TABLE解析に失敗しました:一度商品を買ってくださったお客さまと、長くお付き合いできたらいいと思いませんか。今回はECサイトとFacebookページをうまく連携させている米肌を事例に『Facebookで固定客を育てるポイント』をお伝えしていきます。

初めて自社の商品を買ってくださったお客さま、それきりになっていませんか。新規のお客さまにいかにリピートしてもらうかということは、ECに限らず多くの企業の課題ですよね。 そこで今回は、お客さまとのお付き合いを一度きりの購入で終わらせないための『Facebookで固定客を育てるポイント』をお伝えします。 事例として取り上げるのは、すでにFacebookページのファンは非ファンに比べ1.6倍もリピート購入率が高いという実績が出ている米肌。その成功の秘訣をECサイトとソーシャル連携を中心にご紹介します。

米肌誕生とFacebook活用

米肌が発売されたのは昨年6月。
厚生労働省から「肌の水分保持能の改善」の効果を認可された成分「ライスパワーNo.11」を配合し、消費者調査でも評価が高いという米肌は、若いながらも実力派のブランドです。

販売元のコーセーの通信販売専門子会社コーセープロビジョンでも、主力ブランドとして育て上げるべく発売当初から力を入れていたそう。 そんななか同社では米肌の発売開始と同時にFacebookページの運用もスタートさせています。

担当者の方にFacebookページ運営の目的をうかがってみたところ「ブランディング」「新たな会員獲得」「CRMの施策」の3点が挙がりました。

今回はこの3点めの「CRMの施策」について、固定客を育てるために、どのような取り組みをしているのかを見ていきたいと思います。

米肌 -MAIHADA- Facebookページ https://www.facebook.com/maihada.jp

お客さまをFacebookページに連れてくる

お客さまとFacebookページでコミュニケーションを取ろうと思ったら、当然ながらまずFacebookページにお客さまを連れてこなければなりません。

ECサイトにFacebookページへのバナーを貼る、ソーシャルプラグインを設置するなどは基本中の基本ですが、米肌ではそのほかにも見事な仕掛けをしているのです。
その仕掛けはECサイトの決済完了画面で見ることができます。
Facebookページでは毎週、米肌会員がファンになると商品と交換できるポイントを抽選でプレゼントするキャンペーンを実施していました。

そこでECサイトの決済完了画面に、キャンペーンを告知するプラグインを設置してFacebookページへ誘導をはかるようにしたのです。

ECサイトの決済完了画面に独自のプラグイン(アライドアーキテクツ開発)を実装し、ECサイトとFacebookページを連携

このプラグイン設置はファン増加とFacebookページの活性化という2点で効果が出ています。
まずファン数ですが、プラグインを設置した今年4月以前に比べて75%ほどアップしました。
一般的にプレゼントキャンペーンなどで急激にファン数を増やすと、ファンの質が相対的に低下しFacebookページが盛り上がりにくくなることが懸念されます。

しかし、米肌のFacebookページは以前より賑わうようになったのです。
なぜなら新たに増えたファンは自社のお客さま、つまり濃いファンだったからです。
しかも、Facebookページには商品を使った感想や「キャンペーンに参加した」といったコメントが多く寄せられるようになり、商品紹介に関する投稿のリアクションも増えました。

ただFacebookページが活性化しただけでなく、ファンの賑わい方にもよい変化が見られたのです。

ファンを深化させるFacebook運用

では、Facebookページのほうではどのようなコミュニケ―ションを行っているのでしょうか。 投稿、ウォールケアの両面でファンを深化させるようなポイントをご紹介していきます。

投稿でお客さまに喜ばれる美容情報や商品の使い方を届ける

米肌ではお客さまの役に立つような美容情報や効果的な商品の使用方法などを投稿しています。

左の投稿は季節に合ったお手入れ方法を解説したものです。自分で調べるほどではなかったけれど気になっていたことや、普段悩んでいたことに対する思いもよらなかった解決策を教えてもらえたら、ファンも嬉しいですよね。

また、右の投稿は米肌の効果的な使い方を紹介したものです。

我流のお手入れ方法で済ませてしまうケースが多いスキンケア。対面で解説してくれる販売員がいないECだからこそ、正しい使い方を丁寧に教えてくれる存在はお客さまにとっても有難いのではないでしょうか。

「このブランドと付き合いたいかどうか」を決めるウォールケア

また、米肌のページで特に注目したいことはウォールケアのきめ細やかさです。
「どんなネガティブなコメントもなるべく1営業日中に返答し、ケースによってはメッセージ機能も利用し返答を行っている。」という担当・大島真子さんの言葉どおり、コメント欄を覗くと丁寧にファンへの返信をしている様子が見てとれます。
普段の買い物のなかではお互いの顔が見えないECサイトだからこそ、お客さまに中の「人」が感じてもらえるFacebookという場の役割は大きいもの。
運営者の返事のしかたひとつで、お客さまが「(これからも)そのブランドと付き合いたいかどうか」といった気持ちを左右することもあるでしょう。

そしてそれは、コメントを書き込んだ本人だけでなく、そのコメントのやり取りを目にする全ての人にとって言えることなのです。

ECサイトとソーシャル連携で好循環を生む

ご紹介してきたように、米肌ではお客さまを積極的にFacebookページに連れてきて、日々コミュニケーションをはかっています。
結果的に、現在はFacebookページのファンは非ファンに比べ1.6倍もリピート購入率が高いという実績も出るほど、固定客を育てることに成功しているのです。

さらにECサイトとソーシャル連携により、お客さまの声が集まるようになったというのも大きな収穫のひとつです。
こちらの投稿をご覧ください。「米肌を使って良かったこと」は何ですか?という問いかけをしています。

お客さまから集まった書き込みの一部 赤線はポジティブな内容

こういった形で集まってきた商品に関する意見を、米肌では会員向けに発行している会報誌に載せて二次利用したりもしているのです。
また、このようにFacebook上で商品に対するポジティブな書き込みがなされるとクチコミ効果も期待できますね。

お客さまの声が集まり、クチコミも生まれ、集まった声をコンテンツとして二次利用するなど良い循環がまわりはじめた米肌。
Facebookの活用によって「固定客を育てる」というだけでなく、お客さまと一緒にブランドが育っていくような流れができているのではないでしょうか。

<ライター紹介>

柴 佳織(Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。