムなど、イメージしていた通りに仕上がり大満足!!

ちなみにINTER-CULTUREさんでは、データ上のカラーをそのまま出力できる石膏素材のカラープリントと、耐久性や表面の滑らかさを重視したカラーなしの「光造形材料」など複数の素材からプリント方法を選ぶ事ができます。今回は耐久性を優先して「光造形材料」を選んだので、カラーは自分でペイントして完成させます。絵の具で色を塗り、仕上がった物がこちら。

レンダリングの画像と同じ色味に着色してみました。魚がアクセントになって良い感じです。

3匹並んで机の上に並べると可愛い姿に癒されます! 母猫は両手にころんと収まる程よいボリューム感。一番小さな赤ちゃん猫も、中はしっかりくり抜かれているので指輪やピアスなどの小物入れとして使えそうです。実用性も有り、これは、本当に商品化に向けてお声が掛かりそう…?!、と期待に胸膨らむのでこなのでした。

3D CAD初心者ながらに手探りで進めてきたネコリョーシカプロジェクトですが、こうして無事に形になりました!

思い返すと長い道のりではありましたが、1つずつヘルプやチュートリアルを見ながらステップアップしてくることができました。

従来のCADソフトよりも直感的に操作でき、自己学習がしやすいよう作られたSolid Edgeだからこそ、ここまで完成させる事ができたと言えるでしょう。

今まで読んで下さった皆様、応援して下さった読者の方々、ありがとうございました!

協力:Solid Edge(シーメンスPLMソフトウェア)

Solid Edgeは、ゼロからスタートする設計にも、既存のものを改善する設計変更にも迅速に対応できる、3D CADソフトウェアです。

45日間無償評価版のダウンロードは、コチラから。

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