東北IT新生コンソーシアムは、無償で利用できるクラウド試作環境「東北新生SaaSラボ」を立上げ、9月4日より提供を開始したと発表した。

同コンソーシアムでは、2014年2月末日までの期間限定で、東北地域のIT企業を対象に新サービスの立上げ支援を目的として、クラウドアプリケーションの試作と検証を行えるクラウド環境「東北新生SaaSラボ」の提供を開始した。

本ラボは、クラウドアプリケーションの試作を行う目的に特化したクラウドシステムで、通常、システムの利用には月額の利用料が発生するが、本ラボを利用すると無償で、試作・検証ができ、クラウドサービス開発の費用を抑制できる。

また、クラウドシステムの稼働監視やデータのバックアップ等の機能が標準提供されるため、運用管理の効率化が図れ、利用企業はクラウドアプリケーションの試作・検証に専念可能。さらに、商品企画立案、マーケティング、試作や評価の支援など、東北IT新生コンソーシアムの会員企業や東北大学より、試作から事業化に至るまでの一連の支援を受けることができる。

「東北新生SaaSラボ」利用イメージ

既に複数社の利用が決まっており、ファーストユーザーとして仙台市に拠点を構えるトレックが、デイケア事業者向けの送迎計画立案・運行管理システム「うぇるなび」の検証に利用。「うぇるなび」は、デイサービスを受ける利用者の要望に沿った送迎計画を立案し送迎スタッフのモバイル端末にルート地図を配信するクラウドアプリケーション。今後の計画として、送迎車の運行状況を管理する機能の追加も検討している。同社は、「現場ニーズおよびユーザーの意見収集」「インターネット環境での性能評価」などを行い、2014年の商用化を目指す。

東北IT新生コンソーシアムは、東北大学大学院工学研究科、NECソフトウェア東北、東北インフォメーション・システムズ、日立ソリューションズ東日本、富士通システムズ・イーストで構成されている。