STMicroelectronicsとオーストラリアBluechiipは8月21日、共同開発したMEMSベースのトラッキングタグが量産へ移行したと発表した。これにより、年間100万個を超えるタグの需要に対応することが可能になるという。

Bluechiipのタグは、信頼性の高い機械式のトラッキングチップで、電子式タグと異なり、ラベルやバーコード、RFIDといった従来の認識技術やトラッキングソリューションでは対応できなかった、極度の高・低温、ガンマ線放射、高湿度などの過酷な環境での耐性を有する。また、MEMS共振器の技術を利用しており、電子部品は一切使用しない。さらに、各チップは、製造時に固有の識別情報が設定され、個別に事前プログラミングされるため、優れた耐タンパ性も有している。

STはモーションMEMS技術の新たな高成長分野としてバイオ・メディカル分野を重要視しており、Bluechiipタグを同分野に展開していく。Bluechiipタグが導入されるトラッキングという新市場は、革新的ソリューションにおけるMEMS技術の普及と、その適応性を表しているという。Bluechiipのトラッキング技術は、ヘルスケアおよびバイオ・メディカル産業向けに開発されたものだが、その優れた堅牢性、温度追跡機能、耐タンパ性は、食品、ワクチン、セキュリティ、防衛、航空といった分野にも理想的であるとしている。