インフォコムは4月2日、医療機関向けに提供する医用画像検像システム「iRad-QA」(アイラド キューエー)について、AI(Artificial Intelligence:人工知能)で胸部X線検査の画像処理を行い医師の読影を支援する新機能を開発し、7月から標準機能として提供を開始することを発表した。

  • AIを使った画像処理の例

    AIを使った画像処理の例

サービス概要

iRad-QAは放射線部門向けITシステム「iRad」シリーズのうち、医療機器で撮影した画像や入力データを医師が読影する前にチェックや編集が可能な検像システム。検査数の増加と専門の放射線科医の不足のため、胸部X線検査の読影は非専門医によって実施されている場合が多いという。こうした画像は医療機関で最も多く撮影されているにもかかわらず、肋骨などの骨が映り込むため読影が難しいとされる。

  • 新機能のイメージ

    新機能のイメージ

新機能の概要

今回、iRad-QAにAIを用いた2つの新機能を追加し、医師の読影業務の効率化と負担軽減を支援する。検像システムの中でAIを用いて画像処理が行えるようになるため、専用ソフトウェアを別途使用する場合よりも作業時間や手間が短縮されるという。iRad-QAの標準機能として提供するため、追加の費用が不要。

肋骨陰影の減弱を判断するAIは、撮影した画像データからAIを用いて肋骨の陰影を薄くする画像処理(減弱)を行うことで病変を見つけやすくしたり、骨に隠れて見えない異変の見落としを防止したりなど、医師の読影をサポートする。

また、心胸郭比(CTR:Cardio-Thoracic Ratio)の自動計測機能AIは、心臓と胸郭の最大幅をAIで自動計測し、心拡大の判断基準となる心胸郭比を自動で算出する。