NECは4月11日、設計図面(BIMデータ)を活用した建築DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、建築現場におけるスリーブ管の設置検査を効率化する技術を開発したことを発表した。

  • この技術の概要

    この技術の概要

技術の概要

同技術は、AR(拡張現実)マーカーを設置せず、スマホやタブレット端末に搭載されたカメラでスリーブ管が配置されたエリアを撮影するだけで、自動でBIMデータと照合し、5mm以下の設置誤差を数秒で計測するもの。

撮影に用いた写真はそのまま検査帳票として保存可能なため、人手で行われている検査作業の効率化が期待されている。

NECが独自開発したBIM-2D画像照合技術により、鉄筋コンクリート構造物におけるスリーブ管の設置位置を、タブレット端末で撮影した写真とBIMデータとを自動的に位置を合わせて設置誤差を計測する。

さまざまな位置から撮影された画像からスリーブ管の上面を楕円集合として検出し、BIMデータ上のスリーブ管位置である円集合との照合を自動で行う。

楕円集合と円集合とを紐づける変換を計算する際に、少数の楕円からすべての楕円へと探索範囲を段階的に変化させることで高精度かつ高速な計算を実現したという。

また、斜めからのスリーブ管の画像を楕円集合としてとらえて、BIMデータの円集合と照合できるようその向きを整合し(正面化)、円集合との誤差を計測して紐づける変換を行うことで、現場でのARマーカーの設置が不要となる。さらに、スリーブ管ごとの高さのばらつきも推定し、補正して計測するため、スリーブ管の高低にとらわれず高精度な計測が可能だとしている。