台湾の国家発展委員会(NDC)が後援するStartup Island TAIWAN(SIT)は9月14日~15日の2日間、日台のスタートアップイベントである「日本・台湾スタートアップサミット2023」を開催。「Together, Go Big. ~日本と台湾をつなぎ、スタートアップの未来を高みへ~」をスローガンに、台湾のスタートアップ企業40社が日本の渋谷に集結している。

  • 「日本・台湾スタートアップサミット2023」に参加する台湾スタートアップ40社の代表者

    「日本・台湾スタートアップサミット2023」に参加する台湾スタートアップ40社の代表者

同イベントは、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)を主題とする台湾のスタートアップ企業の中でも、「SaaS」「セキュリティ」「ヘルステック」「AI」の4つの産業分野から約40社が選出されており、パートナーや投資家向けに新技術のプレゼンテーションを行うなどして、台湾のスタートアップ企業と日本企業の協業を図ることを目的として開催されているもの。

イベントには、日本の大臣に相当するNDC主任委員のコン・ミンシン氏が登壇。昨年行われた第1回目に引き続き同イベントを開催できたことに加え、継続してすでに台湾のスタートアップ企業が日本の企業とよりよい協業関係を構築できていることに感謝の意を示した。

また、台湾スタートアップの企業力が世界的にみても成長していることや、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックによりデジタル化が進んだことにも触れ、情報セキュリティに関する新たなイノベーションの創出など、今後の注力分野についても述べていた。

  • NDC主任委員のコン・ミンシン氏

    NDC主任委員のコン・ミンシン氏

日本からは衆議院議員の萩生田光一氏が登壇し、台湾から来たスタートアップ企業の代表陣を歓迎したほか、台湾を代表する半導体企業の1社であるTSMCを中心に日本企業も参画するJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)の日本での事業計画を認定し、日本における半導体製造基盤の整備を支援してきたこと、半導体人材育成支援に向けて地域の大学と連携をしてコンソーシアムを立ち上げたことなどを語り、台湾と日本が理想的な連携を進めていることを強調していた。

  • 日本・台湾スタートアップサミット 2023に登壇した衆議院議員の萩生田光一氏

    日本・台湾スタートアップサミット 2023に登壇した衆議院議員の萩生田光一氏

さらに、ビザ申請の仕組みについての話に加え、日本のスタートアップエコシステムと世界のエコシステムを強化する取り組みの例として、シリコンバレーにて政府が借り上げた住まいを100日間提供する施策などを挙げ、岸田内閣が進める「スタートアップ育成5年計画」などの日本におけるスタートアップ創出に向けた人材やネットワークの構築・強化に関する施策についても述べ、「日本と台湾のスタートアップに関係する人々が共に支え合い、ときには切磋琢磨して世界基準の課題を解決するようなビジネスを創出するきっかけづくりになるだろう」と日台の交流促進が進むことに対する期待を覗かせた。

なお萩生田氏は、台湾について「共通の価値観を共有するかけがえのないパートナー」と表し、コン・ミンシン氏も「日本は1番のベストフレンドだと思う」と双方が重要なパートナーであるとの認識を示しており、今後も日本と台湾がよりよい関係性を築き、両者間だけの関係性にとどまらず東南アジアなど周辺諸国にも協力して進出していけるような新たなビジネスの創出に向けた体制整備などについても含みを持たせていた。