日本鉱物科学会が「日本の石(国石)」にひすいを選定した。今後国内外で「最も日本らしい石」として紹介する。金沢大学で開かれた学会総会で24日会員投票が行われて決まった。

写真 ひすい(日本鉱物科学会提供)

日本鉱物科学会は2007年に日本鉱物学会と日本岩石鉱物鉱床学会が統合して設立された。日本の石選定は、同学会が9月1日付で一般社団法人になったことを記念して企画された。

選考対象になった石は国内で一般によく知られた国産石。まずインターネットで推薦募集するなどして22種類を1次候補として選定。これらの石をさらに「美しいこと」「広く知られていること」「地球科学分野で世界的に重要性を持つこと」「日本人の生活に関わり、利用されていること」など7項目の条件から花こう岩、輝安鉱、自然金、水晶、ひすいの5種類に絞った。最終選考は総会に出席した会員が審査・投票し、ひすいに決まった。

ひすいは、深緑色の半透明な石。最終選考では結晶のきらめきが美しく日本で採れる宝石として有名で、約7,000年前の縄文時代から「玉(ぎょく)」と呼ばれるなど「ひすい文化」があったことなどが評価されたという。国内に新潟県糸魚川市など約10カ所のひすい産地がある。

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