Freescale Semiconductorは4月2日、携帯型移動無線アプリケーション向けに6WのRFパワーLDMOSトランジスタ「AFT05MS006N」を発表した。

同製品が、同社のRFパワーソリューション「Airfast」ポートフォリオに加わったことで、5Wの携帯型端末から75Wのデジタル移動無線や基地局に至るまで、移動無線分野に関係するすべての出力レベルをサポートできるようになったという。

具体的には、柔軟性と幅広い出力レンジを備えており、高出力移動無線ソリューションのドライバとして広範に利用できる。また、安定性を高める回路が統合されているため、設計が簡素化され、幅広い動作環境がサポートされる。さらに、アンプやRFパワートランジスタを悩ます過電圧や過入力が同時にある場合でも、65:1を超えるVSWRに対応できるよう設計されており、公共無線や業務用移動無線、機器間通信(M2M)など、過酷な動作環境の下でも最適な性能を実現する。加えて、一般的なモジュールベースソリューションは通常25~40%程度の効率なのに対し、同製品は60%を超える効率を有しており、冷却システムを簡素化し、無線を小型化できる。この他、VHF/UHF/800MHzの各帯域のリファレンス回路が利用できる。

また、以前に発表した「AFT09MS015N」の量産開始も合わせて発表した。10Wの移動無線設計向けに理想的なソリューションであり、他の「Airfast」ポートフォリオの製品と同様、高ゲイン、優れたVSWR特性、広帯域特性を有している。

なお、「AFT05MS006N」のパッケージはPLD-1.5W。両品種とも現在出荷中。リファレンスデザインをはじめとした各種サポートツールも利用できる。