Texas Instruments(TI)は12月11日、高周波(13.56MHz)センサトランスポンダ製品ファミリ「RF430FRL15xH」を発表した。

同ファミリは、ISO 15693標準規格に準拠したNFCインタフェースに、プログラマブルの超低消費電力マイコン、不揮発FRAM、A/Dコンバータ(ADC)、SPI/I2Cインタフェースを統合している。また、デュアルインタフェースを備える他、民生用ウェアラブル製品、産業用、医療用製品やアセットトラッキングなどの幅広いアプリケーション向けに、バッテリレスの完全受動型もしくは、電池寿命を延長するセミアクティブモードでの使用に最適化されている。

さらに、不揮発FRAMを搭載し、SRAMの動作速度、柔軟性と耐久性と同時に、フラッシュの高い安定性と信頼性、業界最小の消費電力と、事実上、無制限の書き込みサイクルを提供する。これにより、センサデータを素早く記憶する他、トランスポンダやセンサの設定を簡素化し、あらゆるアプリケーションのニーズに適合する製品を開発できるという。

そして、同製品を使ってアナログまたはデジタルの各インタフェース、データロギング機能や、NFC対応リーダへのデータ伝送などに対応する製品を設計できる。これらのアプリケーションでセンサノードとして動作するとともに、NFC対応デバイスがデータをクラウドへ伝送する場合には、IoT対応ソリューションも提供する。

例えば、医療用やフィットネスのアプリケーションでは、温度、補水状態などを計測するための、使い捨てのパッチに使用可能。患者はバイタルデータを安全にモニタし、医療提供者と共有することが可能になる。その際、同デバイスは、データのモニタとローカルストレージ(FRAM)へのロギングを行い、その後、NFC対応のタブレットやスマートフォンにデータを伝送する。

さらに、産業用市場向けに維持管理不要で、密閉されたガルバニック絶縁センサシステムの設計を実現する。これらのセンサはRFフィールドによって電源供給を受け、NFCを経由してワイヤレスでデータを収集し、ロギングする。

この他、フードトラッキングなどの定温制御が必要な輸送アプリケーションでは、同製品を使って温度データをモニタ、ロギングすることで、高統合でサイズを最適化し、数個のセンサを内蔵した使いやすいデータロガーの設計を実現できる。そして、流通チャネル全体を通じて、このロガーをNFC対応のデバイスやリーダに接続できる。

なお、「RF430FRL152H」は供給中で、少量の注文はTI Storeから、量産の注文はTIの販売特約店から受付中。価格は1000個受注時で2.50ドル。また、同ファミリのうち、SPI/I2Cなしの「RF430FRL153H」やシグマ-デルタADCなしの「RF430FRL154H」なども供給中。

高周波センサトランスポンダ製品ファミリ「RF430FRL15xH」