資生堂が、藻類基点のサステナブルな新産業を構築する「MATSURI」プロジェクトを主導するバイオベンチャーのちとせグループに10億円を出資し、戦略協業契約を締結したことを発表した。

ちとせグループは、現在、化石資源を基点に構築されている医薬品や食品、農業、エネルギーなどの産業構造を、バイオテクノロジーを用いながら光合成を基点に組み上げ、循環型の社会に近づけるための研究開発や事業開発を行っている。

そんなちとせグループが主導するMATSURIは、太陽光を唯一のエネルギー源とした藻類を基点として、サステナブルな新産業を構築するプロジェクト。さまざまな立場や業種の他機関と協働し、藻類製品を社会に普及させるべく、多角的な研究開発と藻類生産の大規模化を同時に進めているという。

藻類は太陽の力によって、二酸化炭素からタンパク質・脂質・炭水化物などのさまざまな有機物を効率的に生成するほか、砂漠や荒地のような農業利用が難しい土地でも生産することができる。また、陸上植物と比較して高いバイオマス生産効率を有することから、有限な化石資源に依存しない新たな資源となる可能性を秘めているという。

藻類生産の大規模化においては、2018年8月に0.1haの設備、2023年4月には5haの設備をCHITOSE Carbon Capture Central (C4)として竣工させ、2030年には2000ha規模に拡大予定で、当面の目標としては2027年に100haを掲げている。今回の資生堂によるちとせグループへの出資内容としては、同グループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTIONの株式を取得する形を予定しているという。なお、同計画に伴う研究開発用途として、2023年3月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金に総額500億円規模(予定)の事業として採択されている。

  • 光合成による物質生産効率が高い藻類

    光合成による物質生産効率が高い藻類 (出所:ちとせグループ)

両者は今後、藻類を利用した化粧品原料および化粧品容器にかかる原料の開発や量産化、さらには将来的な食品産業に活用できる原料開発などを視野に、協力して循環型のものづくりを加速していくとしており、資生堂では、藻類の持つポテンシャルを最大化し、資源を枯渇させることのない循環型モデルをちとせグループとともに築くことで、サステナブルな価値創造を目指すとしている。