ルネサス エレクトロニクスは7月15日、電子レンジ、炊飯器などの白物家電および血圧計や血糖値計などのヘルスケア機器のタッチキー入力を実現する新IPを開発したと発表した。

同技術は、厚さ10mmを超えるアクリルパネルでも操作が可能で、曲面パネルを使用するなどフレキシブルなデザインを実現できる。また、手袋を装着した状態での操作や若干指を浮かした状態での操作もできるため、使用できるシーンを拡げることが可能。さらに、厚さ10mmを超えるパネルにおいてもIEC 61000-4-3、IEC61000-4-6といった、厳しいノイズ試験をクリアしているため、ノイズに影響されずにタッチキー操作が可能な高品質製品の開発期間短縮に貢献する。

そして、同社の旧タッチ技術ではサポートしていなかった相互容量方式に対応することから、タッチキー操作部が水で濡れている場合でも誤検知を起こさないため、機器の防水対策を容易に実現できる。また、タッチキーをマトリクス状に組んで、マイコンから操作部までの配線が長くなっても自己容量方式と比較して高感度を実現できるのに加え、自己容量方式で発生するゴーストの誤検知の問題が起こらない。そのため、ピン数が少ないパッケージタイプのマイコンを採用した場合でもマトリクス状に組むことでタッチキー操作のチャネル数を増やすことができる。

今後、同社の既存の開発ツールチェーンとの親和性を保ち、さらに視認性、使いやすさを向上させた新しい開発環境を準備する。これにより、新タッチ技術を用いたユーザーの開発工数、開発日程の削減に貢献する。さらに、今回の新IPが、白物家電およびヘルスケア機器だけでなく、工場のFA(Factory Automation)やホームセキュリティなど、耐久性・信頼性を要する分野の機器にも応用できる技術と位置づけ、搭載したマイコンの開発を進めていく。新IPを搭載したマイコンのサンプル出荷は、今年度中に順次開始される予定。