Googleスプレッドシートの操作を自動化

表計算ツールを使いこなす上で欠かすことができないのが、同じ操作や処理を繰り返して自動化してくれるマクロやスクリプトではないでしょうか。実際、「Microsoft Excel」ではマクロ機能を使ったり、VBA(Visual Basic Applications)でスクリプトを書いたりするなどして操作を自動化しているという人も多いことでしょう。→過去の回はこちらを参照。

では、Googleスプレッドシートで同じようなことはできないのか?といいますと、マクロやスクリプトで自動化できる機能はしっかり用意されています。何度も同じ操作を繰り返すのが面倒だと感じているならば、ぜひ活用したいところです。

まずはマクロ機能の使い方について説明しましょう。マクロを使うには、まず繰り返す必要のある操作を記録する必要があるため、スプレッドシートを開いた後にメニューから「機能拡張」→「マクロ」→「マクロを記録」を選択して下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    マクロを記録するには、メニューから「機能拡張」(1)→「マクロ」(2)→「マクロを記録」(3)と選択する

すると、表の下部に下のようなダイアログが現れるので、表の上で記録したい操作をした後に「保存」ボタンを押して下さい。ちなみにこの時「絶対参照を使用」を選んでいると、マクロを再生する際に操作を記録した同じ場所で操作する形となりますが、「相対参照を使用」を選ぶと選択した位置から操作を再生することができます。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    記録する操作をした後に「保存」(1)をクリックするとマクロを保存できる。記録時にマクロの再生位置(2)を選ぶことも可能だ

続いてマクロの名称を入力し、「保存」を押すことで操作を記録できます。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    マクロの名称(1)を入力して「保存」ボタン(2)を押すと保存できる

記録したマクロを呼び出すには、メニューから「機能拡張」→「マクロ」→「(記録したマクロの名称)」と選択することで呼び出すことができます。「相対参照」を使用したマクロの場合は、再生前にカーソルの位置を、マクロを適用したい場所に合わせておいて下さい。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    マクロを再生するには、メニューから「機能拡張」(1)→「マクロ」(2)と選んだ後、保存したマクロ(3)を選べばよい

ちなみに不要なマクロを削除するには「機能拡張」→「マクロ」→「マクロを管理」と選んだ後、削除したいマクロのメニューボタンを押し「削除」を選んだ後、「更新」を押して下さい。

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    マクロを削除するには、マクロの管理画面を呼び出した後、削除したいマクロのメニューボタン(1)を押してから「削除」(2)」を選び、「更新」(3)をクリックする

なお、この管理画面では個々のマクロにショートカットの番号を登録することも可能。「Ctrl」「Alt」「Shift」と指定した数字キーを同時に押すことで、記録したマクロを呼び出せるようになることから頻繁に利用するマクロであれば登録しておくと便利ではないでしょうか。

GASという言語を使ってさまざまなアプリケーションを制御する

続いてスクリプトですが、Google Workspaceには「Microsoft Office」でいうところのVBA(Visual Basic for Applications)と同じく、「Google Apps Script」(GAS)という言語を使ってさまざまなアプリケーションを制御できる仕組みが用意されています

GASはJavaScriptをベースとしているので、Webサービスの開発を手掛けている人などであれば比較的馴染みやすいといえそうです。

ここでは、GASでスクリプトを記述して実行するまでの簡単な使い方について説明したいと思います。GASでGoogleスプレッドシートを制御したい場合は、まずスプレッドシートのメニューから「機能拡張」→「Apps Script」と選んでGoogle Apps Scriptの編集画面を開きます。

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    GASを利用するには、メニューから「機能拡張」(1)→「Apps Script」(2)と選択する

続いてスクリプトを記述し、「実行」ボタンを押せば実行することができます。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    スクリプトを記述(1)した後、「実行」(2)ボタンを押せば実行できる

結果はスプレッドシート上で確認できますが、進行状況は下部に現れる「実行ログ」でも確認することができます。うまく動作しなかったり、エラーが発生したりした場合は、そちらから詳細を確認し、修正するといいでしょう。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第26回

    先のスクリプトは選択したセルの内容をダイアログ表示するというシンプルなもの。だがフル活用すればより本格的な操作の自動化が可能だ

GASを使えば高度な機能や操作も実現できるので、本格的なプログラム開発も可能です。ただその分内容も複雑なので開発に関する説明は省略しますが、興味がある人はぜひチャレンジしてみて下さい。