前回は、仕訳入力画面の決め方について説明しました。今回は、その仕訳入力画面において、仕訳入力を効率化する方法について解説しましょう。

勘定科目の参照機能

会計ソフト初級者が作業の効率化を図るうえで一番のポイントになるのは、いかに素早く勘定科目を参照できるかという点です。

一般的な会計ソフトでは、勘定科目がコード化されていますので、頻繁に使用する勘定科目はコードを覚えてしまうのが一番楽です。ただし、導入して間もない企業や、会計ソフトの利用が月1~2日程度の小規模企業の担当者に覚えろというのは酷でしょう。したがって、そのような担当者は、勘定科目の参照を効率化する方法を検討するべきです。

財務応援Liteの場合、帳簿入力や伝票入力の各機能では、勘定科目入力時に画面上部の「科目参照ウィンドウ」に科目一覧が表示され、コードを入力するか該当科目をクリックするという方法で入力作業を終えられます。したがって、この科目参照ウィンドウを使いやすくしておくことが大切です。

帳簿入力の勘定科目参照

科目参照ウィンドウには、使用可能な科目がコード順にすべて表示されます。使用可能な科目とは、科目マスターで「使用する」に設定されている科目のことです。

「設定」→「勘定科目マスターの変更追加」で勘定科目の設定を変更することができます。ここで、科目参照ウィンドウに表示する科目の設定を変更し、表示する科目を選択することが可能です。

基本的に、表示する科目は、経費科目を中心に選んだほうが入力作業が楽になると思います。一度に表示できる科目は25種類です。小規模企業であれば、すべての経費科目が一度に表示できるのではないでしょうか。

科目の設定変更について

勘定科目の設定は、過去に他社ソフトを使用した経験がある企業では、変更のニーズが高いと思います。そこで、財務応援Liteでの科目設定の変更方法について、簡単にまとめておきましょう。

科目コード

4桁までの数字で任意のコードを変更できます。3桁コードに変更することも可能です。ただし、科目の並び順は変わりません。資産や負債の勘定科目は、貸借対照表の配列順なので他社ソフトのユーザーでも問題ありませんが、費用科目はソフトウェアによって若干順番が違う場合がありますから、はじめのうちは違和感を覚える人がいるかもしれません。

呼出コード

勘定科目に半角4文字以内の英数字、またはカナを設定し、これを検索キーとして利用することができます(「呼出コード」と呼ばれます)。例えば、現金を「GENK」や「ゲンキ」(半角カタカナ)、水道光熱費を「SUID」や「スイド」(半角カタカナ)と登録するといった具合です。最近の会計ソフトは、ローマ字読みの英字で検索できるものが多いので、財務応援Liteの初期設定も、ローマ字読みの英字4文字になっています。

科目名称

科目名称は、帳票に印字するための正式名称「正式勘定科目」の全角10文字と、画面表示の略称の「表示科目」の全角5文字が登録できます。例えば、正式名称「退職給与引当金繰入」、略称「退職繰入」となります。

消費税区分コード

仕訳の入力時には、消費税の区分を登録する必要がありますが、いつも同じコードの場合は入力を省略できたほうが効率的です。そこで、財務応援Liteでは、勘定科目に消費税の区分を設定しておくことができます。財務応援Liteの消費税コードは70種類ほど設定されており、例えば、「運賃」であれば、「消費税コード32(課税仕入税込)」が初期値として登録されています。

入力支援機能

ここまで、財務応援Liteを例に、会計ソフトを便利に使いこなすためのポイントを説明してきましたが、以下では、おまけとして、財務応援Liteのユニークな入力支援機能について触れておきましょう。

入力時の便利な機能をファンクションキーに割りつけるのは珍しいものではないですが、財務応援Liteでは、これを、「N」モード、「S」モード、「C」モードと3つに分類し、各モードともF1からF10までのキーを利用できる仕様になっています。

各モードは、選択アイコンをマウスでクリックするという方法に加えて、「N」モードならそのまま、「S」モードならShiftキー、「C」モードならCtrlキーを押しながらファンクションキーを押すという方法で利用することが可能です。

「N」モード、「S」モード、「C」モード

また、マウスの右クリック機能も財務応援Liteのユニークな機能の一つです。例えば、金額入力欄での右クリックから電卓を起動することができます。また、日記のように利用できる会社メモや、科目説明なども右クリックメニューから呼び出せます。

右クリックから電卓を呼び出し

付箋機能

入力画面の左端に付箋を付ける位置があります。ここをクリックすると、赤・青・緑の三種類の付箋が付けられます。

付箋を付けることによって、仕訳を簡単に検索できるようになります。また、付箋の付いた仕訳をコピーすることも可能なので、定期的に発生する仕訳に付箋を付けておけば、次回以降はそれを呼び出してコピーするというかたちで作業を効率化できます。

三色あるので、例えば、赤は科目等が不明な"後日確認仕訳"、青はコピー用によく使う仕訳、緑は税区分不明な"税理士確認仕訳"、といった具合にルールを決めて運用すると使いやすいと思います。

付箋機能を使用した画面