下方修正も減収増益で着地 - パナソニック

パナソニックは4月28日､2015年度の連結業績を発表した｡売上高は対前年比2.1%減の7兆5537億円､営業利益は同8.8%減の4157億円､当期純利益は同7.7%増の1933億円となった｡

パナソニック 2015年度通期決算概況

パナソニック セグメント別実績

減収の要因については､国内売上で白物家電は堅調だったが､住宅用太陽光発電システムの販売減など響いた一方､海外売上もBtoBソリューション事業は伸長したが､収益改善に向けて販売を絞り込んだテレビ事業などの影響があったとしている｡

一方､売上が伸びない中､構造改革などによる固定費の削減､材料合理化の取り組み､事業構成の良化などにより､増益を確保した｡

セグメント別では､売上はAVCネットワークスのみが増収､営業利益はアプライアンスとAVCネットワークスで増益､エコソリューションズとオートモーティブ&インダストリアルシステムズは減益となっている｡

NECと同様､パナソニックも2016年度末からIFRSを任意適用する｡第3四半期までは､全社の決算としては米国会計基準を提供するが､内部の経営管理は第1四半期よりIFRSで行っていく｡

2016年度の連結業績見通し(IFRSベース)は､売上高が7兆6000億円､営業利益は3100億円､当期純利益は1450億円を計画している｡

2015年度連結決算は減収減益 - 富士通

富士通は4月28日､2015年度の連結業績を発表した｡売上高は前年比0.3%減の4兆7392億円､営業利益は同32.5%減の1206億円､税引前利益は同33.7%減の1318億円､当期純利益は同38.0%減の867億円となった｡

富士通 2015年度通期決算概況

減益の要因としては､ビジネスモデル変革費用415億円(海外ビジネス関連:324億円､ネットワーク再編関連: 51億円､ユビキタス再編関連:39億円)の計上に加え､米国ドルに対するユーロ安の進行により欧州拠点で米国ドル建の部材調達コストが上昇した影響があるとしている｡

セグメント別では､｢テクノロジーソリューション｣｢ユビキタスソリューション｣｢デバイスソリューション｣に分けて売上利益と営業利益が公開されている｡

テクノロジーソリューションの売上高が前年比0.6%減の3兆2833億円､営業利益は同16.3%減の1862億円だった｡ユビキタスソリューションは､売上高が前年比2.1%減の1兆409億円､営業損失は前年の87億円の黒字に対し､76億円の赤字となった｡デバイスソリューションは､売上高が前年比1.4%増の6039億円､営業利益は同17.7%減の303億円となった｡

2016年度の通期業績見通しは､売上高が前年比2.9%減の4兆6000億円､営業利益が同0.5%減の1200億円､当期純利益が同2.0%減の850億円としている｡

富士通は同日､ニフティに対する公開買い付けを開始することを発表している｡その理由については､ニフティのISP事業､Webサービス事業､クラウド事業における環境変化の下､構造改革を実施するには､急激な事業変化に対応すべく迅速な意思決定構造を構築する必要があるからとしている。