ディーゼルユナイテッドは4月10日、舶用2ストローク型の「デュアルフューエルエンジン(DFエンジン)」の研究・開発に取り組んでいくことを発表した。これは、重油からガス燃料への転換により燃料消費量低減と国際海事機関(IMO)の環境規制に対応するため、バルチラスイスとの守秘義務契約に基づき行われるもの。

今回、ディーゼルユナイテッドが取り組むDFエンジンはディーゼルユナイテッドのライセンサーである、バルチラスイス社(本社 スイス)が開発した、大型LNG運搬船などに採用される大口径のDFエンジン「Wärtsilä-X72DF型(72センチボア)」だ。

ディーゼルユナイテッド相生事業所内に約20億円を投資し、世界最大となる6シリンダータイプのフルスケールテストエンジンを設置し試験を行う。

これまでディーゼルユナイテッドは、相生事業所にて小口径である「DU-Wärtsilä RT-flex50型(50センチボア)」実機の1シリンダーを流用し一連の試験を進めてきたが、今回その要素技術を取り入れ、大口径2ストロークエンジンでは難しいとされていた予混合・希薄燃焼技術を大口径エンジンにても実証し、商品化を進めていく。

今回テストエンジンを設置し商品化を進める大口径エンジンWärtsilä-X72DFは、2017年以降に本格化する米国からのシェールガス輸送にあわせ就航が見込まれる100隻規模のLNG運搬船建造計画をターゲットとし、投入初期は4-6台/年、以降は同マーケットのメジャープレーヤーを目指していく。

比較的小口径の「Wärtsilä 5RT-flex50DF」においては既に5隻の受注が決まっており、小型エンジンについては、中口径の「Wärtsilä-X62DF」も併せ、今後一般的なバルクキャリヤーなど向けにも販売活動を行ってくとした。

Wärtsilä-X62DF

ディーゼルユナイテッドはIHIの関係会社。ディーゼルエンジンの製造、販売を行っている。