日本半導体製造装置協会(SEAJ)は1月11日、2017年~2019年度(3月期)のFPD(フラットパネル・ディスプレイ)向け製造装置の需要予測を発表した。

それによると、2017年度(2018年3月期)の日本製(海外拠点での製造を含む)FPD製造装置の売上高は、韓国市場を中心とした中小型有機EL向け投資が継続したことに加え、中国市場でも有機EL向け設備投資が増加したこと、ならびに大型パネル向けの設備投資も始まった結果、前年度比9.0%増の5294億円との予測となった。また、2018年度は、中国で第10.5世代パネル向け設備投資が本格化するほか、中小型パネル用有機ELに向けた設備投資も継続すると見て同2.0%増の5400億円、そして2019年度も第10.5世代への投資の継続を見込むも、中小型パネル向け投資が一段落することから、同16.0%減の4536億円の舞いなる成長になるとの予測としている。

  • 日本企業(海外拠点を含む)のFPD製造装置売上高(単位:億円)および前年度比増減率(%)の実績および予測

    日本企業(海外拠点を含む)のFPD製造装置売上高(単位:億円)および前年度比増減率(%)の実績および予測 (出所:SEAJ, 2018年1月)

今回の予測にあたり、PDF市場を取り巻く背景についてSEAJは、「ディスプレイ市場は、スマートフォンの有機EL化、スクリーンサイズの拡大とTVパネルの大型化・高精細化が進み、市場規模としては安定成長が続く。今後、TV以外のパネルとして車載用途が期待されており、拡大傾向にある」と説明している。

韓国・台湾の大手パネルメーカー5社の営業利益率を見ると、2016年第3四半期以降、黒字は続いているものの、 2017年第2四半期の平均10%をピークに、2017年第3四半期は平均7%程度へと下落傾向にあり、パネルメーカーはより利益率の高い付加価値をつけやすい有機ELパネルや車載ディスプレイの生産に舵を切ろうとしている。また、投資の中心は中国、それに次いで韓国となっており、今後もこの傾向はしばらくトレンドとして続いていきそうだという。